NY株は下落したが、金、銀など商品相場は上昇した。
米国株はリーマンショック前の水準(2008年9月)に復帰しただけに、ここでの小休止は当然である。
シカゴ商品取引所は銀相場の投機を抑えるために先物取引の証拠金を引き上げるという措置をとった。相場は30年ぶりの高値で1980年以来。当時はテキサスの石油王バンカー・ハントが歴史に残る大投機を仕掛けた。結末は投機の失敗で銀相場は暴落した。今回の銀相場は金に引きずられて上昇している。しかし市場が金に比べて小さいだけに、相場の動きは一方通行になる。
昨日のウォール街でのいま一つの注目点がドル相場の堅調である。ユーロ、英ポンド、円に対して上昇した。先週は米連銀が大幅な量的緩和政策を発表し、金利の低下を見込んでドル相場が軟調であったが、この日は逆行して堅調であった。
ドル高→NY株安→商品相場の上昇というこれまでにない構図である。
NY株を支えてきたのは米国企業の業績の回復である。S&P500の2010年の1株利益が$85、2011年は$96というのが、現在のコンセンサスである。金融相場から業績相場への移行が始まろうとしている。昨日は世界の製造業の時価総額でNo1のアップルの株価が新高値($321)である。米国株のシンボルである。
東京市場でも企業業績は好調である。問題はアップルのような相場のリード役の不在である。