「(菅)話放題」⑯

2010-10-21 01:39:10 | 「(菅)話放題」
            「(菅)話放題」⑯


 東南アジアのタイで、あれは何時ごろから始まったのだったか、

タクシン元首相支持派による抗議デモが起ってから、その後キルギ

スだったか中央アジアで内乱が起り、ギリシャの国家財政財の破綻

が明らかになって抗議デモが起こり、それが暴動へエスカレートし

て、更にその前にはチベット、及びウイグル自治区で中国政府に対

する民衆の抗議デモが武力鎮圧されたりと、忘れてしまったものも

あるかも知れないが、経済のグローバル化は至る所で経済格差を齎

した。安定していたヨーロッパでさえ再び移民との対立が燻ぶって

おり、最近ではフランスでも年金制度改革に反対するデモが起って

いる。国内の格差を巡って国民が政府と対立する構図はグルッと地

球をひと回りして戻ってくると、今度は東アジアの日本と中国の間

で島嶼の領有権を巡る国家間の対立へと転化した。グローバル経済

が齎した変化はそれぞれの国内で格差を生み、格差は対立を生み、

対立は抗議行動となって、それはやがて暴動へとエスカレートして、

暴徒化した民衆は政府によって武力鎮圧される。しかし、国内紛争

を怖れる政権は国内の経済を守る為に、一転してグローバル化とは

反対の保護主義へと政策転換しようとしている。

 以下は全くの私の危惧に過ぎないかもしれないが、今、我々が眼

にしてるグローバル経済に端を発する様々な国内対立は何れ国家間

対立に転化して、やがて「経済」戦争が激化して憎しみの感情だけ

を残して戦争へと繋がるのではないだろうかと怖れている。事実、

ブラジルのマンテガ財務相は、米欧など主要国が自国通貨を安く誘

導する現状を「これは通貨戦争だ」と言って、特にドル安を事実上

放置している米政府の通貨政策を批判している。グローバル経済が

齎した格差は遂に先進国と新興国の経済戦争に発展しようとしてい

る。何れの国も政権批判をかわす為に経済格差の歪みを正そうとし

て自国の経済だけを守ろうとすれば、協調して世界経済を立て直す

ことなど叶わないだろう。経済危機から立ち直れないアメリカが新

興国の経済進出を恐れて保護主義を貫くことは、そもそも自分達が

推し進めたグローバルスタンダードに反するではないか。それぞれ

の国がグローバル経済の弊害から国内経済を守る為に保護主義に向

かえば、一転して世界は再び対立へと向かうだろう。そして、その

責任は負けたから一先ず逃れようとするアメリカと、逆に勝ったか

ら一先ず逃れようとする中国にある。しかし、アメリカも中国もグ

ローバル経済の発展でしかその存在を保てない大国なのだ。グロー

バル経済を自国の経済を守る為に利用するとすれば、何れはかつて

世界が経験した苦い記憶を甦らせることにならだいだろうか。すで

に世界経済は国家という枠組みを乗り越えてしまったのだ。一国の

繁栄が他国の破綻を招くゼロサム経済が地球を取り巻いている。そ

れは一国の経済破綻が世界経済の破綻に繋がる危険性を孕んでいる。

自国経済を守る為に世界との協調性を踏み躙ってしまえば、我々が

かつて辿った「何時か来た道」へ舞い戻ることになるだろう。

 ついさっき見たネットのニュースでは、2010年版「世界人口

白書」が発表されて、世界の人口が今年69億人を超えて、来年に

は遂に70億を突破するだろうと伝えていた。

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「(菅)話放題」⑮

2010-10-18 05:21:17 | 「(菅)話放題」
                 「(菅)話放題」⑮



 「中国でまたデモが起きた」

 それを聞いた時、てっきり劉暁波氏の釈放を求めるデモだと思っ

たら、何と!反日デモだと言う。それにしても明らかにタイミング

がおかしい。一部の報道は「官製デモ」を報じているようだが、そ

れしか考えられない。つまり、ノーベル平和賞を受賞することにな

った劉暁波氏を巡って再び民主化運動が勃発することを怖れ、当局

の息のかかった組織が先手を打って、国民が共有できる領有権問題

に眼を向けさせようとしているのだ。そもそも事件が起きて一ヶ月

以上も経て、既に多くの日本人が忘れ始めているのに、更には中国

の「若者」が民主化運動ではなく反日デモに集まるだろうか?学生

デモは民主化運動と決まっているではないか。それでも、もし中国

の学生が自主的にデモを企てたなら随分と時機を逸した行動である。

あれほどまでタイミングよく反日デモを企ててきた「若者」が、そ

れはそれで怪しいが、何と頓珍漢な時機を選んだのだろうか。日本

の一部の抗議行動に対抗してという報道もあったが、日本の抗議行

動も随分温い時機に行ったものだが、抗議行動はタイミングを逸し

たら何の効果もないからだが、彼等はひと月前の「反日」の看板を

劉暁波氏の開放を求める「民主化」に書き変えなければならなかっ

たのではないのか。もしかしたら中国当局は何らかの民主化運動の

動きを察知したのかもしれない。つまり、そのことから当局が如何

に「若者」の民主化運動に神経を尖らせているかが知れる。しかし、

それらの規制は明らかにバランスを欠いた抑圧である。経済が発展

して豊かになった国民が、規制されることや不正に対して不満を口

にするようになるのは当たり前のことで、貧しさは人を黙らせるが

豊かさは人を雄弁するのだ。中国はこの経済成長によって、事によ

ると北朝鮮よりも先に政権崩壊が起るのではないだろうか。そして

中国共産党の崩壊は北朝鮮の独裁政権の崩壊へと繋がるだろう。今

回の頓珍漢な反日デモによって民主化要求に対する中国当局の焦り

が透けて見えた。恐らく近々に本物の学生による民主化暴動が、つ

まり、第二の天安門事件が起ると思う。

                                  (菅)⑮


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「(菅)話放題」⑭

2010-10-03 05:23:03 | 「(菅)話放題」
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 日中間の尖閣諸島を巡る領有権問題は、振り返れば日中平和友好

条約(1978年)を締結した時点に於いて懸案として「棚上げ」し

てしまったことこそがそもそもの間違いだった。つまり、「過去に

於いても東シナ海に如何なる領土問題も存在しない」のであれば、

領土問題を先送りして「棚上げ」することなどなかったのだ。何れ

にしろ中国側は、「棚上げ」されたということは領土問題を二国間

で確認したと受け取った。或は、その時さえよければ難題を「先送

り」する日本人の習性を知っていてそうしたのかもしれない。つま

り、強権を背景に執拗に訴えれば日本側は、例えば沖縄の領有権だ

って問題として「棚上げ」してくれるかもしれない。ところが、「

棚上げ」を確認すると言う事は中国側の言い分を納得したことにな

り、延いては何れ日本側が忘れた頃にやをら棚から下されると問題

は捏造され歪められていたのだ。もしも、三十数年前に中国側が条

約交渉の過程でそのことを謀って日本側に「棚上げ」を持ち掛けた

としたならば、とても日本人の敵う相手ではないだろう。策略に長

けた彼等は未だに封建時代の駆け引きを近代にも弄しようとしてい

る。それはまるで徳川幕府や明治政府が行ったように、政治とは強

権によって支配することだと信じているかのようだ。しかし如何に

優れた人間であっても間違いを犯すものだ。もしも民主主義に利点

があるとすれば、それは政治の責任を権力者だけに預けない仕組み

ではないだろうか。そもそも民主主義とは権力者の過ちを改める為

に生まれた。我々は直ちに「棚上げ」した問題をテーブルに下ろし

て、何故なら再び「棚上げ」すれば間違いなく彼等の主張が増大す

るからだが、縦(よ)しんば、日中「平和友好」条約が破棄されるに

至っても中国側の理不尽な要求を拒わねばならない。

 ただ、私は中国が今後も経済発展を続けて例えば世界秩序を構築

するような国家になるとは努々(ゆめゆめ)思えない。それは、かつ

て日本が欧米社会を真似て経済大国に成り上がっても世界からは「

エコノミックアニマル」と蔑まれた様に、経済力を背景に自国の論

理を押し付けていては強国と怖れられても国際社会の信頼を得る国

家になれないだろう。彼等は今まさに嘗ての大日本帝国を再現して

いるのだ。しかし、何れ豊かさ(自由)を求めて国民の不満が爆発し、

恐らく時流の速さから五年以内に国内紛争が起るだろうと思ってい

る。傍から見れば幸せそうにしている人も思いも由らない悩みに苦

しんでいることだってある。貧しさは不幸ではあるが豊かであれば

幸せであるというものではない。彼等が外へ向かって国力を誇示す

る裏には内に収まらない問題を抱えていると思っていいだろう。も

ちろん、どちらかと言うとそっちの方が日本にとって危機的ではあ

るが、と言うのは今度は反対に日本国内に彼等の満州国が生まれる

かもしれないからだが、ただ領土問題を曖昧にしておいて、新天地

を求めて流出してくる十三億分の何人かの不法占拠に対して、日本

政府が巧く対処できる訳がない。

 私が彼等に対して信頼を与えないのは、彼等の中に社会を代表す

る紳士的な人物や穏やかな人、或は「笑い」を理解する文化人が思

い浮かばないからかもしれない。つまり、公人ばかりが目立って個

人が全く思い浮かばないのだ。どうです、紳士的な中国人とか或は

風刺の効いた中国人のコメディアンとか想像出来ますか?

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「(菅)話放題」⑬

2010-09-29 01:58:51 | 「(菅)話放題」
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 石原東京都知事は「中国のやり方は暴力団と同じ」と言ったそうだ

が、それは逆で「暴力団のやり方が中国と同じ」なのだ。そもそも仁

侠道は支那から持ち込まれた「漢心」で「やまとごころ」にはなかっ

た。「道」というのは極めれば狭義に至りその厳粛主義(リゴリズム)

によって身分秩序を劃した。部下は過ちを犯すと簡単に誅戮(ちゅう

りく)されてしまい階級社会の下では人権などという考えは終ぞ生れ

ず封建(儒教)道徳は近代化を遅れさせてしまった。

 現在の中国はその権力が共産党指導者に集権した独裁国家である。

国民は政治に参加することはもとより批判することも許されない。反

政府主義者は忽ち粛清される。一方、海を隔てた日本では主権は国民

に在ると謂う。政治家とはただその主権者の代表に過ぎない民主主義

の国だと聞く。そこでは毎年何処かで選挙が行われ議員や首長、首相

までが民意によって選ばれる。それが中国共産党指導者にとって如何

にプレッシャーであるかは我々には想像が及ばないかもしれない。と

は言ってもこれまでは日本も自民党一党支配による長期政権で中国共

産党とはそれ程変らなかった。民主主義といっても政治はやはり権力

者が行っているではないか。ところが、今回初めて政権交代が起こっ

て中国国民は権力者が民衆の力で変えられることを羨ましく思ったに

違いない。それは同時に中国共産党にとって有り難くない出来事だっ

ただろう。ただ、民主党といっても小沢、鳩山なら世襲を引き継いだ

元自民党出身の政治家だが、菅直人とは権力批判によって国民の支持

を集めた政治家である。その菅政権によって日本の政治がさらに民主

化されることに危惧を念を抱いている。つまり、中国は菅政権を短期

に終わらせようとして更に政治圧力を強めてくるだろう。菅政権の安

定は中国国民の民主化要求を目覚めさせるからだ。確かに菅総理は昼

行灯のようで頼りないかもしれない。しかし、これまでの世襲総理は

一体何をしたというのか?国民はこれまでの政治を変えなければなら

ないと動いたのだ。もう少し経てば日も落ちて、行灯が役に立つ時が

くるかもしれないではないか。

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「(菅)話放題」⑫

2010-09-27 16:23:24 | 「(菅)話放題」
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 尖閣諸島を巡る日中間の領有権問題について、「那覇地検」が中国

人船長を処分保留のまま釈放するとの速報が流されて、私は、勝れて

政治的な問題が、表向きであるにせよ、一地方検察庁の判断で行われ

たことに憤りを覚えて直ぐにパソコンの前に向かってブログに打ち込

もうとしたが、ただ解せないのは、こんなことは社会科の授業で政治

を習う中学生でも職務権限の逸脱だと理解できることで、たとえ民主

党政権に実績がなかったとしてもこれまで野党として前政権を批判し

てその政治能力は国民に支持されたのだ。その程度のことは卑しくも

政治家であれば、否、政治家でなくとも、国民から非難されることは

解かっていた筈ではないか。実はもっと裏があるのではないかと憤り

を収めて色々勘繰ってみた。仮に、菅政権が中国の政治圧力に混乱し

たとしても、世間で謂われているように、政治判断を誤ったとは到底

思えなかった、態と政治判断を避けたのである。もし、検察に責任を

預けて政治判断を避けようとしたのであれば何をか謂わんや、早々に

民主党政権は崩壊するだろう。

 ただ、領土問題は拗(こじ)れると二国間の紛争にまで至る微妙な

問題である。日本も中国もそれだけは避けなければならない。今日、

仙石官房長官は「日本側は船長を釈放したのでボールは中国側にある」

らしき発言をした。この発言もよく理解出来ないが、つまり尖閣諸島

を巡る日中間の領有権争いは、先の日中平和友好条約(1978年)に

基づいて双方が棚上げすることに合意して政治問題化することを避け

てきたのだ。日本はそれに従って一漁民(これが曲者)の領海侵犯問題

を政治問題として扱わなかった。さて中国政府は日中条約を犯して島

の領有権を政治問題として棚下ろしするつもりですか?つまり、日本

側が弱腰外交と謂われる事を承知しながらも政治判断を避けた背景に

は、マスメディアは決して伝えないけれども、飽くまでも日中「平和

友好」条約を遵守しなければならなかった為ではないだろうか。そう

思って観ると多少は政府の対応が理解できるのではないだろうか。つ

まり中国側に、尖閣諸島の領土問題を政治問題にしたのは日本の方で

あるという口実を与えない為なのだ。 たとえば、日本政府が中国人

船長を起訴して有罪が確定すれば、尖閣諸島は日本の法律が及ぶ日本

の領土であると宣言したことになって、中国側にすれば日中条約で棚

上げされた問題が現実の政治問題化して、それは日本政府によってな

されたと訴えることだろう。そして日中条約を犯したのは日本政府の

方であると非難するに違いない。 

 日本政府は、日中条約に沿う限り中国政府はこれ以上尖閣諸島の領

有権を政治問題のすることはないだろうと踏んでいる。もし、中国側

が強権発動して尖閣諸島を実効支配するようなことがあれば、忽ち国

際条約違反で二国間の紛争問題になり、日本は同盟関係にあるアメリ

カに軍事援助を仰ぐことになる。そうなれば米中間の紛争に発展する

可能性すらある。恐らく中国もそれは望まないだろう。そして、その

ボールはいま中国側にある。

 平和外交とは強権的な相手の態度から捉えれば弱腰外交に映るかも

しれないが、ただ体面ばかり気にしていては思わぬ罠に落ちることだ

ってある。だって我が国は武力を背景にした強権外交など出来ないん

だから。                   

                            (菅)⑫


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