ウィトラのつぶやき

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シリアへの軍事行動をイギリス議会が拒否

2013-09-01 12:06:09 | 社会

シリア政権の化学兵器使用に対してアメリカ・イギリス・フランスが軍事行動を本気で考え始めて事態は緊迫している。一時はすぐにでも空爆という雰囲気だったが、イギリス議会が否定したということで今は微妙な状況になってきている。

イギリス議会で議論があり、軍事行動が否定され、キャメロン首相が軍事行動をあきらめる声明を発表した一連の動きに対して、私は日本の国会との大きな違いを感じている。イギリスは日本と同じ議院内閣制で、議会での多数派から首相が任命される。キャメロン首相は与党のトップであり、その与党のトップが力説した行動が議会で否決され、首相が「国民が望んでいないと判断するので軍事行動は行わない」、という声明を出した点が日本ではあり得ない話のように感じるのである。

詳しいことは分からないのだが、与党保守党は与党としての決定を下し党議拘束をかけることをせずに議員個人の判断に任せたということだと想像される。そうでなくてはこの一連の動きは理解できない。野党労働党の党首は反対意見を表明していたので、大きな枠組みで与党は賛成、野党は反対という動きはあったのだろうが、与党から造反議員が出たから処罰するというような話は出ていない。

これが日本だったらどうだろうか、安倍総理が決めれば自民党は無条件に賛成、野党は無条件に反対、公明党がどうするか迷う、ということで議員個人の判断が入るとはとても思えない。日本だと採決する前に結果が分かるということになるだろう。

イギリスでは党の意見と議員個人の意見はどこで分かれているのだろうか、と思う。想像だが、マニフェストにあることは基本的に等の意見に従う。突発的な出来事に対しては個人の意見で判断する、というような分類になっているのではないだろうか。日本では何でも党の決めた通りに投票し、従わないのは自分に利害のある話、というような分かれ方になっているような気がする。

日本の国会議員個人個人がシリア問題に対して日本はどう対応すべきかしっかりした意見を持っているとは思えない、という私の見方はあまりに日本の議員を信用していなすぎるだろうか?

ちなみに私個人の意見は反アサドで軍事介入すべきだと思っているし、もっと早く軍事介入すべきだったと思っている。