サルヴァトーレ・アッカルド(ヴァイオリン)、
エリオ・ボンコーパンニ指揮、ローマ・フィルハーモニー管弦楽団
イヴリー・ギトリスのヴァイオリン演奏をついに聴くことができた。
TVで彼の演奏を観て、是非、生で聴きたいと思ったが、なかなかチャンスがなかった。
実は、別の日のヴァイオリン・ソナタとヴァイオリンの小品を聴きたかったのだが、日程が合わず、一度は諦めた。しかし、彼の89歳という年齢を考えると、今回を逃すと、一生聴けないかもしれないと思い、ヴァイオリン・コンチェルトで妥協し、出かけた。
当日は、チャイコフスキーのヴァイオリン・コンチェルト、ニ長調を演奏した。
ニコライ・ジャジューラ指揮のキエフ国立フィルハーモニーとの共演である。
年齢的に座っての演奏で、それでも、コンチェルトはきついようであったが、最後まで、独特の音色を聴かせてくれた。
また、アンコールに応えて、「浜辺の歌」を演奏する等、サービス精神も旺盛であった。
当日のプログラムは、川畠成道のヴァイオリンで、メンデルスゾーンのヴァイオリン・コンチェルト、ホ短調に加え、ドボルザークの交響曲第9番「新世界より」と盛り沢山で、会場は、プログラムも良く、比較的良くないS席にチラホラ空席があっただけで、ほぼ満席の盛況であった。
メンデルスゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン・コンチェルトは、LPレコードが登場したことにより、「メン・チャイ」と呼ばれ、多くのレコードが発売された。
私も、持っている筈だと、探したのだが、どうしたわけか見つからなかった。
多分、レコード店へ買いに行って、「メン・チャイ」は、名曲喫茶でも聴けるので、気が代わり、別の曲を求めたのだろう。
今日のレコードは、代わりに購入したであろう、あまりポピュラーではないが、一度聴いてみる価値のある、ヴィオッティのヴァイオリン協奏曲、第22番、イ短調を選んだ。