昨日のハイライトは金相場の1,400ドル台乗せである。一時は1,408ドルまで上昇したが引けは1,403ドル。
上昇の引き金は世界銀行のロバート・ぜ―リック総裁が「世界の金融市場の再構築のために準備通貨は金を基準とすべき」と通貨システムの一部を金本位制へ復帰するよう呼び掛けたことだ。
今週、ソウルで開かれるG20を前に戦後のブレトンウッズ協定の再構築を主張した。1971年にニクソン大統領が基軸通貨のドルと金のリンクの廃止を実行したが、再び金をベースにしての新しい基軸通貨制度のパラダイムづくりを進めるべきという。
この提案がすぐに現実化されることはないにしても、先行き金相場が新しい視点から見直される可能性がでてきた。投機の対象から資産保全としの手段である。
この動きに乗じて石油相場も上昇した。市場では$90台乗せ(昨日は$86)を見込み始めた。
今月初めの米連銀が6000億ドルの証券の買い上げで資金の供給を決めた。明らかにインフレ要因である。日本のように失われた20年の2の舞を踏まないように、先手を打つ政策である。
また新興諸国の台頭がインフレの種をまく。
向こう2~3年の世界経済のパラダイムに大きな変化が起こる可能性は大きい。