認知症になっても進行がゆっくりな人が毎日していたこと
70歳から急に老化する人、しない人 』、
と題された見出しを見たりした。
私は東京の調布市に住む年金生活の77歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、
雑木の多い小庭の中で、古ぼけた戸建て住んでいる。
こうした中で、もとより健康でなければ、自身の日頃のささやかな願いも叶わないので、
歩くことが何より健康体の源(みなもと)と思い、そして適度な熟睡する睡眠、或いは程ほどの食事が、
セカンドライフの私なりの健康体の三種の神器として思い、年金生活を丸17年半を過ごしてきた。
そして私は何よりも認知症、心筋梗塞など恐れ、
殆ど毎日のように自宅の周辺3キロ範囲にある遊歩道、公園、住宅街を歩き、
ときおり認知症だけは勘弁してねぇ・・と秘かに祈願しながら歩く時もある。
こうした思いのある私は、今回の《・・「脳トレは・・ほぼ無意味だった」・・、
認知症になっても・・進行がゆっくりな人が毎日していたこと・・》って、
どのようなことですか・・と思いながら、真摯に学びたく、記事を読んでしまった。
この記事は、老年医学の専門家である和田秀樹さんが著作された
『40歳から一気に老化する人、しない人』(プレジデント社)の一部を再編集したもので、
【 プレジデントオンライン 】の『ライフ』に於いて、
2022年2月23日に配信され、無断であるが、記事の殆どを転載させて頂く。
《・・老年医学の専門家である和田秀樹氏は
「40歳こそ、老化の始まり。
この年代から“足りないものを足す健康法”へのシフトが重要だ」と説く。
☆70代こそ肉を食べよう
20代、30代の人が、スキーで転倒して足を骨折し、
病院のベッドで、1カ月寝たきりの生活をしたとしても、
退院すれば、まもなく普通に歩くことができるようになります。
しかし70代では、そうはいきません。
寝たきりの生活が続くと筋力が低下し、骨折が治ったあとも、
「立つ」、「歩く」といった日常生活に必要な動作に支障をきたすようになり、
介護が必要になるリスクが高くなってしまいます。
こうした「ロコモ(ロコモティブシンドローム=運動器症候群)」が目立ってくるのも、
70代からの特徴です。
70代こそ、意識して体を動かす必要があるのですが、
前頭葉が萎縮し、動脈硬化もかなり進行していますから、なかなか動こうとしない人が増えてきます。
これは男性に顕著な傾向です。
男性ホルモンが減り、行動意欲が失われているからです。
したがって、歳をとればとるほど、毎日の食事を通じて
男性ホルモンの材料になる肉やコレステロールを摂取する必要があります。
コレステロールは、主要な男性ホルモンである「テストステロン」の材料であり、
コレステロールが気になるからと、これを減らすのは、ホルモン医学の立場で言えば、
まったくの逆効果でしかありません。
☆女性ホルモン補充で骨粗鬆症予防を
女性の場合、男性ホルモンが増加するので、むしろ元気になる人が多いのですが、
その一方で女性ホルモンが減るため、それにともなう問題がないわけではありません。
女性ホルモンが減ることの弊害としては、
肌つやが悪くなることのほか、骨粗鬆症の原因にもなることがわかっています。
骨粗鬆症を防ぐには、適度な運動をし、戸外を散歩するなどして日光によく当たること、
あるいはビタミンDが多く含まれている食品をとるなど、
ごく常識的なことをする心がけが必要です。
日に当たらない生活があまり長く続くと、
うつになりやすいのは、広く知られているとおりです。
日光浴は、うつ病や不眠症を予防し、
骨粗鬆症の予防にもなる70代女性にとっての格好の健康法なのです。
また性ホルモンは性別を問わず、ホルモン補充療法で補うことが可能です。
副作用のリスクを心配する方も少なくないでしょうが、
更年期に特有の不定愁訴に対しては、苦痛を手っ取り早く取り除き、
副作用も比較的少ない療法です。
QOL(生活の質)を重視するのであれば、ホルモン補充は効果的な療法だと私は思います。
☆認知症リスクが大きくなってくる70代
70代になると、いよいよ認知症が、他人事ではなくなってきます。
認知症の有病率は、70代前半までは、世代人口の5%。
70代後半に入ると、8~10%弱の人が認知症になります。
日本では認知症患者の6割以上が、
アルツハイマー病を原因疾患とする「アルツハイマー型認知症」だとされています。
アルツハイマー病は、神経細胞の中にアミロイドβと呼ばれる
たんぱく質が蓄積されることによって、引き起こされると考えられています。
脳にアミロイドβがたまりやすいかどうかは、
遺伝的要因に左右される面がかなり大きく、
親がアルツハイマー型認知症の有病者であった場合は、
子どももなりやすいといわれています。
☆「頭」を使って認知症リスクを低減する
実は、2021年に、ついにこのアミロイドβを、脳内から除去する作用のある薬が
アメリカで認可されました。
たしかに朗報ですが、年間650万円もかかることもあり、
日本で認可されるのか、あるいはどういう患者さんに
保険が利くようになるのかは、まだ不透明です。
将来には期待できますが、いますぐとはいかないのが実情です。
それでも、昔からいわれる「頭を使っている人は、ボケにくい」というのは一面の真理です。
脳の萎縮が、同じくらい進んでいる2人の認知症患者を比較すると、
何もしていない片方の人は、かなりボケてしまっているのに、
日頃から頭を使う環境にいたもう片方の人は、そうでもなく、
知能テストをするも明らかに、後者のほうが点数が高かった、というケースがままあります。
頭をしっかり使って、認知症のリスクを低減させていきましょう。
☆「脳トレ」より「人との会話」
近年、「脳トレ(脳力トレーニング)」と呼ばれるトレーニングメソッドが、
脳に刺激を与え、ボケ防止に役立つということで、ブームになっています。
ただ「脳トレ」は残念ながら、認知症予防という観点からは
ほとんど無意味だということが、最近行われた海外の研究で明らかになっています。
『ネイチャー』や『JAMA』(アメリカの医学会雑誌)のような超一流の医学誌に、
この効果にまつわる大規模調査の結果が発表されています。
そのうちの1つ、アラバマ大学のカーリーン・ボール氏による2832人の高齢者に対する研究では、
たとえば言語を記憶する、問題解決能力を上げる、問題処理の能力を上げるというようなトレーニングをさせた場合、
練習した課題のテストの点だけは上がるのですが、ほかの認知機能がさっぱり上がらないことがわかっています。
つまり、与えられた課題のトレーニングにはなっても、
脳全体のトレーニングには、まったくなっていないことが確認されたというのです。
では、いったいどうやって「頭を使う」といいのか。
私の経験上、もっとも効果が高いと感じられるのは、人との会話です。
他人とのおしゃべりでは、自分の話したいことに対して、相手から反応が返ってきますし、
強制的に頭を働かせなくてはいけない局面が増えます。
もちろん、仕事や家事も複数の知的作業をともなうので、「頭を使う」ことにつながります。
「生涯現役」というスタンスも、有力な脳のトレーニング法といえるでしょう。
☆認知症の進行は生活環境で大きく変わる
介護保険がまだ導入されておらず、
今日の主要な抗認知症薬であるアリセプトも未認可だった1990年代に、
私は勤務先である浴風会病院とは別に、
茨城県鹿嶋市の病院で月2回、認知症の診察を担当していたことがあります。
鹿嶋市に足を運ぶようになってしばらくして気づいたのが、
浴風会病院にやってくる東京都杉並区の認知症患者たちに比べて
鹿嶋市の認知症患者の進行がかなり遅く、症状が目立たない、ということでした。
それがなぜなのか、最初はとても不思議でした。
しかし、杉並区と鹿嶋市の高齢者が置かれている生活環境を見比べているうちに、
おおよその見当がついてきました。
当時は、まだ介護保険が始まる前でしたから、
杉並区の高齢者たちは、認知症になると、その多くが家に閉じ込められたのに対し、
鹿嶋市では、比較的気ままに近所を歩き回らせていることが多かったのです。
それでも、出歩いた認知症高齢者が家に帰れなくなっていると、
すぐに近所の誰かが見つけて連れて帰ってくれるので、
あまり困った事態になることはありません。
☆オール・オア・ナッシングで考えない
農業や漁業の従事者に関していえば、
認知症が発症しても、それまでと変わりなく仕事を続けている人も
少なくありませんでした。
認知症が発見されると、一般的には周囲が先回りして
外出や仕事などいろいろなことをやめさせてしまうことが多いのですが、
“オール・オア・ナッシング”で考える必要はありません。
「この仕事、この家事は、もうできなくなったからやめる」
「この家事は、できるからしばらくは続けよう」
そういう判断があっていいはずなのです。
☆70代からは「比べない」
70代ともなると、世代全体の10%が認知症になります。
残りの9割は、依然として頭がはっきりしており、
健康な人とそうでない人の差が、それまでになくはっきりと分かれてきます。
外見の面でも、同級会などで集まれば、みな同い年のはずなのに、
一見して「え?」と驚くくらいの個人差が、容姿の老け具合に出てきます。
社会的にも、現役バリバリで社長を務めている人がいるかと思えば、
定年退職した人の多くは「無職」という肩書をつけられてしまう現実があります。
だからこそ、なにかと「あいつに比べて、自分は・・・」という引け目を感じやすくなり、
人によっては、それが重荷になってくることもあります。
☆老いを受け入れるとは個人差を受け入れること
同世代の人よりも、ちょっとだけ早く老いを受け入れざるをえなくなった70代の人にとっては、
「老いを受け入れる」ことは「個人差を受け入れる」とほぼイコールの行為でもあります。
この世に同じ人は一人も存在せず、誰もがみんなとちょっとずつ変わっているのですから、
自分を他人と比べているかぎりは、苦しさから抜け出せません。
他人にはできて、自分にはできないことについて思いを巡らせて悶々とするよりは、
「いまの自分に何ができるのか」ということを前向きに考えたほうが、ずっと健康的に生きられます。
人と比較するより、自分の生き方を模索するほうが賢明だと、私としては信じています。・・》
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。
今回、老年医学の専門家である和田秀樹さんの『40歳から一気に老化する人、しない人』より、
認知症になっても、進行がゆっくりな人が毎日していたことに関して、学んだりした。
《・・「脳トレ」よりも、もっとも効果が高いと感じられるのは、人との会話です。
他人とのおしゃべりでは、自分の話したいことに対して、相手から反応が返ってきますし、
強制的に頭を働かせなくてはいけない局面が増えます・・ 》、
と私は学び、微笑んでしまった・・。
私は亡き母の遺伝を純粋に受け継いだ為か、恥ずかしながら男の癖におしゃべりが好きで、
平素は何かと家内と談笑したり、ご近所の奥様、ご主人など明るく微笑みながら談笑したりしている。
そして私は、遊歩道、公園などを散策していると、見知らぬ男性、
女性グループの御方たちと、話しかけられたり、或いは話しかけたりして、談笑し、
殆ど毎日過ごしていたが、新コロナ烈風で、ここ2年半は無念ながら自粛している・・。
こうした習性のある私は、
2004年(平成16年)の秋に定年退職となり、
この当時は大企業も盛んにリストラが実施されていた・・。
私が定年後に新たな職場を探しても、これといった突出した技術もなく、
何よりも遠い勤務先の出向先で、私なりに5年半ばかり奮闘して、
体力も気力も使い果たしてしまい、やむなく年金生活を始めた・・。
そして60代の前半期の時、友人、知人と歓談しても、人それぞれの人生の後半戦は、
十人十色であり、お互いに健康で過ごせればと思い深めているので、
微笑みを重ねたりした・・。