「パティシエになりたーい!」ブログ。

元パティシエ・オペラのお菓子の話やらオタクっぽい話やらのごちゃ混ぜブログ。

「阪急電車」読んだ!

2013-11-19 23:32:32 | きょうのできごと
阪急電車 (幻冬舎文庫)
クリエーター情報なし
幻冬舎

「阪急電車」の映画を地上波で見たのが、2012年の5月、らしい…(→映画「阪急電車」、見た!)。
図書館で偶然見つけて手に取って読むまで、1年半もかかってます…。
でもこれはうちにしてはめっちゃ早い方!「いつか見たい」「いつか読みたい」の「いつか」は10年くらいは有効ですからね、うちには!!(……)(覚えておくのが大変です)

それはともかく、うん、小説もすごく良かった。
というか…映画、ものっすごくこれを「そのまま」映画にしたんだなあ、って思った。2人、映画に出てこない登場人物がいるんですが、その2人のストーリーだって映画に先行して動画配信?とかされてたみたいで、じゃあ結局全部映像になってるわけで…。すごいなー…。

1年半前に1度見たっきりだった映画(どこぞのX DAYみたく4回も映画館に見に行ったり、DVDスローで再生したりしてない)。
衝撃!とか、鮮烈!とか、涙が止まらない感動!!…とかじゃ、全然なく、でも映像の…ほわっと、あったかい印象はまだ自分の中で鮮明で。
…だからってのもあるのかな。本もすごいスピードで読めました。
中谷美紀さんや戸田恵梨香さんが頭の中でずっと動いてしゃべってくれてるみたいでした。

…映画では、どのくらい説明されてたか思い出せないのだけど、小説の中ではこの「阪急電車」の今津線の様子とかを説明する箇所がちょいちょいあります。そりゃそうだ。うちにとってはいつも見てる普通の電車だけど、他の場所に住んでる人にとっては「そういう路線があるんだな」って、そこから想像しながら本を読むんだものね。
だから?冒頭のページから、ハッとしましたね。
「関西圏では大きな私鉄グループとなる阪急は、えんじ色の車体にレトロな内装が個性的な車両を各沿線に走らせており、鉄道マニアの人気が高いことはもちろん若い女性からも『かわいい』と好評を博している。女性観光客などは『オシャレ!』とびっくりするほどだ。」
そ、そうなのか。かわいいのかあれ。確かに独特で、オシャレなのかも…、とは最近、大人になってから思うようになった。車内もすっごいキレイだし。イスふかふかだし。子どもの頃は「なんか地味だな」としか思わなかったけど…。
でも身近な電車が「人気が高い」ものなんだって思うと、何か…誇らしい気持ちになりますね!普段はJRを主に使ってるから、阪急乗ると「とろい…」とかどうしても思っちゃうけど(「待ち合わせ」とかが理解できなくてすごい困る…。待たないで行けよ!って思うし、どれに乗れば早いのか混乱するのでやめて…って思っちゃう)(それ、阪急のせいちゃうよね…)。
でもそれも特徴だと思えばいいんだよね!ゆったり!オシャレな電車で目的地へ!…みたいな。

今津線はほぼ利用したことがないとは言え、関西に…阪急の一路線のそばに住んでるんだから、ターミナル駅のサラリとした説明とかもわかりやすいと思われるかもしれませんが、私がこの「阪急電車」で唯一、「え。……え?」って思って、今読んだばっかりのとこを「理解のために」読み返した箇所は、「西宮北口」の章の冒頭でした…。
「三宮(神戸)行きと梅田(大阪)行きのホームが東西に並び、今津線のシッポともいえる今津行きのホームが南。北側の宝塚行きのホームを加えると全部で四つのホームがあり……」
…今、書き写してるだけで、頭の中に情景が描けなくて混乱してました…。小説ってそうだよね。頭で想像ができないと、読むスピードががくんと落ちてしまうし、そのまま続けるのはすごくしんどい。
でも、大丈夫!だから読むのがしんどいって話ではないのです!この小説を、「関西とか全然わかんないし…」って思って、楽しめないかも…って避けるのは間違いってことを言いたいのです!関西に住んでてもこんなにわからんうちの、お墨付きです!(…………)(そこはかとなく信用し難い…)
…これは本当に、冒頭のただの、説明なんです。大事なのは、その駅を通る人たちは色んな人がいて、色んな行き先があるってこと。
「その一人一人がどんな思いを持っているか、それは歩き去っていく本人たちしか知らない。」なのです。

それぞれの思いを持って、それぞれの行き先へ向かうために、電車に乗っていた。
ただそれだけの偶然。偶然に乗り合わせた人達が、ふと関わってみたり、関わらずにいてみたり。
直接の短い会話。
一方的に「(誰かとの)会話を聞いてただけ」。
知り合った二人が、仲良くなっていく会話。
…いろんな言葉が車内や、駅で交わされて、それがきっかけで、人生が変わる。大きく変わる人も、あまり変わらない人もいる。
もちろんこれは小説のお話だけど、そういうことは、「ある」んだろうな、と思う。
気づかないだけで。

「人数分の物語を乗せて、電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。」
映画も、小説も、あったかい気持ちになれます。おすすめです。
聖地巡礼もやりやすい……だろうな。各駅で降りるとかなったら大変かもだけど。ホームだけ降りるなら簡単!
あ、ちなみに私はご案内できません!迷う!!(迷うな)
実際、今、白地図上に「『宝塚』の場所に印をつけよ」とか言われても無理だし…(もう黙ってて…)