今週のNY株は週間ではマイナスで終わった。
11月3日の連銀FOMCで6000億ドルの量的緩和が決まり株価は大きく上昇したあとだけに調整は当然であった。
しかし金融政策をめぐって「やり過ぎ」という批判が共和党の議員から出てきた。23人の共和党議員がバーナンキ議長に金融政策に反対する手紙を出したことが話題になっている。
しかしそれより先、ウォーレン・バフェットがNYタイムズに自ら寄稿(11月16日)し“ベン・バーナンキ議長、H・ポールソン前財務長官、ガイトナー前NY連銀総裁、S・ベアーFDC理事長の行動に賛辞を送った。未曾有の金融危機から救済した立て役者たちである。政策次第では世界の金融市場は恐慌に陥るところであった。
バフェットが自ら投稿するのは2009年秋に続いて今回が2回目である。政治家のバーナンキ議長攻撃の先手を打った。相場のフシではかならず登場するのがバフェットだ。彼の天分がそのような行動を促す。もう20年は生きてほしい。
また昨日はガイトナー財務長官が「金融政策を政治家が攻撃するのは筋違いである」とメディアを通じて政治家の動きを批判した。
この一連の動きをみていると米国の自由主義の現状が実にうらやましくなる。
日本ではこのようなことは絶対に期待できない。バフェットもバーナンキもガイトナーもいないし、そのような社会システムが存在しない。
NY株は安泰である。年末にかけて一段と上昇するだろう。
東京市場は銀行株の人気の復活が注目点だし、12月に大型銘柄がIPOされることも好材料だ。バリュー投資家の出番である。