全(すべ)てのことに言えることだが、原因が分からないと、どうも気分が悪くないだろうか? 誰もがそうだと思うのだが、どうですかっ!?^^ 今日はそんな話を読んでいただきたいと思います。^^
とある家庭の一(ひと)コマである。朝から断水した訳でもないのに、水が出ない、水が出ないっ! と走り回りながら、一家の主人が騒いでいる。
「お隣(とな)りに訊(き)いてみたらっ!? 家(うち)だけか? って!」
奥さんがナイスな助言をする。
「あっ! そうだな…。その手があったか!」
「そうよっ!」
断水の原因を探(さぐ)ろうと、主人は隣りの人家を訪(たず)ねた。
「えっ! 断水なんかしてませんよっ! お宅(たく)、水が出ないんですかっ?」
「ええ、まあ…。お騒がせしました、どうもっ!」
主人は罰(ばつ)悪く、早々と隣家(りんか)から撤収(てっしゅう)した。
「どうだった?」
「お隣りは出てるとさっ!」
「じゃあ、なぜっ!」
「元栓(もとせん)はっ!?」
「あっ! 俺だ…。昨日(きのう)の夜、洗車してたんだよっ!」
「洗車とどういう関係があんのよっ!」
「まあ、聞けっ! 洗車してなっ。終わって水を止めたんだ。ところがさっ! 蛇口を締めてもポタポタ水がでてるじゃないかっ!」
「それでっ!?」
「それでっ? って、そういうことさっ!」
「どういうことよっ!?」
「巡りの悪いヤツだなっ、もう!! パッキン替えたんだよっ! パッキン!!」
「はは~~ん! そのとき元栓(もとせん)締めて、そのままにしてたんでしょ!」
「正解!!」
「原因は洗車かっ!!」
「申し訳ないっ!」
「だったら、早く開けてきてよっ! お弁当が作れないじゃないっ!!」
「はい…」
主人は借り物の猫になり、家の外の元栓へと急いだ。
このように、分からない原因というのは、案外、他愛(たわい)もないのである。^^
完