今週のNY株は先週とは打って変わって軟調となり週間では-3%になった。
特に昨日は上海株の大幅安、アイルランドの信用不安が材料になった。
東京市場は久しぶりにNY株に逆行し週間では+2.0%であった。
問題のアイルランドについいてはユーロ圏の政策責任者が昨日はフランクフルトに集まり緊急の会合を開いた。問題が現実化したときは先に用意した基金の7500億ユーロを使って支援することを確認した。
このような動きを好感してアイルランド国債の相場は上昇しひとまず危機状況は沈静化した感じである。
NY株の調整は10月の好調な相場の反動で、材料面でも相場を動かすようなものがなかった。
救いは円相場が引き続き対ドルでは落ち着いており、昨日のNY市場では82.53円(前日82.51円)であった。これまでなら現在のような環境のときには円相場は買われたはずである。為替相場へのセンチメントに微妙な変化がみられる。
上海株の下落は来るべきものが来たという感じである。インフレの鎮静化のための当局の引き締め姿勢に相場が反応したが、元高への誘導がインフレ問題の対策になる。
先週のウォール街では先の米連銀の6000億ドルの資産買い上げ策に対して懸念が出ていた。
① インフレの再燃②ドル安③出口戦略の失敗―である。
いまのところ一段のドル安は避けられている。しかしここで指摘した問題はこれからも注意をしなければならない。