中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第5回 紬きもの塾「自然で楽な着方」― 名古屋帯の結び方・半衿の付け方など

2020年12月16日 | 紬きもの塾’17~’20
半巾帯プロジェクトの染めの作業に集中していて、紬塾の報告がすっかり遅くなりました。

先月、工房の山茶花(御身衣)も見頃の時に行われました。
この日の私の着物は薩摩絣の袷です。帯は段柄の良く使っている紬帯です。
帯揚(梅染)も帯締めも良く使う、心落ち着く好きな取り合わせです。

楽で時間のかからない着物の着方を学びます。
私は着付け教室には行ってませんし、普段着、洒落着の楽な着方のお話のみしています。

長襦袢の上に伊達締め(麻)1本、着物の腰紐1本(メリンス)、着物の胸紐または伊達締め1本。
帯枕にガーゼではなくストッキング。帯板はボール紙1枚。
補正下着やタオル補正なしで私は着つけます。
ゆるい着方ですが、、早くて楽です。


今期の方はみなさん着物を自分できちっと着ることのできる方ばかりでしたが、帯結びは仮ひもを使う方が多かったので、使わずに捻じるだけの簡単なやり方を致しました。本当に簡単ですよ!
手と垂れを捻じるだけ。すぐにのみこんで頂けました。

自然布とか、固い生地の場合は仮ひもで畳む方が良いと思います。
着慣れている方もいつもと違うこんなやり方も参考になるかと思います。

衿芯に半衿を先に付けてから襦袢に取り付ける、自然な衿の形を作る方法もお話しました。


また、名古屋帯の前柄をどこに合せればよいのかよくわからないという方もいまして、帯の柄が入る位置についても説明しました。
上の写真の方は(着物は中野作です)斜めに区切られた面的な柄付けの染帯の前柄、太鼓の柄の出し方が良くわからないということでしたので、帯を解いて柄の中心を測ってみました。

見た感じで決めればよいのですが、一応寸法も測って、制作者はどこを中心にしたのか確認するのは良いことだと思います。

この帯の場合は前柄がもう少し左にズレる(本人の右脇)ように設計はされていました。そうすると太鼓の柄も引き上げられて良い位置になっていました。

ただ、中心を左右に少しずらせる場合は、着物や季節との関係で、
鏡の前でよいと思われるところへ1~2寸(4~8cm位)ずらす調整は可能です。

帯の寸法、柄の位置を把握しておくことは大切です。

紬塾の基礎コースはあと1回で終了なのですが、コロナのことでスタートが遅れ、
詰めての開催でしたが、また感染拡大の状況の中、乾燥した真冬はエアロゾルや、
換気もしづらくなりますので、来年3月まで延期と判断しました。

3月の最終回は半巾帯を愉しむです。着物の寸法の話も。
無事終了式ができますように!(*˘人˘*)










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