新興市場に人気の回復の兆しが出てきた。
最近のハイライトは ジャスダック市場の活躍である。10月12日に大阪証券取引所の傘下に入りヘラクレスとシステム統合した。スタート時の1日の売買代金は120億円であったが、11月中旬から急増し始め11月24日には276億円と2.3倍になった。
最近の立役者はユビキタス(3858)で、昨日の1日の売買代金は50億円と日本電産の57億円に迫った。株価に人気が集中し最近の安値12万100円(10月22日)が昨日は28万9900円とわずか1ヵ月余で2.3倍になった。2004~2005年の新興市場の人気を彷彿とさせる。
この会社は2007年に旧ジャスダックが市場振興のためにNEO市場を創設したときのIPO第1号であった。
PC、携帯端末などへの機器組み込みソフトのベンチャー企業で任天堂のDS人気のおかげで成長の糸口をつかんだ。もともと株価の上下への変動率の高い株であるが、NEO市場では前評判通り業績は着実に成長してきた数少ない株である。
この種の人気が横へ広がり始めているのは注目される。
新興市場は個人投資家が活躍できる市場である。ユビキタスに集中しているのは個人のホットマネーであるが、本来はもっともアニマルスピリッツを発揮する資金である。この種の資金の市場への還流は東京市場の復活には大いに歓迎される。しばらく市場から離散していた資金が目覚め始めたことは注目したい現象である。
12月にはIPO市場に続々と大物が登場する。日本株のプレゼンスを高めることができるかどうかの試金石でもある。