ウィトラのつぶやき

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アップル、新機種発表で株価下がる

2013-09-12 09:08:55 | 経済

アップルがiPhoneの新機種iPhone 5S, iPhone 5Cを発表した。日本ではドコモからも発売されるということで、大きな話題を呼んでいる。

しかし、発表後のアップルの株価は下がっている。下がった理由は廉価版の5Cの値段が高すぎるということらしい。発表では5Sが$199、5Cが$99でリーズナブルに見える。しかし、通信契約を伴わない場合の5Cの値段は$545でこれが高すぎるというのが株価が下がった理由である。もっとも、株価が下がったと言っても7月頃と比べればまだかなり高く、新機種発売期待で株価が上がっていたのがそれほどでもなかったということで少し下がった程度である。

iPhone 5Sのほうの通信契約なしの価格を探したのだが見つけられなかった。仮にこれが5Cより$100高い$645だとすると確かに5Cは高すぎる。5Sが$645というのはこれまでの経緯からみてありそうな数字なので2割安いだけの機種を廉価版としてわざわざ作ったアップルの戦略に疑問を感じる。しかし、私は通信契約なしの$545という数字に疑問を持っている。実はコスト的にはま5Cはまだかなりの余力があるのだが、オペレータからの販売価格を調整した結果あのような値付けになっているのではないかと想像している。売れ行きが思わしくなければ5Cのほうは値下げするのではないだろうか。

日本ではドコモが販売を始めることで大きな影響があるだろう。今のMNPの値付けの状況ではiPhoneの買い替えユーザがソフトバンクからかなりドコモに流れるのではないかと思う。それを防止するためにソフトバンクがどういう手を打つか、おそらく下取りなどで思い切ったサービスを行い、実質ドコモに変更してもソフトバンクで継続しても同じくらいの価格になるようにするのではないだろうか。そのためにソフトバンクの販売促進費用がかさむだろうと思う。

メーカではドコモの3トップと言われたソニー、シャープ、富士通は今頃大騒ぎだろう。一度アナウンスが出ていたのである程度出荷予測を立てていたのが全面見直しになっていると思う。

機能的には指紋認証を入れたくらいでそれほど大きな変更は内容である。但し、CPUもOSもバージョンアップしている。アップルはiPhone 4から4S、5から5Sの時にはプラットフォームを新しくして機能はそれほど変えない。そそて新しいプラットフォームになじんだところで6などとバージョンアップしてユーザから見て大きく変わったように見せる、良いうやり方をしてリスクを軽減している。今回は新機能よりもパフォーマンスがどれくらい上がったかが注目だろう。その意味でLTEのサポートするバンドが増える点は大きい。この点ではAUに最もメリットがある。このところ新規加入者数ではソフトバンクがトップ、少し下にAU、大きく下がってドコモという状態が続いていたが、今後はAUがトップ、ソフトバンクとドコモが同じくらい、という状況になるのではないかと予想している。

しばらくすれば分解してどうなっているかを調べたティアダウンレポートが出るだろう。それを見るのが楽しみである。