中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

「『現代工芸論』出版記念の集い」無事終了しました!

2014年07月02日 | 工芸・アート


「『現代工芸論』出版記念の集い」と「井上まさじ展」が無事終了しました。
2日目の講演会とコンサートにはたくさんの方にご来場いただきました。
みなさまありがとうございました。


もっと聞きたかったし話したかった講演会。
「観念の設定ではなく、自己の外にある対象と向き合う」
「具象性を超える」
「表現系と機能(実用)系を価値付の上で区別しない」
この3点について例をあげて解説がありました。
参加者から「今日の話は当たり前のことを言っているのですよね」というコメントもありました。
陶芸の桶谷寧さんも聴講して下さり、真を付いた語録を残してくださいました。
またこれからも工芸の問題を考えていきたいと思います。


もっと聴きたかった歌、もっと歌いたかったワークショップ。
ワークショップの『うさぎ』谷川俊太郎作詞、松下耕作曲は私には結構ハードル高かったです。。。><;

短い時間に少しタイトになりすぎてしまいましたが皆様はお楽しみいただけましたでしょうか?
たくさんの心に残る言葉や人の出会いがありました。
紬塾の方もたくさん参加してくれて嬉しかったです。


ソプラノの名倉亜矢子さんのコンサートの後半、日本の曲に入ったあたりで、激しい雨と雷鳴の中で真っ暗になってきました。声がかき消されないか少し不安な気持ちになりました。
しかし名倉さんは全く動じず、雨音と共に声を響かせ、雨音は名倉さんの声を浮かび上がらせるBGMのようでもありました。
不安は消え、むしろこれでいいんだ――というような安心した気持ちになりました。

最後の方は涙ぐんでいる方もありました。
「雨の音が雑音にならないでむしろ効果的だった」という方もおられました。

とにかく忘れられないコンサートになりました。
名倉亜矢子さんの力量を改めて知る機会となりました。







仏蘭西舎すいぎょくさんの会場も庭も本当に素晴らしく、丁寧に手入れをして使われているテーブルや椅子は展示の邪魔にもならず、添え物でもなく、井上まさじさんの絵とのコラボレーションも楽しませてくれました。

29年使われている建物の内装、テーブル、椅子、調度品もすべて国産のムクの天然木を使用、
飛騨高山の工芸集団「オークヴィレッジ」が手掛けたものです。
使わせていただき心より感謝申し上げます。

8月いっぱいレンタル可能です。
9月からはレストランもリニューアルオープンします。
詳細はこちら

井上作品も素晴らしかったです!!!
小さな丸を連ねた作品。この絵は毎朝少しずつ描かれます。どれだけ描かれたのでしょうか・・


サブコーナーの器たちもテーブルと調和していました。




都合で長くはできず、短い期間で本当にもったいない展示だと片付けながら心底思いました。

工芸だ美術だ着物だ音楽だ建築だ、というくくり方ではなく、すべてがトータルに自然体で自然から導かれ、自然と調和し、これからの新しい手仕事、手わざ、身体を通した仕事に注目したいと思います。

かたちの会は小さな会ですが、そういうもの、そういう人たちを紹介していきたいと改めて思います。
これからもご支援ご協力のほどよろしくお願い致します。
詳細はかたち21のHPをご覧ください。

 
名倉亜矢子さん、笹山央さんと、井上まさじさんの絵の前で記念撮影です。
細身のお二人と並ぶと幅が強調されてしまいますが・・・^-^;



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 女わざー森田珪子さんの講演... | トップ | 梅雨時の着物と和装下着 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

工芸・アート」カテゴリの最新記事