団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

老いの現実を受け入れないと、辛い結末が待っています

2013-04-02 09:22:49 | 健康・病気

「映画の会」で、「愛、アムール」を見てきました。パリのアパルトマンで悠々自適な老後を過ごす80代の音楽家の夫婦が、妻のピアニストが転倒から半身マヒに陥り、それがきっかけとなって認知症が進行します。だが、誇り高い妻は、病院での治療も、老人ホームに入ることも拒否します。妻の願いを入れて、自宅での介護生活を選んだ夫は献身的に支えますが、それも限界に達し、動けない妻の顔に枕を押し付けて窒息死させ、自分はアパルトマンを出ていきます。夫のその後は描かれていませんが、自らの死を選んだように見えます。

参加した4人の感想は「重い映画でした」。妻を演じたのが、広島を舞台にした「二十四時間の情事」のエマニュエル・リヴァ、夫は「男と女」のジャン=ルイ・トランティニャンです。「男と女」で男盛りの渋い二枚目を演じたジャン=ルイ・トランティニャンが83歳ですから、私たちも年を取るはずです。

一流のピアニストを教え子に持つ妻は、認知症により急速に進む心身の衰えを認めようとしません。認めたくないのでしょう。自宅での介護生活を希望し、夫もこれを認めます。通いの介護ヘルパーの女性の「子ども扱い」する対応を嫌がり、夫も即座に解雇します。シャワーで洗髪するシーンがありますが、座らせた妻の髪を引っ張り上げるような洗い方はヘルパーとして失格だ、と私も思いました。

映画の会の世話人のMさんが感動した言葉が夫の口から飛び出します。「介護のプロ」と主張する女性に、夫は「あなたも年を取り、妻と同じような仕打ちを受けることを望みます」と婉曲的にきっぱりと言います。

しかし、老いに加えて、認知症が進む妻への「老々介護」は悲惨な結末しか待っていないでしょう。いくら愛情があっても、いくら献身的な夫とはいえ、どだい無理な話です。「愛、アムール」を見て、はっと気がつきました。妻を私が介護することは、まったく考えていませんでしたが、ありえないことではないと気づきました。そのことをカミさんに伝えますと、「そうなったら、よろしくね」でした。

コメント
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