第50話「神は天にいまし すべて世は事もなし」より
…さあ、いよいよ最終回です!なんか49話が実質のクライマックスとか、最終回がしょーもないみたいな書き方しちゃってましたが、そんなことないんですよ!てか久々見て、「そんなことないんだ」って実感しました…。でもまあエピローグ的な位置づけでは…あるよね?それに1話使っちゃうんだもの、ゴージャスな話よね!!
そしていきなり忘れてた部分。アンが奨学金を蹴って家に残るって話はアボンリーにすぐ広まったけど、ほとんどの人がマリラの目の事情を知らないために、周りの人に愚かだとかかわいそうだと言われたりしてたんだって…!うわあ…。アラン夫人だけは賛成って言ってくれて、アンが涙を流してる…。それだけで、いいんだろうなあ…。周りにはマリラのために言わないって決めたんだろうなあ。アンがひどいこと言われたらマリラの方が言い返したりしちゃいそうだけど、それもしないって決めたんだろうなあ…(ひどいことっつっても、アボンリーの人だってただ事情を知らないだけで、ナレーションさんの言うとおり「善良な人々」なんだよなあ…つーかダイアナにも言ってないのね!?ビッックリ…)。
ある夕方、リンドさんがグリーンゲイブルズを訪ねてくる。アボンリーの情報屋リンドさんの口から、ギルバートが自分のためにアボンリーの学校の先生のポストを譲ってくれたことを知るアン。ギルはもちろん詳しい事情は知らないはずだけど、同じ苦労をした上で大学に進まない決断をするなんてよっぽどのことがあるんだって確信があったのかな…。ギルだって勉強は続けるんだし、大学への費用を貯めなきゃいけないからアボンリーの学校に勤めるのが一番いいはずなのに…それを、アンに譲った…。アンが、マリラと一緒にいたいって思ってることをよく知ってるから…!(マリラ、何も言わないけど泣きそうです…)
驚き、そんな犠牲をギルに払わせるわけにはいかないとうろたえるアンだけど、もう決まったことだし、今断ってもギルのためにもならないからアボンリーで教えなさいってサラリと言うリンドさん。そしてこの次の発言が……
「なに、もうパイ家の子供はいないからちゃんとやっていけるよ。ジョーシーが最後で本当によかったね。この20年というものアボンリーの学校には誰かしらパイ家の人間がいたけどねえ、あの子達の役割と言えば、『この世は安息の地にあらず』ってことを先生たちに思い知らせるために違いないよ!やれやれ!」
パイ家wwwwwwwwwwwwwwwww
48話に続いてボロクソですね!!何度聞いても最高に面白いこのリンドさんのセリフ……!!フォントサイズも変えちゃうわ!アンが不安そうな顔をしたのはそういう理由じゃないよwww
そこでバリー家の窓で何か光ってるのに気づくリンドさん。ダイアナからの「すぐ来い」の合図だったので、アンは二人にちょっと行ってくると言って駆け出していく。そしてそこにはジョセフィンおばさんが。久々にアンと話したいんだって…。
内容は、やはりというか奨学金を辞退した件のことだった。自分が一番アンの苦労を知ってると自負しているジョセフィンおばさんは、一言言わずにはいられなくて(多分めっちゃ急いで)アボンリーに来たんだと思われる…。ダイアナのお母さんが何度かたしなめようとするくらい、結構な勢いでまくしたてるジョセフィンおばさん。マシュウが亡くなって大変なのはわかるけど、マリラが無理矢理アンの大学行きを辞めさせたなら許さない、って感じ…。アンがかわいそうだって…。
しばらく黙って聞いていたアン。静かに、マリラは最初この決断を反対したんだって、言う。自分が押し切ったんだって。後悔なんてなくて、幸せな気持ちでいっぱいなんだって。
わけがわからず困惑するジョセフィンおばさんも、穏やかな表情でそう言うアンにはもうそれ以上何も言えない。そんなおばさんのそばへ寄り、手を取って、アンはこう言います…。
「ミス・バリー。なんてご親切なんでしょう。あたしのことをそんなに心配して下さるなんて。あたし、今度くらい人の親切が身に染みたことはありません。…そして、はた目から見れば不幸や不運に見えるかもしれないことが、普段わからなかった人の心の奥深い温かさや強さに触れたり、自分の心を試すまたとない機会なんだということを、つくづく思い知らされました。」
結局本当の事情は言わないアンだけど、とにかくものすごく考えて出した結論で、一時の気の迷いとかじゃないってことは十分に伝わった。それにジョセフィンおばさんがこうやって駆けつけたことに対する感謝まで…。もう、何も言えないよね…。
んで、アンが帰った後。見送りに出ていたダイアナとお母さんが部屋に戻ると、ジョセフィンおばさんがため息をついて、こう言う。
「…ま、それにしても、マリラという人は本当に幸せだねえ…。あんな子をそばに置けて。あたしゃ羨ましいよ…。」
泣きそうです……。やめてこっちまで泣くじゃん…!もう最終回までこの人は……!
この後、ダイアナがほっとかずにおばさんのそばに寄っていくのが愛しい(アンじゃなくて悪かったなとか言わない)(そりゃ言わないだろう…ダイアナは…)。セリフないけどミニー・メイも交えてトランプ?一緒にやってるシーンが映ります…。
んでここからBパート。マシュウのお墓参りに行く途中、郵便局の前で自分あての手紙を2通受け取り、その場で読むアン。まずはステラ・メイナードの手紙。レドモンドに(おそらく通常の試験で)合格した、またアンと一緒に勉強できるのが嬉しいって内容だった。お墓参りが終わって、今度はステイシー先生からの手紙を読む。これも、奨学金ゲットを祝福するお手紙だった。でも特に悲しそうな顔とかはしないアン。
途中、ミセス・アランと出会って、話しながら歩いてて…、そしてその後、一人になったアンはギルバート・ブライスと出会う。アンの姿を見つけて少しだけ微笑み、帽子を取ってすれ違おうとするギルに、アンは自分から手を差し出して話しかける。まずはとにかく、アボンリーの学校を譲ってくれたことのお礼を丁寧に言うアン。ギルも笑顔で手を握り返し、大したことじゃない、役に立ててうれしいって…。
おおおおお……ようやく二人が仲直り……って最終回やん!!
あの石板事件は何話だっけ??「教室騒動」だから…14話だ。50話でやっと和解ってすごいな!!歴史的和解だよ…!!アン自身もギルに正直に告白してる通り、もうあの川で助けてもらった時(31話「不運な白百合姫」)には本当は許してたらしいけど。しかし…物語内時間トータルで5年だそうです。アンはともかく、ギル…!紳士すぎる…!!5年も溝があったのに、スッとアンのために動くことができるなんて!!「いい友達になれるように生まれついてる」って、心のどこかでずっと思ってたのかな…。クイーン組の時とか完璧無視だったみたいやけど…。
つーかギルと話すとこのアンがめちゃかわいい!顔赤らめたりちょっと目を伏せたり…かわいい!!別れた後に一人で楽しそうにくるっと回転してるとことか超かわいいいいいい!!なんでこれ最終回だけなの……!(まあそこがいいのかもだけど)
その夜。アンは自分の部屋の窓辺で、ステラとステイシー先生に手紙の返事を書く。一通り事情を説明して、しばらく外を見て物思いにふけって…。
「(私の地平線は、クイーン学院からこのグリーンゲイブルズに帰ってきた夜から見れば、極端に狭まってしまったのかもしれません。しかし、たとえ私の足元に敷かれた道がどんなに狭くても、この道にはきっと静かな幸せの花が咲いているに違いないと思います。…真剣な仕事と、立派な抱負と、好ましい友情を手に入れる喜びが私を待っています。)」
アンが緑の木々の中に、自分の未来のイメージを描く。先生として子供たちの前に立つ姿、マリラと一緒に幸せに暮らしていく姿、ダイアナ達と一緒に何か作っている姿、そして、ギルバートと二人でいる姿…。
「(…本当に、道にはいつでも曲り角があるものですね。新たな角を曲がった時、その先に何を見出すか。私はそこに希望と夢を託してこの決断をしたつもりでした。…でも、狭いように見えるこの道を、曲がりくねりながらゆっくりと歩み始めた時、広い地平線に向かってひたすら走り続けていた頃に比べ、まわりの美しいものや、人の情けに触れることが、多くなったような気がするのです。)」
しばらく窓の外、遠くに見えるダイアナの家の方向を見つめるアン。
「(…無論、広い地平線の彼方にそびえたつ高い山を忘れてしまったわけではありませんし、何ものも、持って生まれた空想の力や、夢の理想世界を私から奪い取ることはできません。でも私は今、何の後悔もなく、安らぎに満ちてこの世の素晴らしさを褒め称えることができます。
…ブラウニングのあの一節のように。)」
アンはここで手紙から顔を上げ、…最後のセリフをゆっくりと、声に出して言ってくれます。
「神は天にいまし すべて世は事もなし。」
手紙を書いている間ずっと流れているBGMが、最後のセリフのとこでは完全に止まってるのがものすごくカッコイイ…。そして歌が流れて、カメラがずーっと引いてって…最後には道のずーっと向こうにグリーンゲイブルズが見えてるって絵で、終わり。終わりなんだけど、なんというか余韻がすごく良くて、まるで映画が終わる時みたいって思った。
全50話…。
1クール12話で終わっちゃうアニメと比べたら、まあそりゃ映画みたいだよねえ…。最初にも書いたけど、アンの最大の決断は前回描かれてるから、この最終回は丸ごとエピローグみたいなものなんだよね。本当に贅沢な話だし、こういう贅沢な枠で「赤毛のアン」をやってくれたってことがすごく、嬉しい(例えば赤毛のアンを今の時代、12話でやろうとしたらどうすりゃいいんだ…!?多分ギルは途中退場のまま二度と出てこれない)(ひでえ…)。
最後のブラウニングの詩の一節…。
「赤毛のアン」の原書はこうやって詩を引用してるとこが多いらしくて、最初の最初もブラウニングの詩で始まるそうです(多分アニメではこの最後以外はカットかな?そもそもなじみのない日本の人には意味伝わりづらいもんね…)。すごいなあ…、ブラウニングで始まりブラウニングで終わるのね。
せっかくこうしてアンを最後までじっくり見たのだから、ずっと「いつかは読んでみよう」って思ってた続編の話も、本当に、図書館で借りてきてでも読もうと思いました。うん。今年……はもう終わっちゃうから、来年!来年中に全部読み切ろう!
「いいセリフ」のピックアップ、やってみてよかったです。どんどんピックアップどころじゃなくなってるけど。
昔からアンのことは、いいなあ、好きだなあって思ってたけど、それって今思えばすごい漠然としてた。文字に書き残すことで、意味もめっちゃ考えたし、記憶にもすごい残るようになったと思う。
アンがもっともっと大好きになりました。ありがとうアン。大好きです。
…さあ、いよいよ最終回です!なんか49話が実質のクライマックスとか、最終回がしょーもないみたいな書き方しちゃってましたが、そんなことないんですよ!てか久々見て、「そんなことないんだ」って実感しました…。でもまあエピローグ的な位置づけでは…あるよね?それに1話使っちゃうんだもの、ゴージャスな話よね!!
そしていきなり忘れてた部分。アンが奨学金を蹴って家に残るって話はアボンリーにすぐ広まったけど、ほとんどの人がマリラの目の事情を知らないために、周りの人に愚かだとかかわいそうだと言われたりしてたんだって…!うわあ…。アラン夫人だけは賛成って言ってくれて、アンが涙を流してる…。それだけで、いいんだろうなあ…。周りにはマリラのために言わないって決めたんだろうなあ。アンがひどいこと言われたらマリラの方が言い返したりしちゃいそうだけど、それもしないって決めたんだろうなあ…(ひどいことっつっても、アボンリーの人だってただ事情を知らないだけで、ナレーションさんの言うとおり「善良な人々」なんだよなあ…つーかダイアナにも言ってないのね!?ビッックリ…)。
ある夕方、リンドさんがグリーンゲイブルズを訪ねてくる。アボンリーの情報屋リンドさんの口から、ギルバートが自分のためにアボンリーの学校の先生のポストを譲ってくれたことを知るアン。ギルはもちろん詳しい事情は知らないはずだけど、同じ苦労をした上で大学に進まない決断をするなんてよっぽどのことがあるんだって確信があったのかな…。ギルだって勉強は続けるんだし、大学への費用を貯めなきゃいけないからアボンリーの学校に勤めるのが一番いいはずなのに…それを、アンに譲った…。アンが、マリラと一緒にいたいって思ってることをよく知ってるから…!(マリラ、何も言わないけど泣きそうです…)
驚き、そんな犠牲をギルに払わせるわけにはいかないとうろたえるアンだけど、もう決まったことだし、今断ってもギルのためにもならないからアボンリーで教えなさいってサラリと言うリンドさん。そしてこの次の発言が……
「なに、もうパイ家の子供はいないからちゃんとやっていけるよ。ジョーシーが最後で本当によかったね。この20年というものアボンリーの学校には誰かしらパイ家の人間がいたけどねえ、あの子達の役割と言えば、『この世は安息の地にあらず』ってことを先生たちに思い知らせるために違いないよ!やれやれ!」
パイ家wwwwwwwwwwwwwwwww
48話に続いてボロクソですね!!何度聞いても最高に面白いこのリンドさんのセリフ……!!フォントサイズも変えちゃうわ!アンが不安そうな顔をしたのはそういう理由じゃないよwww
そこでバリー家の窓で何か光ってるのに気づくリンドさん。ダイアナからの「すぐ来い」の合図だったので、アンは二人にちょっと行ってくると言って駆け出していく。そしてそこにはジョセフィンおばさんが。久々にアンと話したいんだって…。
内容は、やはりというか奨学金を辞退した件のことだった。自分が一番アンの苦労を知ってると自負しているジョセフィンおばさんは、一言言わずにはいられなくて(多分めっちゃ急いで)アボンリーに来たんだと思われる…。ダイアナのお母さんが何度かたしなめようとするくらい、結構な勢いでまくしたてるジョセフィンおばさん。マシュウが亡くなって大変なのはわかるけど、マリラが無理矢理アンの大学行きを辞めさせたなら許さない、って感じ…。アンがかわいそうだって…。
しばらく黙って聞いていたアン。静かに、マリラは最初この決断を反対したんだって、言う。自分が押し切ったんだって。後悔なんてなくて、幸せな気持ちでいっぱいなんだって。
わけがわからず困惑するジョセフィンおばさんも、穏やかな表情でそう言うアンにはもうそれ以上何も言えない。そんなおばさんのそばへ寄り、手を取って、アンはこう言います…。
「ミス・バリー。なんてご親切なんでしょう。あたしのことをそんなに心配して下さるなんて。あたし、今度くらい人の親切が身に染みたことはありません。…そして、はた目から見れば不幸や不運に見えるかもしれないことが、普段わからなかった人の心の奥深い温かさや強さに触れたり、自分の心を試すまたとない機会なんだということを、つくづく思い知らされました。」
結局本当の事情は言わないアンだけど、とにかくものすごく考えて出した結論で、一時の気の迷いとかじゃないってことは十分に伝わった。それにジョセフィンおばさんがこうやって駆けつけたことに対する感謝まで…。もう、何も言えないよね…。
んで、アンが帰った後。見送りに出ていたダイアナとお母さんが部屋に戻ると、ジョセフィンおばさんがため息をついて、こう言う。
「…ま、それにしても、マリラという人は本当に幸せだねえ…。あんな子をそばに置けて。あたしゃ羨ましいよ…。」
泣きそうです……。やめてこっちまで泣くじゃん…!もう最終回までこの人は……!
この後、ダイアナがほっとかずにおばさんのそばに寄っていくのが愛しい(アンじゃなくて悪かったなとか言わない)(そりゃ言わないだろう…ダイアナは…)。セリフないけどミニー・メイも交えてトランプ?一緒にやってるシーンが映ります…。
んでここからBパート。マシュウのお墓参りに行く途中、郵便局の前で自分あての手紙を2通受け取り、その場で読むアン。まずはステラ・メイナードの手紙。レドモンドに(おそらく通常の試験で)合格した、またアンと一緒に勉強できるのが嬉しいって内容だった。お墓参りが終わって、今度はステイシー先生からの手紙を読む。これも、奨学金ゲットを祝福するお手紙だった。でも特に悲しそうな顔とかはしないアン。
途中、ミセス・アランと出会って、話しながら歩いてて…、そしてその後、一人になったアンはギルバート・ブライスと出会う。アンの姿を見つけて少しだけ微笑み、帽子を取ってすれ違おうとするギルに、アンは自分から手を差し出して話しかける。まずはとにかく、アボンリーの学校を譲ってくれたことのお礼を丁寧に言うアン。ギルも笑顔で手を握り返し、大したことじゃない、役に立ててうれしいって…。
おおおおお……ようやく二人が仲直り……って最終回やん!!
あの石板事件は何話だっけ??「教室騒動」だから…14話だ。50話でやっと和解ってすごいな!!歴史的和解だよ…!!アン自身もギルに正直に告白してる通り、もうあの川で助けてもらった時(31話「不運な白百合姫」)には本当は許してたらしいけど。しかし…物語内時間トータルで5年だそうです。アンはともかく、ギル…!紳士すぎる…!!5年も溝があったのに、スッとアンのために動くことができるなんて!!「いい友達になれるように生まれついてる」って、心のどこかでずっと思ってたのかな…。クイーン組の時とか完璧無視だったみたいやけど…。
つーかギルと話すとこのアンがめちゃかわいい!顔赤らめたりちょっと目を伏せたり…かわいい!!別れた後に一人で楽しそうにくるっと回転してるとことか超かわいいいいいい!!なんでこれ最終回だけなの……!(まあそこがいいのかもだけど)
その夜。アンは自分の部屋の窓辺で、ステラとステイシー先生に手紙の返事を書く。一通り事情を説明して、しばらく外を見て物思いにふけって…。
「(私の地平線は、クイーン学院からこのグリーンゲイブルズに帰ってきた夜から見れば、極端に狭まってしまったのかもしれません。しかし、たとえ私の足元に敷かれた道がどんなに狭くても、この道にはきっと静かな幸せの花が咲いているに違いないと思います。…真剣な仕事と、立派な抱負と、好ましい友情を手に入れる喜びが私を待っています。)」
アンが緑の木々の中に、自分の未来のイメージを描く。先生として子供たちの前に立つ姿、マリラと一緒に幸せに暮らしていく姿、ダイアナ達と一緒に何か作っている姿、そして、ギルバートと二人でいる姿…。
「(…本当に、道にはいつでも曲り角があるものですね。新たな角を曲がった時、その先に何を見出すか。私はそこに希望と夢を託してこの決断をしたつもりでした。…でも、狭いように見えるこの道を、曲がりくねりながらゆっくりと歩み始めた時、広い地平線に向かってひたすら走り続けていた頃に比べ、まわりの美しいものや、人の情けに触れることが、多くなったような気がするのです。)」
しばらく窓の外、遠くに見えるダイアナの家の方向を見つめるアン。
「(…無論、広い地平線の彼方にそびえたつ高い山を忘れてしまったわけではありませんし、何ものも、持って生まれた空想の力や、夢の理想世界を私から奪い取ることはできません。でも私は今、何の後悔もなく、安らぎに満ちてこの世の素晴らしさを褒め称えることができます。
…ブラウニングのあの一節のように。)」
アンはここで手紙から顔を上げ、…最後のセリフをゆっくりと、声に出して言ってくれます。
「神は天にいまし すべて世は事もなし。」
手紙を書いている間ずっと流れているBGMが、最後のセリフのとこでは完全に止まってるのがものすごくカッコイイ…。そして歌が流れて、カメラがずーっと引いてって…最後には道のずーっと向こうにグリーンゲイブルズが見えてるって絵で、終わり。終わりなんだけど、なんというか余韻がすごく良くて、まるで映画が終わる時みたいって思った。
全50話…。
1クール12話で終わっちゃうアニメと比べたら、まあそりゃ映画みたいだよねえ…。最初にも書いたけど、アンの最大の決断は前回描かれてるから、この最終回は丸ごとエピローグみたいなものなんだよね。本当に贅沢な話だし、こういう贅沢な枠で「赤毛のアン」をやってくれたってことがすごく、嬉しい(例えば赤毛のアンを今の時代、12話でやろうとしたらどうすりゃいいんだ…!?多分ギルは途中退場のまま二度と出てこれない)(ひでえ…)。
最後のブラウニングの詩の一節…。
「赤毛のアン」の原書はこうやって詩を引用してるとこが多いらしくて、最初の最初もブラウニングの詩で始まるそうです(多分アニメではこの最後以外はカットかな?そもそもなじみのない日本の人には意味伝わりづらいもんね…)。すごいなあ…、ブラウニングで始まりブラウニングで終わるのね。
せっかくこうしてアンを最後までじっくり見たのだから、ずっと「いつかは読んでみよう」って思ってた続編の話も、本当に、図書館で借りてきてでも読もうと思いました。うん。今年……はもう終わっちゃうから、来年!来年中に全部読み切ろう!
「いいセリフ」のピックアップ、やってみてよかったです。どんどんピックアップどころじゃなくなってるけど。
昔からアンのことは、いいなあ、好きだなあって思ってたけど、それって今思えばすごい漠然としてた。文字に書き残すことで、意味もめっちゃ考えたし、記憶にもすごい残るようになったと思う。
アンがもっともっと大好きになりました。ありがとうアン。大好きです。