足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ここでの作戦・・・朝鮮半島問題への対処

2010-11-24 07:44:07 | 株式

朝鮮半島での緊張が世界の株価を動かした。

NY株をはじめ新興国株にも打撃を与えている。一方、為替はドル、スイス・フラン、円が堅調。安全な資産に逃避するという人気が表面化した。ユーロにはアイルランド問題がのしかかる。

ただ朝鮮半島でのこの種の緊張はこれまでから定期的に起こってきた。ウォール街でも「韓国株の下落は買いのチャンスとみて、サムソン電子と鉄鋼のポスコの押し目買いを進める専門家もいる。

ウォール街では18.04になっていたVIX(恐怖)指数が20台になった。本日の日経新聞には国際投信が来月、VIX指数のETFを大証に上場すると伝えている。すでに米国では人気のETFの一つとして売買されてきたが、日本で売買できるようになるのは歓迎したい。われわれはVIX指数に注目してきたので、これからも節目では取り上げていきたい。

さてここでのわれわれの投資作戦はどうするか?

NY株の動きとの連動性を高めてきたことに注目し、相場の押し目は買いのチャンスである。

その一つは証券、銀行株である。最近の金融株の上昇でテクニカルに過熱信号が出てきたが、株価の押しが続き、25日移動平均に接近するなら注目したい。


日本株がNY株を追い上げるきっかけ

2010-11-23 09:13:45 | 株式

京市場にようやく外人投資家に目が向いてきた。

本日の日経新聞にはドル建ての年初来のパフォーマンスの記事が載った。

日経平均+5.9%、これに対してNYダウ平均は+7.4%。NYダウ平均のほうが日本株を上回ったが、110月までの実績をみると日経平均+1.54%、NYダウ平均+8.96%であった。この両者の数字を比べると10月に入ってからの東京市場のパフォーマンスがよく、これまで大きく出遅れていた差を日本株が埋める動きを始めたといえる。

理由は日本企業の中間決算の発表で予想を上回る好調なことが確認できたことと、それに円相場の下落で日本企業の先行きの業績に見直し人気が出たことだ。

円高ではドル建ての日本株のパフォーマンスは為替分だけよくなる。

現地通貨では11月の日本株は+10%、NYダウは+0.5%と上昇率の差が大きく開いてきた。久しぶりのことである。

この理由はもとを正せば11月初めの米連銀の強力な量的緩和(QE2)がある。本来なら米国の金利の低下はドル安になるが、今回は金融市場が金利の一段と先きの金利を読み始めた。

バーナンキ議長の「連銀の金融政策の目的は資産価格の押し上げにあり、デフレのリスクを考慮にいれる」と明言したことである。

期待される年末のラリーでは一段と日米の株価の差は縮まるとみる。

昨日はウォール街で金融株が下落した。この人気が日本にも波及するなら、東京市場での金融株の押し目を狙う作戦をとりたい。


12月はIPO市場に大物が登場

2010-11-22 07:42:06 | 株式

先週の日米の株価のパフォーマンスは久しぶりに日本が勝った。

NY株はNYダウ、S&P500,ナスダックともほぼ横ばい。

これに対して東京市場が+3.0%、1万円台で引けた。

今週の週末は米国は感謝祭で年末商戦の緒戦が始まる。ヨーロッパの焦点はアイルランド問題であるが、IMF,ECBなどが緊急援助をすることでまとまった。

東京市場では12月は久しぶりにIPO市場に大物が登場する。知名度の高いポーラー・オルビス(1212)、大塚ホールディングス(1215日)の2社が公開される。この2社を含めて合計6社が公開される。

日本の新興市場は20061月に天井を打ち個人投資家は大きな被害を受けた。市場からの個人離れの遠因になった。IPO市場は個人投資家が活躍する場であったが、ライブドア事件で決定的な打撃を受けた。その市場が回復に向けて復活のきっかけをつかむかどうか?

12月のIPO市場の動向に注目したい。


米国の金融政策に批判・・・しかし当局はたじろがない

2010-11-20 08:18:49 | 株式

今週のNY株は週間ではマイナスで終わった。

113日の連銀FOMC6000億ドルの量的緩和が決まり株価は大きく上昇したあとだけに調整は当然であった。

しかし金融政策をめぐって「やり過ぎ」という批判が共和党の議員から出てきた。23人の共和党議員がバーナンキ議長に金融政策に反対する手紙を出したことが話題になっている。

しかしそれより先、ウォーレン・バフェットがNYタイムズに自ら寄稿(1116日)しベン・バーナンキ議長、H・ポールソン前財務長官、ガイトナー前NY連銀総裁、S・ベアーFDC理事長の行動に賛辞を送った。未曾有の金融危機から救済した立て役者たちである。政策次第では世界の金融市場は恐慌に陥るところであった。

バフェットが自ら投稿するのは2009年秋に続いて今回が2回目である。政治家のバーナンキ議長攻撃の先手を打った。相場のフシではかならず登場するのがバフェットだ。彼の天分がそのような行動を促す。もう20年は生きてほしい。

また昨日はガイトナー財務長官が「金融政策を政治家が攻撃するのは筋違いである」とメディアを通じて政治家の動きを批判した。

この一連の動きをみていると米国の自由主義の現状が実にうらやましくなる。

日本ではこのようなことは絶対に期待できない。バフェットもバーナンキもガイトナーもいないし、そのような社会システムが存在しない。

NY株は安泰である。年末にかけて一段と上昇するだろう。

東京市場は銀行株の人気の復活が注目点だし、12月に大型銘柄がIPOされることも好材料だ。バリュー投資家の出番である。


東京市場が火を点ける

2010-11-19 07:45:56 | 株式

東京市場新興国ヨーロッパNY市場と株価の上昇人気は移行した。

円相場の下落が日本株の材料になり、アイルランド問題の鎮静化がユーロ圏の株価を刺激し、最後は好調な景気指標がアメリカ株を押し上げた。

GMが公開されたが、IPO価格の$33に対して$35で寄付いた。さすがは冷静な米国の投資家だけに、あくまでファンダメンタル分析にもとづいた株価判断が優先した。

GM人気の勝負はこれからである。引けは$34.19.

昨日の東京市場での売買金額の上位には銀行株が顔を揃えた。

これまで蓄積されたエネルギーが燃え始めた感じがする。

2003年に始まる上昇相場でも金融株が相場をリードした。

2009年のリーマンショック後の反騰相場でも銀行株が連日、東証の売買金額の上位を独占した。

昨日の市場でも三菱UFJ,三井住友、みずほが売買金額のビッグ3となった。経済の健全性の基礎を担うのは金融である。それだけに昨日の市場での金融株の活躍は日本経済、株式市場には明るい気分を植え付ける。

そういえば最近、米SECにウォーレン・バフェットがウエルズ・ファーゴ(WFC)の持ち株の買い増しの届け出をだしたのを思い出した。持ち株の大黒柱の一つを静かに買いますバフェットの考えていることが伝わる。

東京市場でも今後の人気相場の継続性を占うのは金融株の動向であるとみる。

中型株では引き続き浜松フォトニクス(6965)に注目している。ファナックのように日本のモノづくりの代表例である。小惑星探査機の無人衛星「はやぶさ」の存在の陰には同社の技術が生きた。NASAも実現できなかった夢だ。