「遂に世界が壊れ始めた」(5)

2022-10-23 17:00:48 | 「ついに世界が壊れ始めた」

          「遂に世界が壊れ始めた」

 

              (5)

     

通信社ロイターが伝えるところによると、英国では生活費高騰の為に仕方な

く売春に走る女性が増えている、らしい。[https://jp.reuters.com/article/britain-economy-women-idJPKBN2RG0GN]

以下はその記事の全文。

 

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[ロンドン 18日 トムソン・ロイター財団] - オンラインでのセックスワーカーとして働くマーサさん(29)は、英国の生活費危機のために収入が減りつつあるという。生活費の急騰で売春に走る女性が増え、競争が激化していることが一因だ。

身元を伏せるため仮名を条件に取材に応じたマーサさんは「誰もが稼ぐのに必死で、少ない対価で多くのサービスを提供するようになっている」と語る。

「家計がさらに苦しくなれば、状況はさらに悪化すると心配している」とマーサさん。ここ数カ月で、収入は以前の1日250ポンド(約4万2000円)から150ポンドに減ったという。

マーサさんは昨年、人員整理で解雇された後にこの仕事を始めた。その後、小売業で販売アシスタントの仕事にも就いたが、出産に備えて貯金をしており、生活費が高くなった分を賄うために副収入が必要なのだと語る。

英国各地の慈善団体やセックスワーカーによる労働組合は、今年に入って性風俗業を開始・再開する人が増えていると報告している。同国では消費者物価指数(CPI)の上昇率が、主要7カ国(G7)で最高の前年比約10%に達するためだ。

売春の非犯罪化を掲げて活動する現・元セックスワーカーのネットワーク、英売春婦組合(ECP)では、6月に性風俗業を始めるための支援を求める相談者が30%も急増した。また慈善団体「ビヨンド・ザ・ストリーツ」によれば、性風俗業を再開・拡大する女性は増えているという。

女性セックスワーカーを支援する慈善団体「マンチェスター・アクション・オン・ストリート・ヘルス(MASH)」では、2021年12月から2022年4月にかけて新規の支援利用者が100人を超えた。四半期としては4年ぶり最多の数字だ。

性風俗業への参入者が増える一方、利用者の財布のひもが固くなればなるほど、従事者が不本意なサービスの提供を強いられる、あるいはより大きなリスクを取らざるを得なくなる恐れがあると支援活動家らは警告する。

「生活が苦しくなるほど、いつもならやりたくもないサービスを提供することになる」と、ECPの広報担当者ローラ・ワトソン氏は語る。

 

お金のための性行為は英国では合法だが、支援団体は、売春業への勧誘や手助けを禁じる法律によってセックスワーカーへの支援が阻害されており、性風俗業を始める人々をかえって危険にさらす可能性があると語る。

「誰にも相談することなく、初めて性風俗業に就くことになる――そのことが安全に及ぼす影響を強く懸念している」とワトソン氏は語る。

<副業としての性風俗業>

英国は世界第5位の経済大国だが、食料・エネルギー価格の上昇率は引き続き賃金上昇率を上回っており、今年の春、国内労働者の実質賃金の下落幅は2001年以降で最大となった。やむなく副業を探すようになった労働者は多い。

保険会社ロイヤル・ロンドンが最近行った調査によれば、英国では500万人以上の労働者が、高騰する生活費を賄うため副業を始めたという。

その中には性風俗業を選ぶ人もいる。就業時間が柔軟である上、一時的にせよ定期的にせよ、手っ取り早く副収入が得られるという魅力があるからだ。

ECPのワトソン氏は「多くの女性は他に仕事があるか失業手当の給付を受けており、収入を増やそうとしている」と語る。

「何とか最低限の生活費を賄おうと、街頭に立つ女性もいるだろう」とワトソン氏は言い、ECPネットワークの約70%は母親だと言葉を添えた。

 

慈善団体「ヤング・ウィメンズ・トラスト」の調査では、生活費危機による影響は男性よりも女性の方が深刻であることが判明している。シングルマザーの約半数が過去1年のうちに食料品や生活必需品を購入できない状況を経験しており、若い母親の10人に3人は、子どもに食べさせるために自分の食事を抜いたことがあるという。

同団体のクレア・レインドープ最高経営責任者は、低料金の保育サービスや、いつもの仕事で残業を増やして収入増を図れるような就業機会に恵まれている女性は多くないと語る。

だが、ヨーク大学ビジネス社会学部の博士研究員であるテス・ハーマン氏によれば、性風俗業では労働者保護が手薄であり、インフレでもサービス対価を引き上げることは困難だという。

「公共料金も食料品も値上がりするが、賃金の多くは横ばいだ。不安定な職種やギグ・エコノミー(単発請負型経済)では特にそれが顕著だ」と同氏は分析する。

<低下する交渉力>

マーサさんは、デジタルコンテンツのサブスクリプション(サブスク、定額制)サービス、アダルトサイト、そしてツイッターで直接連絡してくる顧客向けに、成人向けコンテンツを制作している。

報道によれば、オンラインのセックスワーカーに顧客から支払われる金額は減少している。顧客からの支払いとしてはサブスク料金やペイ・パー・ビュー方式での支払いのほかに、直接依頼したコンテンツの対価をセックスワーカーに払う、あるいはチップを与えるといった形がある。

サブスクサービスでの成人向けコンテンツ制作者の中には、最近2カ月で収入が30%減少したという声もある。他方で、このサービスの透明性に関する報告書によれば、制作者用アカウントの申請は今年9月、前年比で20万件近く増加したという。

 

労働組合「ユナイテッド・セックスワーカーズ」の広報担当者オードリー・カラドンナ氏は「パイが小さくなっているのに、取り合う労働者が増えれば、顧客に対する労働者側の交渉力は大幅に低下する」と語る。

性風俗業を始める人が直面するリスクについて、カラドンナ氏の見方はワトソン氏の懸念と同じだ。オンライン性風俗業の規制に向けた2つの新たな措置により、経験の浅いセックスワーカーがリスクの大きい仕事に向かうことになりかねないと同氏は指摘する。

1つは、決済事業者である米マスターカードが昨年、アダルトサイトに関するポリシーを厳格化したこと。もう1つは、英国のオンライン安全法案が、ウェブサイトから性的な広告を締め出す方向に動いていることだ。

カラドンナ氏によると「売春行為で知られる地域で働く人が増えれば警察と接触する機会が増えるため、もっと孤立した地域で働かざるを得なくなる。そうなれば、支援から遠ざかる分だけ、危険性ははるかに高まる」という。

こうした懸念はあるものの、困難な状況下、性風俗業のおかげで経済的な安定が得られたとマーサさんは語る。

「この仕事がなければ切り抜けられないと思う」

(Beatrice Tridimas記者 翻訳:エァクレーレン)

 

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 かつて世界恐慌の影響を受けたわが国の昭和恐慌でも、その被害が

最も大きかったのが農村で「昭和農業恐慌」とまで呼ばれ、「欠食児童や

子の身売りが深刻な問題となった。」

こうして秩序が崩壊した社会は新たな秩序を立て直そうとしてより厳格な序

列社会を構築しようとする。つまり国家主義の台頭である。そして国家主義

の台頭は対立国との関係を悪化させる。世界恐慌のあと間もなくして燻って

いた領土を巡る国家間の対立が激化して、第二次世界大戦が勃発した。かつ

て領土を失っても宗教アイデンティの繋がりだけで国家を創設したユダヤ人

社会もイスラエルという領土なしには建国することはできなかった。つま

り、いかなる国家も領土なしには築けない。国民の生活を国家が保障し、国

家は領土なしには存在し得ないとすれば、領土を奪

われることは生活を奪われることに他ならない。有史以来人間が行なってき

たことは将に領地を得るために戦争を繰り返してきたのだ。果たし

て現代の我々は領地を巡る戦争を繰り返さない新しい世界観を築けたのだろ

うか?

 ここでもう一度ニーチェが「永劫回帰説」を説いた根拠を取り上げれば、

「無限の時間の中で有限の存在が流転を繰り返すとすれば、同じものが永遠

に回帰する」

ふたたび、否、三度世界大戦が起こらないことを願うばかりだが。


「ふたたび世界恐慌,か?

2022-10-22 11:00:33 | 「第三次世界大戦前夜」

        「ふたたび世界恐慌,か?」

 

 

 かつて1929年10月24日(暗黒の木曜日)のニューヨーク株式市場の大

暴落に端を発した経済恐慌からおよそ百年が経とうとしているが、哲学者ニ

ーチェは、「無限の時間の中で有限の存在が流転を繰り返すとすれば、同じ

ものが永遠に回帰する」と「永劫回帰説」を説いたが、ただ、どの程度の周

期で繰り返されるのかは不明だ。しかし百年前の世界もその前夜には新型コ

ロナウイルス(スペイン風邪)のパンデミックに見舞われた。そして世界恐慌の

波は当然日本にも及び、昭和恐慌として吹き荒れた。これは私の勝手な憶測

に過ぎないが、世界はふたたび経済恐慌を繰り返すのではないかと怖れてい

る。温室効果ガスを排出する化石燃料の高騰がもたらす物価高など、その兆

候がないわけでもない。食料自給率39%しかないわが国が最も繰り返しては

ならないのは飢饉に襲われる食糧危機である。かつて世界恐慌の後には全国

で「米よこせ運動」(1932年)が燎原の火の如く拡がった。


「人はみんないつか死ぬ」(3)

2022-10-15 18:05:12 | 「第三次世界大戦前夜」

                「人はみんないつか死ぬ」

 

 

 地方の山間地で暮す者にとって自動車を使わずに生活することはまず考えら

れない。にもかかわらず、糖尿病による視力異常から2台の軽自動車を破損さ

せて走行不能にしてしまった。さらに、要介護4の寝たっきり老人を抱え

て、これからどうやって生活して行けばいいのか途方に暮れている。これま

で他人事のように自栽について記していたが、いざ、自身にもそれ以外に道

がないと思うとさすがにうろたえる。

                            (つづく)