「パティシエになりたーい!」ブログ。

元パティシエ・オペラのお菓子の話やらオタクっぽい話やらのごちゃ混ぜブログ。

ボジョレー・ヌーボーの季節

2012-11-18 23:53:25 | きょうのできごと
今年の解禁日は11月15日ということで、酒屋さんではもちろん、いつも寄るスーパーでも何種類かのボジョレー・ヌーボーが並んでいました。
で、スーパーの方は「ワインと一緒にいかがですか!?」みたいな感じで、チーズやらなんやら、普段はちょこっとしか置いてないのを結構目のつくところにまとめて並べてくれてたりして(フォンデュの素とか、普段置いてるのか?)、おお、盛り上がってるな~って感じ。これだってお祭りだもん、盛り上がってた方が楽しそうでいいよね。
私自身は、ボジョレー・ヌーボーにそこまで思い入れはないので、解禁日とかも毎年「ふーん」くらいで済ませていてしまったんですけども…。

…というのも、私は小さなフランス料理でウエイトレスのバイトをしていたことがありまして。製菓学校に行ってる間だけだから、1年もいなかったんだけどすごい楽しかったし、おいしいものも色々知れてすごいよかったんですけども。
フランス料理店だから、もちろんというか…「解禁日」はその年が一番盛り上がったんですよね、うちの人生の中で。それまで解禁日があるとかも全く知らなかったので(というかうちは、そのお店でワインを飲んだのが確か普通に人生初飲酒でした。ちょうど20歳だったので。変なとこ真面目ですね)、そういうのがちゃんと決まってることも驚きだったし、それを毎年楽しみにしている人もたくさんいるってことも驚きだった。数種類の「ボジョレー・ヌーボー」が入ってきて、大体のお客さんはそれを頼むし、メニューもそれに合わせたものになるし。フレンチらしく、落ち着いた雰囲気のお店だったけど(だから決して大騒ぎとか大盛り上がりとかにはならないんだけど…そしてそこがうちは超好き)、ああ、これはこういうお祭なんだなって思った。

その解禁日の日だったか、解禁日後の一番早い週末だったのか。
閉店後、シェフもコックのお兄さんも、もちろんウエイトレス達もみんなでそのワインで乾杯しました(当たり前だけどめったにこういうことはない。鴨肉のはじっこもらったりはしてたけど…)(ホントにアナタは昔から「歩く食い意地」ですね…)。
もちろん人生初の「ボジョレー・ヌーボー」。お客さんのとこに注ぎに行く前に、コルク抜いた後に一口だけ口に含んで変質したりしてないかチェックはしてたけど(つーか変質してたってわかんなかったよな…きっと…)、味わってちゃんと飲むのは初めて。皆がこぞって飲みに来るそれは、一体どれだけおいしいんだろうかとワクワクして飲んでみたんですけど…
あんまりうちの好みじゃ、なかった。飲めないことはないけど…正直、これだったらいつも置いてるハウスワインのあれとかこれとかの方がおいしいな、と思った。
…さすがにそこまでハッキリは言わなかったと思うんですけども、でも一応素直に感想をシェフに言うと、「まあ好みはあるだろうね。これはあんまり熟成させないワインだから渋く感じる部分もあって、そういうのが苦手な人もいるだろうね。」みたいな答えが返ってきて、なるほど、と思った。これはこういうものなのだな、と脳内にインプット。…このころはうちは、新しいワインが入るたびにそれを少しもらって、「これが甘い」「これが辛口」というのを実際に勉強してたようなものだった(一応、簡単な説明はできなきゃいけなかったしね)。で、その時もその延長線で、これはうちの好みではない系統、って普通に分類してて…だから、その後も積極的に手を出すことはなかった。
色々飲む間に、うちの好みがえらい狭いってことがわかったり…。基本的には飲みやすくて甘い白ワインが大好きで、ドイツのにそういうのは多くて……逆に赤ワインは特に好みが激しい。飲めるけど「おいしい!」って思えるものはめったに出会えなかった(出会った時には思わず名前をメモって、その後数年結構真面目に探したんだけど、ないんだよな…。ええと、なんていう名前だったかな…)。

まあ、そういうわけでしばらくボジョレー・ヌーボーとは無縁の生活を送っておりました。そもそも最近はワインすらめったに飲まないしね…(ていうかフレンチとか、ランチですら行ってないよな、全然…。あるぇ~?)
だから今年もスルー安定かと自分でも思ってたんですよね。

でも、スーパーで。その「ボジョレー・ヌーボーのための特設コーナー」のとこで。
フランスパンが数種類並んでるのを見て、おお、と思って。
久々にフレンチトーストとかやりたいな~とか、全然そのコーナーに関係ない事を考えながら近づいてじっくり見てしまった(どこまでもすみません)。
でもフレンチトーストにするなら、あんまり高級なバゲットとかは使いたくない…おいしくできるんだろうけど、おやつにするならあまりにももったいない。
普段は置いていないようなパン屋さんのバゲットじゃなく、山崎パンの袋に入ってるバゲットを手にとって、これくらいならいいかなーとか考えてました。で、なにげなく裏面を見てみると…そこにバゲットの活用メニューとして「ブルスケッタ」の作り方が載ってたんですよね。

「(あ、これ、作ってみたいかも。)」
手順はすごく簡単そうだった。ほぼ反対側である野菜の売り場に戻ってまずトマトを買う。…高ッ!!こんなもんやっけ!?
次はバジル。…どこだっけ?と思って香味野菜のコーナーに行ったりして、大葉やみょうがを見ながら「ちがあああう!!」とかなってました…。行き慣れてるスーパーでも、なかなか買わないものの場所ってすぐ忘れちゃう。まあ、その近くにあったので無事ゲット。
オリーブオイルはまだ家にあったから、これで材料は大丈夫。あとは……
一度は通過した、お酒の売り場に戻ってくる(特設コーナーは冷蔵商品中心なので、離れたところにあった)。
ブルスケッタならワインとすごく合いそうだし、せっかくなら買ってみよう。
…と思っても、どうしても「ボジョレー・ヌーボーはうちの好みのワインではない」という、…思い込みだけではない、経験も踏まえた情報が邪魔をして、なかなか手に取ろうと思えない…。母ならおいしく飲めるだろうけど、せっかく(おつまみまで作って)買うのにうちが楽しめないというのもしゃくだし。
どうしようかな、もう全然関係ない白ワインとか買っちゃおうかな、とか考えてふと隣に目をやると…
ちょこっとだけ、国産のワインのコーナーができていた。ボジョレー・ヌーボーに合わせて?「初しぼり」のんとか…。

偶然、ちょっと前に旅行番組か何かの中で「甲府ワイン」のことがやってて…それを見ながら国産のワインもいいなーとか思ってたので「あ、これいい!これにしよう!」ってすぐ思った!やっぱり白に惹かれるんだけど、間を取ってロゼで。ラベルの感じも一番かわいくておいしそうだった「おたるワイン」を買いました。
このスーパーに寄るまで、あの特設売り場でバゲットを見るまで全く考えていなかった買い物になっちゃったけど、なんだかウキウキしながら帰宅。
そして、ウキウキしたまんまブルスケッタを作る。
はいできた!

ちょっと…いいんじゃないの!?なかなかいいんじゃないのこれ!?
いやめっちゃ簡単なんですけどね。トマト切って、ちぎったバジルとオリーブオイルと塩コショウでマリネしたのんを、スライスしてトーストしたバゲットにのせるだけ。一番難しかったのはトーストの前の「オリーブオイルをバゲットに塗る」という作業だったような気がしますよ!だってバターみたく伸びない上にしみこむしみこむ!!(……)
トースト後の「にんにくをこすりつける」ってのも最初は「!?…こすりつけ…どうやって!?」ってなったけど!いや半割にしてこすりつけてみたらちゃんと香りが移ったのでおおってなりましたけど!

そもそもなんで「ブルスケッタ」を作ろうと思ったかというと、…もちろんうちが食べてみたかったってこともあるんだけど「弟が喜んでくれそう!」っていうのが最大の理由です。
なんか、なんだっけ…ちょっと前のアニメの…ああ、「シャイニング・ハーツ」!(←ググった)そのアニメを弟が見ててですね。
サブタイトルの「幸せのパン」がちょっと気になりつつもうちは見てなかったんですけど。何気にどうやった?とか聞いたら「思ったよりパンがメイン」とかいう答えが返ってきたりもしてたんですけども。
唐突に「『ブルスケッタ』ってどういうもの?」って聞かれたことがあって。軽く説明して「なんでまた?」と聞いたら、アニメの録画してた分を見せてくれて(というか録画再生中に、その場でイヤホンつけてパソコンやってたうちに聞いてきたんだったかな?)、なるほど、かなりそこではおいしそうに描かれてまして。「おいしそうだねえ」って二人して言い合いながら、そういやうちもどんなのかは知ってるし、一度くらいは食べたことはあるかもだけど、作ったことはないなあ…作ったら喜びそうだな、ってすごい思ったんです。
だからその日、弟が帰宅したら真っ先に「ほらほら、ブルスケッタやで!あのパンのアニメでやってた…」って報告しちゃいました!
まあ本人はその時のことをほとんど忘れていたんですけどね……(おい、かわいそうだな、姉!)
でも食べたらかなりおいしかったみたいで、感激してくれたので良し!

ちなみにメインはポテトミートグラタンでした。(ブルスケッタは「前菜」ですので…)

ひき肉+みじん切り玉ねぎ炒めたもの(←これは事前に冷凍してた)と、マッシュポテトを混ぜて、チーズかけてトースターで焼いただけなんだけど、おいしい!ていうかめっちゃおなかいっぱいになります。ごはんいらないでブルスケッタで十分なくらい。
それでワインとか、洋食メニューって感じ!しかも写ってないけど、この日はかぼちゃのスープまであったしね!
いや、普段のご飯でこんなにちゃんとすることなんてないんですけどね…。もっと適当だし、メインが洋食だろうが問答無用でみそ汁出たりしますけどね!

結果的に、ボジョレー・ヌーボーとほとんど関係なくなってるながらも、
「お祭」に参加できた感はすごくあって、大満足でした!
来年くらい、ちゃんとボジョレー・ヌーボーを買ってみるのもいいかもしれない…。
季節のイベント、もっと楽しんでいきたいなってすごい思った。お菓子はもちろんとして、それ以外でもね。