夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

認知症予防に効果があるという「回想法」、76歳の私は学び、多々教示されて・・。

2021-04-04 12:58:33 | ささやかな古稀からの思い
先程、ときおり愛読している公式サイトの【介護ポストセブン】の『暮らし』を見ている中、
『 認知症の親を元気にする”回想法”って? 

                                           認知症専門医が解説 』
と題された見出しを見たりした。

私は東京の調布市に住む年金生活の76歳の身であり、
家内は私より5歳ばかり若く71歳となる。

そして私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、
我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、
雑木の多い小庭の中で、築後40数年の古ぼけた戸建てに住んでいる。




私は過ぎし6年前の70歳を過ぎた頃から
齢を重ねるたびに、物忘れが多くなった、と改めて気付き、
独り微苦笑する時もある・・。

たとえば家内とテレビの旅番組を共に視聴したりしている時など、
あそこも行ったよねぇ、と私は家内に言ったりした時、
その地の情景などは鮮やかに重ねることができても、
肝心の地域名が言葉に出来ないことが、もどかしさを感じることがある。


しかしながら、私の幼年期のことなどは、何故かしら鮮明に思いだせるのである。

たとえば祖父と父が健在だった頃、

所有していた田畑、雑木林、竹林、田んぼの中で流れていた小川などの情景、
或いは初めて観た映画作品は、小学校に入学する前年の1950年(昭和25年)の夏、
『長崎の鐘』を母に連れられて鑑賞したこと、今でも心の片隅に残っている・・。


   

ここ数年、無念ながら物忘れが多くなり、溜息を重ねたりしているが、
確か私が小学3年生の頃、 亡き脚本家の菊田一夫(きくた・かずお)さんが
『・・忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ・・』と、
名作の『君の名は』で遺(のこ)された名言に、私は独り微苦笑したりしている。

そして昨今でも、新聞、ネットのニュースなどを読んだり、テレビでニュースを視聴したりすると、
やがて数日後には、忘れてしまうこともあり、つたない私の小さな悩は、

 収容できずオバー・フローになり、忘れてしまうことで、
悩が適度な記憶量に調整を図っている、 と無念ながら思ったりしている・・。

しかしながら時折、家内より『今からボケたら、困るわょ・・』、
と私は叱咤激励をされる時もある。




私が恐れていることは、いつの日にか認知症になってしまったら、
自身の意志が伝わらず、ささやかな日常生活に困苦するので
《・・認知症の親を元気にする”回想法”って・・、
どのようなことですか、と思いながら真摯に記事を精読してしまった。

この記事は、『女性セブン』の2021年3月18日号に掲載された記事で、
関連の【介護ポストセブン】に3月17日に配信され、
無断ながら、記事の殆どを転載させて頂く。



《・・ 65歳以上の約4人に1人が、認知症もしくは予備軍・・。

誰もが認知症になりうる時代とはいうものの、少しでも進行を遅らせ、
元気で過ごしてほしいというのが家族の本音。

そこで、取り入れてみたいのが、
認知症予防に効果があるという「回想法」。

趣味を利用してできる回想法の例とあわせてご紹介します。


☆認知症を伴いながらも自分らしく過ごすことが大事

全国の高齢者の認知症患者数は約462万人(2012年)に達し、
  2025年には700万人を超えるという。

それでいて認知症の治療は、開発途中で、根治する薬がない・・
 そんな話を聞くたびに、絶望的な気持ちになっていないだろうか。



アルツクリニック東京院長で認知症専門医の新井平伊さんは、
その認識を変えてほしいと訴える。

「たとえばアルツハイマー病は、全経過が15~25年と長く、
いつ発症したかわからないくらい緩やかに発症し、
ゆっくり進行していきます。

つまり、認知症を伴いながらの生活を、
いかに自分らしく過ごすかの方が重要なのです。

医師の処方による薬物療法やデイサービスなども考慮し、
大きな目でその人の生活を支えることが認知症対策には必要。

回想法はあくまでひとつの手段としてとらえてください」(新井さん・以下同)


☆アメリカの精神科医が開発した「回想法」とは?

回想法とは、1960年代にアメリカの精神科医・ロバート・バトラー氏が開発した手法で、
自分の過去を話したり思い出したりすることで、精神を安定させ、
認知機能の改善が期待できる心理療法だ。

認知症の軽度から中等度前半の人に対して、
もの忘れや判断力の低下、日にちがわからないなどの“中核症状”の進行を遅らせたり、
うつ状態やイライラなどの“行動心理症状”が改善されることがわかっている。

医療や介護の現場で治療の一環として取り入れられることもあるが、
 家庭で行うのも充分効果があるという。



☆古い記憶を利用して元気な脳も活性化

「認知症は、現在から過去にさかのぼる記憶のうち、
現在に近いものほど忘れていくのですが、
回想法はその法則を利用し、子供時代や青春時代などの、
ありありと残っている昔の記憶を回想してもらい、脳の機能を活性化させます」


その背景には“予備脳”と呼ばれる、
脳の複雑な機能が働いていると考えられている。

「認知症で働きが悪くなる脳は、たとえるなら全体の5%ほど。

回想法はその5%の脳だけでなく、残り95%の正常な脳にも刺激を与えます。

そうして元気な脳が活性化されると、
ダメージのある脳の働きをサポートすると考えられています。

実際に予備脳の働きで認知機能の低下を抑えられたというデータもあります」

やり方に厳密なルールはない。
懐かしい写真を見たり、音楽を聴いたり、記憶とともに五感を刺激することもいい。

裁縫や絵を描くことなど、昔得意だったことは体が覚えているので、
 本人が楽しんで行えるメリットもある。



☆「回想法」の注意点:間違っていても否定しないこと

「基本的に自由に行えますが、いくつかの注意点はあります。
古い記憶の中には、楽しいことも、つらいこともあるはずです。
つらいことまで引き出す必要はありません。

本人にとって何がありありと思い出せ、楽しい記憶として残っているのか、
聞くことから始めましょう。

また、せっかく楽しい気分になっているのだから、
過去の記憶が間違っていたとしても否定しないことが重要です」

回想法だけで、認知症が完治するわけではないものの、
何かをはっきり思い出せるという成功体験と、
楽しい記憶を思い出して気分がよくなり、気持ちが安定する。
これは、家族にとっても救いとなる。

「認知症を専門に診てきた私でも、
父の介護中は声を荒らげたことがありました。

家族としては、もっと元気でいてほしいとか、
こんなふうじゃなかったのにとか、
つらさのあまり、ついイライラしてしまうんですよね。

他人だと、がまんできても、
自分の親だと感情的になりすぎることがある。

でもそうやって怒ったり、非難したりするのは、
お互いによくないんです。
だから回想法でお互いの気持ちをやわらげていただけたらと思います」

そこで、すぐにでも始められる回想法の例を教えてもらった。

下記を参考に、自宅で行ってみてはいかがだろうか。


☆すぐできる! 回想法の実例8選

※は回想法の応用で、本人の趣味を利用したもの。

1.会話で思い出や昔話を聞く

道具のいらない、もっとも手軽な回想法。
「私が小さい頃こんなことがあったね」といった家族の思い出や、
 「子供時代はどんな暮らしだった?」など本人の昔話を聞いてみよう。


2.昔の写真を見る

写真は単純明快・一目瞭然なので、
当時を瞬時にビビッドに思い出しやすい。

話すうちに、当時のことを芋づる式に思い出す可能性も。
人名や状況を間違えても否定しないこと。



3.書道※

書道を嗜んでいた人には、おすすめの回想法。
墨のにおいや半紙の感触など、五感を使うことも脳の刺激には有効。
集中力が必要となるため、1枚書ききるだけでも大きな自信に。


4.俳句※

五七五という17音や季語など、かなり頭を使う俳句も、
好きだった人には、楽しい記憶の1つ。
もしルールを思い出せなくても、楽しむ気持ちを優先させてあげよう。


5.絵を描く※

絵が好きだった人に、おすすめ。
絵画作法や理論を抜きにして、直感のまま色ぬりをするだけで、
気分が高揚するはず。
集中力が必要となるので、脳への刺激が期待できる。



6.音楽を聴く※

聴覚を刺激するのも◎。
若いときに、はやった曲は、スラスラ歌えたりするもの。
そんな歌があったら、いつ、どんなときに聴いていたかを聞くと、
当時の思い出も引き出されやすい。


7.裁縫※

「針に糸を通して縫う」という段取りが思い出せなくても、
体が覚えていて、縫い進められるケースが少なくない。
昔とった杵柄は"できる"を体現できるのでおすすめ。


8.花を愛でる※

庭いじりや花が好きだった人に、試す価値のある回想法。
アルツハイマー病は、まず嗅覚が低下するので、
花の香りから記憶が呼び起こされることも。
“花の癒しパワー”も効果的。



☆教えてくれた人
アルツクリニック東京院長・認知症専門医/新井平伊さん

新井平伊・著作『』脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 (文春新書)』

イラスト/林けいか 取材・文・イラスト/辻本幸路・・・》

注)記事の原文に、あえて改行を多くした。 




今回、《・・認知症予防に効果があるという「回想法」・・》、
多々教示されたりした。

私は『音楽を聴く』ことに関心があるので、
認知症予防に効果がある、と思ったりした・・。

私は農家の児の三男坊として、1944年(昭和19年)の秋に生を受けたりした。
そして地元の小学校に入学したのは、1951年(昭和26)の4月であり、
この前後は、生家のラジオから、音楽が流れていた・・。

たとえば入学するまでの時期は、近江俊郎さんの『湯の町エレジー』、
岡晴夫さんの『憧れのハワイ航路』、藤山一郎さんの『青い山脈』、
美空ひばりさんの『悲しき口笛』、二葉あき子さんの『水色のワルツ』などは、
瞬時に今でも蘇ったりしているので、認知症予防に効果があるかしら、
と微笑んだりしている・・。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 確かな存在感のある名優・田... | トップ | 競泳の池江璃花子さん、「努... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (tkgmzt2902)
2021-04-05 07:52:19
とてもためになりました。
回想法、間違っても否定しない・・・。私は逆のことばかりやっていました。訂正することがいいことかと思って。
目くじらたてず穏やかに過ごすことが大切なんですね。
返信する
自身が自覚のない言動・・。 (夢逢人)
2021-04-05 09:04:06
tkgmzt2902さま。

いつの日にか多少はポケても、認知症は自身が自覚のない言動で、
家内とか、知人らを困惑させることです。

私は高校生の頃から、親戚の一部の御方の言動を見たりしましたので、
もとより自身も困苦するので、出来うる限りに認知症だけは避けたいと、
念願しているのが本音です。

>とてもためになりました。
>回想法、間違っても否定しない・・・。
>私は逆のことばかりやっていました。訂正することがいいことかと思って。
>目くじらたてず穏やかに過ごすことが大切なんですね。

私も今回の記事は、多々学んだ次第です。

いずれにしましても、齢を重ねるたびに、身体の衰えは実感させられて、
たとえば膝(ひざ)に痛みが感じ、整形外科に通院する体験がありましたので、
微苦笑したりしてきました。

コメントありがとうございました。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ささやかな古稀からの思い」カテゴリの最新記事