博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『山海情』その1

2021年02月19日 | 中国近現代ドラマ
『山海情』全23話中第1~12話まで見ました。

時は1991年。寧夏回族自治区の貧村湧泉村では、政府の貧困対策の一環として村民を自治区内の別の土地に移住させ、開墾を進めさせようとしておりました。


主人公は黄軒演じる馬得福。村の若き幹部として移民政策を担うことになります。村民から移住希望者を募る一方で自身も移民の先発隊として、移住先の金灘村で環境整備に努めることになります。

移住先では一から農耕地の開墾を進めなければならず、電気も満足に通っていないという状態。移民の戸数が60戸に達すれば電気を通してもらえると頑張っておりますが、折角やってきた移民が大自然の驚異・砂嵐に恐れを成して湧泉村に引き返してしまい、移民の戸数は59戸であと1戸足りないということで話がおじゃんになりかけます。


そこへ得福の元恋人水花が夫と子供を率いて移住してきて、何とか電気が通ることになります。水花の中の人は『長安二十四時』の檀棋。このドラマ、ちょいちょいお馴染みの俳優さんが登場するのですが、見事に農村ナイズされていてパッと見それと気付かない人も多いです (^_^;) 

水花は得福と結婚するはずが父親の思惑で身売りのような形で隣村に嫁に出されてしまい、嫁ぎ先の夫も不幸な事故で下半身不随に……と重い背景を背負っていますが、それにめげないバイタリティを持っています。


そして移民政策のテコ入れとして、比較的裕福な福建省の都市と連携することに。村は閩(福建)と寧夏から名前をとって閩寧村と名づけられます。福建から兼職副県長として派遣されてきたのが郭京飛演じる陳金山。彼の差配で村の若い女性たちを女工として福建の電子機器工場に出稼ぎに行かせたり、福建の大学教授凌一農を招聘して双孢菇という福建特産のキノコの栽培が推進されたりします。

得福の弟の得宝が村で一番最初に双孢菇の栽培に名乗りを挙げて大儲けし、彼の恋人の麦苗が女工のひとりとして福建に出稼ぎに出て慣れない環境で悪戦苦闘することになります。で、今回は得宝の成功を承けて双孢菇の栽培が全村で進められることになったあたりまで。年代は1998年まで進んでます。

『大江大河』シリーズと同じく正午陽光の制作とあって『大江大河』の外伝みたいな感じで見てますが、舞台となる村は宋運輝の故郷の村や小雷家より更にひなびており、「湧泉村」というネーミングも相まって呪いの泉のひとつやふたつはありそうな感じです。


そして本作の魅力はこれ。なまった普通話や方言がたっぷり聞けるというか、標準的な普通話を話す人なんか誰一人として登場しません (^_^;) 画像は麦苗たち新米の女工が工場の先輩の説明を聞き取れず、「もう少しゆっくり話してください」と言ったところ、工場の主任から「ここは普通話の教室ではない」と言われてしまう場面なんですが、麦苗たち、工場の先輩、主任の三者のいずれも発音が不標準ですw
コメント
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