朝鮮問題でゆすぶられた世界の株価は1日で下落分を埋めた。相場の基調はバーナンキ議長が目指す「資産効果が消費を喚起する」という政策の線に沿って動いている。
昨日のNY市場で目立ったのはドル指数(DXY)が上昇したことである。79.77と9月下旬以来の高値をつけた。当時の円相場は85円であった。その線に沿って円相場は動いている。
今週のNY市場は木曜日が感謝祭で休場、金曜日は半日の立会である。事実上の連休に入る。金曜日はブラック・フライディといわれ、年末のショッピング・シーズンの幕開けになる。これからクリスマスまでの6週間は消費者が財布のひもをゆるめる。
「ブラック」の意味は日頃は不振で赤字続きの店も黒字なるというところから由来した。
米連銀が思い切った景気対策として未曾有の量的緩和を発動した。消費者の先行きのセンチメントは好転している。ことしのショッピング・シーズンの出足がはやく、感謝祭ではショッピング・モールが大きく盛り上がるといみるエコノミストも多い。
ここ2年間の景気の不振で個人部門は1兆ドルの負債の返済を行った。
株高効果も加わって年末商戦は盛り上がると期待する可能性が十分にある。
日本には見られないうらやましい現象である。
NY株が世界の株価に好影響を与える構図は不変である。
新興国投資の第一人者のマーク・トビアス(テンプルトン・ファンド)は「私のかねての持論通り景気のダブルディプ(2番底)は起きていない。新興国の経済成長率は先進国の3倍でこのトレンドがこれからも続く」と語っている。
ファナック(6954)の押し目買いを考えたい。