水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

四方山(よもやま)ユーモア短編集 (37)機械化

2021年10月04日 00時00分00秒 | #小説

 どんどん時代が進み、機械が機械を呼ぶ機械化という現象が今、起きている。むろん、時代が進んでるんだから…と考えれば、そのこと自体は否定されないが、なんか味気(あじけ)ない殺伐(さつばつ)さを感じるのは何故(なぜ)だろう?^^ おそらく、これからも、どんどん機械化が進むのだろうが、忘れてはならないこととはっ? を考えてみたいと思う。アンタも暇(ひま)だなっ! と言われれば、それまでだが…。三十七話はそんな機械化の四方山話(よもやまばなし)です。^^
 とある地方都市のとある家庭のとある夫婦の会話である。^^
「おいっ! 卵(たまご)はっ!」
「卵!? 卵は冷蔵庫にあるでしょ!」
「おいっ! ないぞっ!」
「ないって、入れてあるんだから、あるでしょ!」
「ないから、ないって言ってんだろっ!」
「そんな言い方ってないんじゃないっ!! …買ってなかったのかしら…。ないのっ!?」
「ないっ!!」
「仕方ないわね…。今日は、我慢してっ!」
「機械化すると忘れることもあるんだなっ! よしっ! 忘れないように鶏を飼おう!!」
「残業し過ぎて、どうかしちゃったんじゃないっ!?? 大丈夫っ!?」
「ああ、俺は全然、どうってことないっ!! 大丈夫っ!! 鶏、鶏っ!」
 一週間後、この家庭の庭では鶏が飼われるようになった。だが残念ながら、その鶏は、コケコッコォ~[クックドゥドゥドゥ~~]と鳴く鶏で、卵は産まなかった。ここのご主人は機械化の結果、いつの間にか自然の営みを忘れ去っていたのである。
 機械化は人の頭脳を退化させる一面も含んでいるから要注意! という四方山話でした。^^

                   完


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