物事には偶然そうなる・・というようなことが起こる。誰もがそうしようとは思っていないのに偶然、そうなる訳だ。人々はこの現象を人為的ではないから運と、ひと言(こと)で片づけてしまう。偶然起こることがよければ、それはそれで喜ばしいが、悪いことが偶然起これば、人々はそれにめげないで続ける必要が生じる。当然、めげて棒をバシッ! と折る人も出てこよう。^^ 今日はそんな偶然をテーマにした面白くも嬉(うれ)しくもないお話だ。^^
とある中央省庁である。
「君っ!! どうなんだっ!? 先週言ってた予算要求書付表は出来てるのかねっ!?」
局長が制服組の若い課長を呼んだ。
「局長! それがコロナでコロコロなんですよっ!」
「…コロコロ!? どういうことだねっ?」
「だから、コロコロなんですっ! 回転に歯止めが利(き)かないというか…」
「議会が始まる前に、なんとかしてくれっ! 大臣に突(つつ)かれて困ってるんだよ、実は…」
「あの鶏顔(にわとり)顔の大臣ですかっ?」
「そうそう、鶏に、さっ!」
「でも、もう突かれなくて、いいんじゃないんですかっ!」
「…どうしてっ?」
「聞くところによれば、総裁選で国会は開かれないようですよっ!」
「おお、そうだった! タイミングよく、偶然、総裁選だったなっ!」
「ですね…」
「コロナ予算で、めげそうになっとったんだが、偶然、めげないで済むか…」
「世の中は上手(うま)く出来てますよねっ!」
「ああ、確かに…。それよかコロナは終息出来んのかねっ!? もう、一年半、過ぎたよっ!?」
「私に言われても…」
「それはまあ、そうだが…。偶然、なんらかの理由で終息するってことはっ!?」
「さあ…ダメっぽいんじゃないんですかっ?」
「偶然、そうはいかんか…」
「はあ…」
偶然は期待して起こるものではないから、私達は、めげないで頑張る他はないようである。^^
完