「本当にあった話」

2016-06-14 18:02:04 | インポート

       「本当にあった話」


 私は車で通勤していますが、一週間くらい前からオイルランプが点い

たり消えたりしていたので「オイル交換しなければいけないな」と思い

ながら、それでも早朝から夜遅くまで仕事に追われて帰る頃には何処の

スタンドも給油だけで整備は終わってしまっていた。たまたま昨日は仕

事が休みだったので車を買った整備会社へ行ったら昨日から三日間休み

だった。すでに車は十万キロ以上走っていて担当者からはエンジン内の

摩耗が激しく乗れても1、2年と言われていた。そのためオイル交換を

しても交換予定距離に到る前にオイルランプが点いて2ヶ月ほど走ると

交換しなければならなくなっていた。私は予定距離を信じて次の交換ま

ではまだ走れると思って点灯するオイルランプを信じなくなっていた。

用事を済ませてから久々に隣町の温泉に行こうと思って高速道路に乗っ

た。道は空いていたが一車線だけの道路だったので後続の車に煽られて

スピードを上げた。するとエンジンから異常な音がして多分エンジンが

焼け付いたんだと思った。その後は後続の車を避けるために何度も退避

所に寄せながらほうほうの体で出口に辿り着いて降りた。車はガガガガ

ガ―ッとけたたましい音を上げながら二度エンストした。一般道を異音

を上げながら走って閉店間際のオートバックスに駆け込んだ。店員から

エンジンオイルを入れてもらって一応異音は消えたが、「ずっと乗らな

いほうがいいですよ」と言われた。何とかその車で家まで辿り着いたが

あした職場へ行くための足がない。レンタカー店へ行ったがすでに閉ま

っていた。仕方がない、あした朝一番借りに来ようと思って歩いて帰っ

た。車がないと生活できない地方のレンタカー屋ほど商売にならないも

のはないのかもしれない。何故なら車のない家など無いからだ。大概の

家ではそれぞれが一台ずつ与えられている。車が故障しても家族の車が

あるのだ。私のように都市から移住してきた他所者にとっては一台の車

がライフラインを支えている。早速翌朝レンタカー店を訪ねたが何処も

商売っ気のない応答ばかりだった。「予約されてますか」だとか「予約

がない場合はクレジットでしか支払えません」とか。すでに朝の9時を

回っていて出勤時間はとうに過ぎていた。

「仕方ない、電車で行くしかないか」

とは言っても最寄りの駅から仕事場への道のりは優に5Kmはある。他

に交通手段はないので歩くしかない。会社に連絡して電車で行くと伝え

た。そしてパソコンで時刻表を確かめると何と早朝の時間帯を過ぎると

次は昼の12時まで便がなかった。

「こら、会社に着く頃は3時だな」

それでも顔を出した方がいいと思って12時前に家を出て駅に向かった

。駅に着いて切符を買い掲示板を見ていると12時19分発の電車が掲

示されてなかった。駅員に尋ねると「12時19分発の電車は臨時電車

で本日は運行されません」と言った。私はもう策を考じること諦めて家

に帰った。このどうしようもない憂さをブログに載せて晴らそうと思っ

てサイトを開けると、

「只今メンテナンスのため使用できません」

とあった。


                          (おわり)