「パティシエになりたーい!」ブログ。

元パティシエ・オペラのお菓子の話やらオタクっぽい話やらのごちゃ混ぜブログ。

相棒 X DAY ネタバレあり感想・3

2013-05-14 23:37:07 | 相棒

【まだ続く、お気に入りのシーン】

・二課に向かうシーン
…いつまでもダラダラ書いてちゃだめだとも思うけど、ここを飛ばしちゃあかんだろう、わたし!
パンフではイタミンも芹ちゃんも揃って「是非見てほしい細かい演技」として推してるシーン!初見時から声出して笑いそうになった、大好きなシーンですよ!!
あの謎のデータの分析を捜査二課に頼んでいた岩月くん。その結果が出たということで、イタミンも一緒に捜査二課に向かうんですが…
普通にスタスタと歩いていく岩月くん(確か「サイバー課の岩月です」とも言ってたかな?)の後ろで、できるだけ顔を隠そうとして、…すごいおかしな姿勢で部屋に入っていくイタミンwwwwwww
周りには(普通に)いっぱい捜査二課の方がいるので、あらゆる方向から顔を隠そうとして、もうなんか…古畑さんのマネしてるみたいになってるとこまであります(←わかりにくい例え)。
でも分析結果を聞くシーンではさすがにそれはやめて、ようやくまっすぐ立つんですけど…そこでハッて気づくんですよね…!左胸の捜一バッジに!
……右手でバシッとそれを隠すイタミン!!そこまでするかwww
岩月くんはそれに全くツッコまない(というか見てない)で、二課の方の分析結果を聞く姿勢なのがまた笑けます…w
DVD買ったら多分巻き戻して何度も見るんだろうな~…。

・花の里にて
サイバー課の課長から「X DAY」の計画のことを極秘に知らされ、事の重大さを一人、知ってしまった岩月くん。
イタミンに呼ばれた花の里で、ただ、「捜査にはもう協力できない」と言う。「すみません」と、ただ、それだけ…。
当然、激昂するイタミン。
あの内村部長からの圧力にも「納得できない」と言っていたのに。
…間に「何か」があったというのは、イタミンもさすがに思っただろうけど、それを岩月くんは言わないから…立場を優先した、と思っちゃったかもしれない(例えばこれ以上捜査を続けたらクビにするぞって脅された、とか)。
ここは見てて…非常につらい。イタミンはここでは無意識に口にしたのかもしれない「頭がいい」って言葉…、突き刺さる。頭がいいからこそ、岩月くんはその計画の恐ろしさがすごく理解できて、それが現実になった時の影響とかもすごく想像できて、だからこそ、口をつぐむことを決めた。その葛藤を知らずに責めるイタミン。言い返さない岩月くん。…どちらも「知ってる」観客として、とても辛い。
…そもそもイタミンはX DAYの計画は知らないわけだけど、知ったところで「関係ねーよ」と突き進みそうで、…そういうところは右京さんと通じるものがあるかもしれない。そこまで岩月くんが(この短い期間で)わかってるとはちょっと思えないけど、「何にも知らんくせにコイツ!!」とは全く思ってなさそうだから……うーん…。ちょっとこれ、ラストまで残ってる疑問だから、また後で考えよう。

その、…辛くて、気まずいシーンを救う、幸子。(あ、この一行書いただけで涙出てきた。私めっちゃ幸子さん好きなんやな…)
怒って出て行ってしまったイタミン、がいた席を笑顔で見やり、「お代…頂いてませんけど」って言うんだけど、…言う前に、ホントに小さく小さく「よし」みたいな決意をしてる…ように見えるんですよね。一人で残された岩月くんになんて言っていいかわからなくて、事情がわからないからヘタになぐさめることもできなくて、じゃあせめて、少しでもこの落ち込んだ雰囲気を和らげようって…。岩月くんはたまたま持ち合わせがなくて、それに「いつでも結構ですよ」って笑顔で応えてその後の会話につながっていくんだけど、もし持ってても、「呼び出したお友達に払わせて帰っちゃうなんて困った人ですよね伊丹さん、ふふふ」みたいな感じに、あくまで軽く会話を続けよう、って思ってたんじゃないかなあ。そのとっかかりを「ちょwww食い逃げwww」ってことにしようって…(なんかこんな風に書くとすっごいふざけてるみたいですが…)。
もし、…もし。まだ、花の里に「たまきさん」がいたら。
多分たまきさんなら、もうちょい違うアクセスを試みたんじゃないかな…。なんていうか、プロの「おかみ」として、お洒落に、かつ、優しく。…うちには思いつきませんけど。
まだ「おかみ」になってそれほど経ってない幸子だからこそ、ああいうとっかかりを選んだし、「これで行こう」みたいな表情も少しだけ外に出ちゃったんじゃないだろうか(本人には絶対気づかれない程度のものではあったけど)。まあ幸子もかなり波乱の人生送ってきたせいか、本編で見せる気の回し方とかは普通の人よりかはお見事だけど、やっぱりたまきさんと比べると……。いや、そこが幸子のいいところなんですけどね!!
たまきさんってなんだか本当に底が知れなくて、話すのを見ててちょっと怖いって思うこともあった(決してそれが嫌とかじゃないんだけど)。その点幸子はすごく普通というか、一般的な感覚に近くて、言ってることややってることが比較的、理解できる気がするんだよねえ…。不思議なんだけど…。

つまり、なんだろう。幸子が好きなんですね、私!(……)
語り口が優しくて、その内容から「わかる人にはわかる」重い過去を、…重く感じさせなくて、でも、彼女が言葉に込めてる想いにはしっかりと重さがある感じで……
それが届いたからこそ、岩月くんは雨の中、飛び出して行くわけですよね。
捜査を続けるために。

「警察官だったんですよね、僕達。」
さあ、イタミンの選ぶ、「岩月のカッコイイシーン」ですよ!
確かに、かっこいい。岩月くんと小田切さんの会話の、全てが!
最後のセリフももちろん素晴らしいんですけど、私はその前の…最初に岩月くんが出て行こうとする時の小田切さんのセリフが好きです。
「捜査を続ければ、その刑事もあなたも警察官でいられなくなるかもしれない!」
緊迫感のあるセリフにぞくっとする。…そう、なんだ。もう、冗談じゃなくて、…そういう状況になってしまってる。
でも、……岩月くんは出て行く。
まだ捜査を続けている、「もう一人の刑事」の所へ向かうために。

・やっと中山さんが生きて動いてる姿が…(涙)
オープニングでいきなりお亡くなりになってて(タイトル出るより前にすでに…というかこの人の死がこの事件の始まりなんだからしょうがないんだけど…)、それ以降もただ「銀行の極秘情報?をネットに流しまくっていた」というくらいしか出てこなくて、なかなかその人となりがわからなかった中山さん。恋人の麻生さんの証言から始まった回想シーンにて、ようやく動いてご登場です。
パジャマ姿で、歯ブラシをくわえながら、中山さんがそのデータを触っているのを何も知らずに後ろから覗きこむ国仲涼子さんのかわいいこと…!その平和な幸せっぷりに、「何が起こるかわからない世の中だからな。」という中山さん自身のセリフが、今となってはすごく、重く響きます…。
タロットのシーンも切ない。恋人が死んで辛いだろうに、「背中を押したのは自分かもしれない」という思いから、彼の遺志を引き継ごうと、危険を冒して情報を流したんだねえ…。
麻生さんはラストでも涙を見せることはなくって、…少しだけ心配になってしまう。心から泣いたり笑ったり、できなくなったんじゃ…?こちらに、見せない、ってだけなら、いいんだけど…。

・車内から見た街
朽木課長に話を聞きに行くために、麻生さんも一緒に車に乗り込むイタミン達。
今日もシステム障害が起きていて、銀行にはたくさんの人が押しかけてる…。
すでに混乱している街を見ながら、皆が話をする。三浦さんはテレビのニュース(もしかしたらワイドショー?)で言ってた話をして、「大げさなことばっかり言う」って憤ってるけど、…それはちっとも大げさな話じゃないんだ、って…きっと思いながら、黙っている岩月くんがすごく印象的。

・「金融街の追走」(←サントラにある曲のタイトル)
さあ、岩月くんの選んだ「イタミンのカッコイイシーン」であり、この映画の最大の見せ場ですね!
イタミン、顔が青くなるまで何本も走らされたそうですが(監督に)…その甲斐あって迫力のあるシーンになってます。
…でも正直ね、初見時「もうやめたげて!!」って思ったシーンでもある…。最初は階段をひったすら降りるんですけど、勢い余って落ちたり、通行人に激突したり、それでも三人とも何度も立ち上がって走り出すんですよ…!一番痛そうだったのはやっぱりあの、ビルから外に出る時に清掃の人と激突する岩月くん…!ほんっとに、痛そうで、でも、「すみません…!」って謝りながら、また立って、走り出す…!皆、すごい根性…!
外に出てすぐタクシーに乗って逃げた朽木課長を、諦めずにダッシュで追いかけるイタミン。…道は、街の混乱のせいですごく混んでて、そのせいで追いつかれそうになった朽木さんはタクシーを降りて、また走って逃げだす…。
このシーンと交互に映し出されるのが、雛ちゃん主催の「勉強会」で、そのコントラストが凄まじい。戸張さんの語る言葉の恐ろしさと、そんなことは知らずにただ走っている現場の二人。
「こうやって徐々に悪くなっていくのには、日本国民は耐えられるんです。」
「絶望の真実より、希望の嘘に飛びつく人が多いから。」
「複雑な真実より、わかりやすい嘘が大好きなんです。」
「だったらそう勘違いさせておきましょう。」

……雛ちゃんはこれを聞いて、何を考えていたんだろうな…。

・舞い散る一万円札
あんなに飛ばんだろ!っていうのは、…うちも、思うけどさ。
ざっと感想探して読んだ時に、このシーンについてはよく触れられてると思った。…主に、ネガティブな方向で。まあ、あんまり…って感想を短く書こうと思ったら、真っ先に出るのも仕方ないかもしれない。目立つしね。
うち自身、最初に見終わった時は「あのシーンはちょっとな…」って思ったし。でも、…あくまでうちの場合だけど、何度も見てると、なんで「ちょっとな」って思うかって言うと、「見たくないシーンだから」なんだって気づいた。目をそらしたい、っていうか。
舞い散るお札に群がる人々。他の人を押しのけて、一枚でも自分のものにしようという人々。
見苦しい、うちはあんなことしない、と思いながら、…でも、こういう状況(自分の預金が引き出せない)になったら、自分もこうなるのかもしれない、と思うと、それが自分でもすごく嫌で…。
目をそらしちゃいけない、と思って三度目からはじっと見るようになった。
あの状況で、お札には目もくれずにひたすら課長を追い続けるイタミンの姿は、私には、救いだ。


お、終わらない…!あとちょっとなのに!
続く!