織物の仕事は細かな作業の連続です。
特に綜絖と言われる経糸を上下に開口させるための仕掛けの穴に綾から糸一本一本を取り出し順番を間違えないように通す作業は大変です。
単純な平織りの通し込みならまだ良いのですが、数枚ある綜絖の順番が複雑な変化組織のものや密度の高いものはちょっと厄介です。
集中してやるのですが、間違うこともあります。
織り始めて気づくとまた最初からやり直しです。
何度かこのショック!を味わいました・・・。(ToT)
間違いを避けるための工夫もとても大切です。
上の写真は綾竹がふた組ある二重チキリのセッティングで、地糸と縞糸を分けてあるものを割り込みながら通し込みをしてもらっています。
こちらはたて密度の荒いやや透け感もある帯の通し込みです。
綜絖子に経糸を通したあとは筬に糸を通します。真鍮製の筬通しを使って糸を2本ずつ筬の羽に押し込みます。
この筬は荒いのでさすがに間違うことはありませんが着尺用などの細かなものは一羽飛ばしてしまう空き羽や、逆に同じところに4本入れてしまう混み羽を作ってしまうこともあります。
苦労の連続ですが^^;集中力と根気でここを乗り越えないと布は織れないのです。
さてどんな織物になるかこの峠を越えてもまだ気は抜けませんが楽しみでもあります。(*^_^*)
チキリに巻かれた経糸。
織物の心臓部、経糸の綾。