中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第8回 紬塾「上質の半幅帯を愉しむ・仕立について」(最終回)

2025年01月22日 | 紬塾’21~’24
紬きもの塾24も、最終回を迎えました。

内容は、前回の名古屋帯の続きで、寸法のことなどを詳しくやりました。
ポイント柄の場合の位置の確認や、体形によっては寸法を加減することなど。
柄がうまく出ないと思っている帯も、結び方で改善されることもあります。

半巾帯の結び方は動画が沢山ありますし、私は着付けの先生ではないので割愛しようと思っていましたが、意外と、普段はお太鼓ばかりで、みなさんからの切なるリクエストもあり、数種類実際にやってみました。
6人のお世話は大変でした。。^_^;

結び方はたくさんありますが、帯の生地の固さや、柄によって、着こなしによって選ぶと良いと思います。
生地感と結び方がちぐはぐにならないように・・。

お太鼓結びと違って、慣れるまで、手先の長さをどれくらいとればよいか、長すぎる、あるいは短すぎる帯の場合はどうすればよいのかなど、扱いが難しい点があります。時間をかけて研究するしかありません。
機械織の固い織りのものは結びにくいので、半巾帯には避けた方がいいです。
最初は2種類くらい決めて、慣れていくのが良いと思います。
半巾帯は簡単ではなく、むしろその人の布に対する見識など、技量が問われます。上質な生地を選びましょう。まずはそこからです!

洋服の上から練習する場合でも、長襦袢だけは着てやるか、伊達締めだけでも結んで、後ろへ回すときの滑りをよくしておくことが大事です。

トップの画像、この半巾帯はとても締めやすく、どれだけ使っているかわかりません。
いつも使うたびに新しさを感じるのはなぜでしょう・・。
仕立ててくださった方は亡くなられたのですが、芯の具合もとても良いのです。芯を入れて仕立てる場合は、仕立ての方の感覚も問われます。

そして、最終回は、副読本とした、幸田文著「きもの」の感想の締めとして、私からは、るつ子の母親が亡くなって、形見分けの話が出てきますが、この箇所を紹介しました。ここもとても大切な、多くのことを内包したところです。
着物を着ることは、次の代へバトンを繋ぐこと。そう思って着物を選び、着ていく。そして、何を遺せるかだと思います。

また、各回のまとめもしましたが、
1.布を見る力つける
2.自然な色をまとう
3.日本の取合せ文化
4.自分らしい自然な着姿
5.とことん着る
6.着物文化後進に繋ぐ
7.手仕事を大事にする
8.プロの仕事を尊重する
9.自然を大切にする
等をおさらいしました。

さて、次期紬塾に関しましては3月初旬にははっきりさせますので、しばらくお待ちください。

次回のブログで受講者6名の感想をアップします。






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