ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

ロシアは国民より国家を大切にしている

2017-09-08 17:29:24 | 社会

北朝鮮対策で安倍総理がプーチン大統領と話した、というようなことが報じられているが、私はプーチン大統領の発言を聞いて「この人は国民より国家を大事にしているな」と感じている。例えば「いくら経済制裁を強めても北朝鮮は草の根を食べてでもミサイル開発を止めないだろう」というような発言をしている。これは国民が求めているはずはなく、北朝鮮政府が国民に強いることであることは明らかである。あるいは「ドイツの統合は我々に言わせると東ドイツを西側に取られたということである」という発言がある。東ドイツ国民の意思は眼中になく、国家の勢力争いがどうなるかという観点でしかものを見ていない証拠だと思っている。

中国は共産党独裁国家で、よく西側の評論家は「中国共産党にとって一番大事なのは共産党支配が続くことである」という言い方をする。しかし、少なくとも建前上は「共産党独裁は、それが中国国民にとって一番良い方法だから採用している」という立場を中国トップは崩していない。本音ではどう思っているか分からないが、私の知る限り上記のロシアのトップのような発言を中国のトップから聞いたことは無い。これは支配グループ全体の意識に浸透しているからだと私は思っている。

制度上は中国は選挙制度がなく民主主義国ではないが、ロシアは選挙を行う民主主義国である。しかしリーダの意識は中国のほうが国民全体のことを考えていて、ロシアのほうが「国家」と「国民」を別物と考えている、と私は考えている。ロシアよりはるかに下の経済状態にあった中国がロシアを抜き去ったのに対して、ロシアが経済的に発展してこず、産業の厚みが生じてこないのはこのあたりが理由ではないかとも考えている。

世界が戦争の危機に向かうとすれば中国よりもロシアのほうが危険だと私は感じている。