ピアノ : ヴァン・クライバーン 、フリッツ・ライナー指揮 シカゴ交響楽団
佐渡裕がベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の定期公演に指揮デビューしたコンサートの模様が、NHKのBSで放映されていた。それに先立ち、2日間のリハーサルの様子が併せて紹介されており、興味深かった。団員が指揮者を品定めするファースト・コンタクトがとても大事であると、コンサート・マスターの樫本大進が語っていた。
男と女の場合もそうだが、最初の火花は、緊張感があって良いものだ。最近は、こういう緊張感に巡り合わないのは残念だが・・・
実は、「題名のない音楽会」で、彼と辻井伸行(ピアノ)との共演を聴いたばかりであったが、ベルリンの聴衆も、彼の熱演に共感したようだ。
当日のプログラムは、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の第1楽章で、辻井が、ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝を勝ち取った曲である。コンクールの約1年前に、この番組で、第3楽章を同じく佐渡の指揮で演奏したが、一段と、成長した姿を見せてくれた。
また、彼自身が作曲した「神様のカルテ」と「風の家」をオーケストラ・ヴァージョンにした曲が演奏された。佐渡が、「彼の曲を聴くと、1週間は良い人でいられる」と云っていたが、本当に優しく、穏やかな綺麗な曲であった。
今日、紹介するレコードは、ヴァン・クライバーンが、チャイコフスキー・コンクールに優勝した1958年の数年後に録音されたものである。
名演の一つといえるだろう。