「自分自身のための覚書」
⑧
これまでの日本社会は、経済人の優れた経営能力によって政治家
の無能を経済で補ってきたと言われてきたが、ここに至ってそうばか
り言えないニュースが続いている。所謂、創業者の跡を継いだ二代
目三代目の社長による馬鹿げた不祥事が相次いでいる。彼らは何と
しても業績を伸ばさなければならない使命を受けているので、という
のは設備投資やブランド力は先代の苦労によって築かれているから
で、逆風の中、功績を焦るあまり社会的な立場を見失い、じり貧に耐
えられなくなって粉飾や偽装に走らざるをえないのかもしれないが、そ
れが世間に知れると詭弁を繰り返して、さらにそれが不信を生む結果
になっている。もちろん、そんなことは食品偽装問題や脱税などバブ
ル崩壊以降何度も起こってはいるが、それにしても東電を始めとす
る原発を巡る電力会社や官庁の嘘っぱち会見や、さらには大王製紙
のバカ息子による使い込みがあったり、オリンパスの就任したばか
りの外人社長の交代劇など、何れも日本を代表する大企業の中で、
これまでなら信じられなかった経営陣によるドタバタ劇が起こってい
る。もしかすると報道されているのは氷山の一角で、多くの会社の
役員室で夜な夜な怪しい話し合いが続いているのかもしれない。
優秀と持て囃された日本の経済人さえもただ社名を守るためだけに
汲々として、政治家と肩を並べるまでに堕落したのかもしれない。
そうなれば、いよいよ日本再生は遠退くばかりで、遂に頼みの綱も
細ってしまったなあと、経営者としての社会的責任を露も口にしな
い自分勝手な言動を聴くと経済人のモラルも地に落ちたもんだと
情けなくなってしまう。
あのー、 大丈夫ですか?日本。ギリシャみたいにならない?
「国の借金、1000兆円突破へ=復興債発行で-11年度末見込み」
(時事ドットコム)
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