ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

急な解散風に思う

2017-09-19 20:17:09 | 社会

今週に入って急激に衆議院の解散風が吹いてきた。言うまでもなく安倍総理の意向である。今月中に解散、10月総選挙は間違いないもののように報じられている。

以前から、このブログに書いてきたのだが、私は「解散は総理の専権事項」という言い方には大いに問題を感じている。衆議院を解散すれば政治は中断するしコストもかかるので、解散するにはそれだけ重大な解散の必要性が必要だと思っている。今回の解散風は「今解散したほうが自分に有利」という打算から解散に踏み切ることがほぼ確実である。

そんな解散風だが、私は良い点が二つほどあると思っている。一つは今回の解散があまりに露骨な自己都合解散なので「総理の解散権」自体を問題だと思う人が増えてきている点である。これをきっかけに総理の解散権を制限するような議論が進めば効果があったといえるだろう。

もう一つは野党の再編である。民進党の代表選挙で前原氏が新代表になったが、就任後の動きを見て彼の体制では民進党は再構築されるどころか、ずるすると後退していくだけだろうと私は思っていたからである。党人事における山尾志桜里氏の問題はほとんど関係ない。問題は前原新代表の態度で「政権交代の受け皿を作る」といいながら、そのための党の方針には全く触れず、離脱議員をつなぎとめることに汲々としている点が問題である。どういう人に離脱してほしくて、どういう人に残ってほしいのか、といった考えは全くなく、まとまっていかない党に愛想を尽かせた人から順番に歯が欠けるように抜けていく、という状態では全く期待が持てない。

おそらく、今回の総選挙では民進党は大負けして、その議席が他の党、自民党や、維新の会、公明党、共産党に流れるだろう。日本ファーストの会がどうなるかは私には読めないが、議員数は一桁どまりだろうと思う。民進党からは大量に離党者が出るだろう。選挙直前に民進党を離れる人が大量に出るかもしれないと思う。

このことは今回解散しなければ1年半後に起こったことだろうと思う。安倍総理は日本ファーストが不気味なので彼らが立ち上がってこない今の時期を選んだのだろうが、日本ファーストには国政を語る力量は無く、民進党が分裂して、そこから核になるメンバーが集まらないと野党再編はできないだろうと私は思っている。橋下徹氏が維新の会を立ち上げた時と比べると今の日本ファーストははるかに政策に対する意識が低く、エネルギーを感じない。今回の選挙は結果として野党再編を加速することになるだろう。その意味では国民にとっては自民党への対抗軸がダメダメ民進党しかない、という状態が早く解消されて良いのではないかと思っている。