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AIJ投資顧問のずさん運用により、企業年金の預かり金2100億円が、
9割ほど消えた問題で、金融庁から業務改善命令が出されました。
このニュース、各紙の朝刊だけでなく、夕刊にもその後の進展が報道
されており、AIJ投資顧問は、資産を英領ケイマン諸島のファンドなどを
経て、香港の欧州系大手銀行に移していた事が、証券取引等監視委員会の
調べで明らかになりました。 (朝日新聞12/2/25夕刊)
ただ、その後のお金の流れが確認できていないため、他の使い道に流用した
可能性も含めて、海外に資産を移した目的が何なのか、解明が待たれます。
このAIJに年金資金を運用させていた企業にとって、痛手になります。
ところで、この件、ウォールストリートジャーナルが興味深い事実を紹介
しています。
Japanese credit rater Rating & Investment Information Inc. warned in
a 2009 newsletter to clients that AIJ had "unnaturally stable returns"
despite a down market.
「相場が下がるなかで不自然に安定した運用実績を得ている」
Although AIJ wasn't named in the newsletter, the description given was
enough to identify it for most pension-industry experts, says Hidekazu
Nagamori, the managing director in charge of the newsletter.
「AIJと名指ししていないものの、年金関係者ならAIJのことだとすぐわかる」
The warning came a year after AIJ, which has a staff of 12 employees,
had been ranked No. 1 by Japanese pension funds in a customer-satis
faction survey conducted by R&I. Bankers familiar with the investment
industry say AIJ was known among bigger asset managers for boasting
consistently high returns.
「年金基金関係者の間では、AIJが顧客満足度ナンバーワンになり、その1年後
に警告が発せられた」
こういう状況が3年前のレターで話題になっており、何故 金融庁が今まで放置
していたのかも、不思議です。
AIJは運用を始めてから最大240%の利回りを確保している説明し、中小企業に
対する総合型の厚生年金基金として、トラック業界や建設業、電気工事業などの
企業が、資産の多くを投じていたようです。東証1部に属する電気・電子セクターの
有名企業も含まれているようです。
複数の基金が年金資産の半分近くを失う恐れあり、基金が解散に追い込まれたり
加入者が企業年金と厚生年金の一部を受け取れなくなったりする可能性もあり、
この問題は、大きく波紋を広げそうです。
年金運用の他社も含めて、一斉調査の結果と開示が必要です。
それでは、また。
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