「ザックばらん」―②

2014-06-15 23:54:32 | 「閑話放題」




       「ザックばらん」―②


 ザックジャパンの敗因は、これはマスメディアでもあまり取り上

げられていませんが、雨によって水が浮いたピッチコンディション

ではなかったかと思う。以前にも記したことがあったのですが(当

ブログ「ザックジャパン対ヨルダン」)、2013年3月26日のアウ

ェーでのヨルダン戦は、引き分けでもW杯出場が決まる試合だっ

たが1-2で負けてしまった。それに先立つホームの試合では6

-0で圧勝した相手だったにもかかわらず。その時私は、アンマ

ンの競技場のピッチコンディションの悪さが原因ではないかと記

しました。パスを繋いでいくサッカーはピッチ状態に大きく左右され

る。アンマンでの対ヨルダン戦は雨こそ降らなかったがピッチは最

悪だった。パスが思い通りに繋がらずに簡単に相手にボールを奪

われて、縦パス一本で反撃され失点した。細かいパスを繋いでいく

日本チームは自分たちのサッカーが出来なかった。今回のコートジ

ボアール戦でもコントロールミスやパスミスが多かった。一方のコー

トジボアールの得点は2点ともヘディングシュートだった。水の浮い

たピッチではグラウンダーのボールは水の抵抗を受けて思い通りに

扱えないしまた転がらない。パスをもらう選手が中途半端なパスを取

りに行くシーンが目立った。そんな状況の中で細かなパスを繋いで行

くと消耗もはげしい。当ブログ「ザックジャパン対ヨルダン」でも記しま

したが、状況に応じて戦術を変えなければならなかったのに、たとえ

ばロングボールを多用するとか、ところが「『自分たちのサッカーをす

ること』が出来ないピッチコンディションにも拘らず、『自分たちのサッ

カーをすること』に拘った」(当ブログ「ザックジャパン対ヨルダン」より)

去年のアウェーでのヨルダン戦の蹉跌をまたしても繰り返してしまった。


                                 (おわり)


「ザックばらん」

2014-06-14 16:59:12 | 「閑話放題」

         「ザックばらん」


 W杯ブラジル大会、スペイン対オランダ戦(1-5)をテレビで観

終わって、すぐ横になり、今しがた起きてパソコンの前に座ってい

ます。ここで試合を振り返るつもりはありませんが、ただ、ファン

・ペルシ―のダイビングヘッドは実に美しかった。試合中に思い出

したのは、ソチ五輪のスピードスケートでオランダ勢がメダルを独占

したことだった。それと繋がりがあるのかどうかは判らないが、ス

ペインチームに得意のパスワークをさせなかったフィジカルの強さ

に驚かされた。スペインGKカシージャスがうな垂れて目を押さえ

る映像は、日本のスピードスケート陣がソチで茫然としていた姿と

重なった。

 それに先立つ開幕戦の主役はブラジルチームでもクロアチアチー

ムでもなく、「チーム西村」だった。1対1の勝負の行方は予測し

がたいほどの拮抗したゲーム展開で、クロアチアゴール前での笛を

聴いた時にはシュミレーションを取ったのかと勘違いしたほどで、

実際ディフェンダーの特別激しい衝突はなかったし、よもや勝敗を

決定づける追加点が主審の笛から生まれるなどとは考えられなか

った。内心恐れていたPKだと判った時は、「あーあ、やっちまった

!」と思い、まるで自分が犯した誤りのように感じて同じ日本人とし

て居た堪まれなかった。どう考えてもあの笛はゲームをブチ壊した

。否、彼こそがゲームメイカ―だった。自分がもしクロアチア人だっ

たらあの判定を認めることは耐えられないと思う。已むを得ないと

言う人は同じ日本人だからという理由で依姑贔屓しているしか

思えない。誰彼となく「どう思う?」と訊いてみて「正しかった」と答え

る人は十中八九保守的な人間に違いない。

 さて、あすの朝はいよいよ我がザックJAPANがコートジボア

ールと対戦するが、日本が1次リーグを2位通過するためにはどう

しても勝たなければならない一戦である。アメリカでの強化試合で

、出場を決めているコスタリカとの一戦は本戦前のケガを避けた戦

いだったのであまり参考にならなかったが、予選敗退しているザン

ビア戦は、解説者も頻りにW杯実戦並みのゲームだと叫んでいたが

、「足」加減なしの行き詰る攻防で日本選手も目が覚めたと思う。

コートジボアール戦はザンビア戦以上に厳しい戦いになると思う。

さいわい先にコロンビア対ギリシャ戦が行なわれるので展望が描け

るかもしれないが、負けてしまえば元も子もなくなる。スポーツ統

計学の第一人者である鳥越規央さんによるデータ解析による予測結

果では、

「日本が初戦で勝つ確率は45・6%で相手国コートジボワールは

34・6%、引き分けは19・8%。第2戦は日本がギリシャを大

きく上回り、第3戦はコロンビアが日本を大きく上回った。その結

果、日本は1次リーグを1位で突破する確率が14%、2位で突破

が42%となった。」とあり、1次リーグを突破する確率は56%

らしい。[http://www.nikkansports.com
           /brazil2014/news/f-sc-tp0-20140611-1315996.html]


  私は、この56%の確率は現実的な数字だと感心した。何よりも

下一桁の「6%」の数字が実に微妙で四捨五入すれば60%だが、

切り捨ててしまえば「ハーフ・ハーフ」になってしまう。まさに、私の

予想した展開と一致している。ただ、もう一つ想像していることを

打ち明ければ、相手陣に攻め込んでいる日本勢がパスボールを

カットされ縦一本でドログバに渡って一瞬のうちに失点してしまう

映像が頭から離れない。ちょうどオランダのロッペンがスペイン戦

で見せたような。マスコミは攻撃陣ばかり取り上げるが、勝利のカ

ギは日本の守備陣が握っていると思う。ガンバレにっぽん!

                                 (おわり)



「欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝戦を観て」

2014-05-25 11:00:57 | 「閑話放題」




        「欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝戦を観て」


 朝の5時すぎに目が覚めてテレビを点けるとCL決勝戦の模様が

中継されていた。レアル・マドリード対アトレチコ・マドリードの

CL史上初のダービーマッチらしい。初優勝を狙うアトレチコが1

―0で勝っていて残り時間は5分ほどしかなく、初優勝を確信した

アトレチコ・サポーターの熱狂的な声援が寝ぼけ頭まで覚めさせた

。ロスタイムに入って、誰もがそのまま試合終了のホイッスルが吹

かれるだろうと思っていたら、残り時間1分余りでレアルがコーナ

ーキックをものにして同点に追い着いた。試合はそのまま延長戦も

後半になって、レアル・マドリードが相手ディフェンスの、疲れに

よるものなのか、わずかなコントロールミスからボールを奪って駆

け上がり決勝点を決めて、4-1で10度目の栄冠に輝いた。

 さて、まもなく開催されるW杯ブラジル大会に出場するザック・

ジャパンのニュースが連日報道されているが、世界最強のCL決勝

戦を観ていてとても優勝など出来るわけがないと思った。パスの正

確さや速さ、ボールコントロールの巧みさ、ボールを持った者に対

するマークの的確さ、どれを取っても無駄がなかった。翻って、先

日まで行なわれていたJリーグの無駄の多い試合を思い浮かべると

とても敵わないと思った。もちろん、いまや海外で活躍する日本選

手も多くなったが、いまだ「個の力を高める」云々を言っているレ

ベルでしかない。しかし、日本代表に選ばれ能力の限界に達した選

手たちにいまさら個の力を伸ばせる余白など残っていないはずだ。

何が違うかと言うと何よりスピードだ。日本の選手はプレーするた

めにボールを止めるが、彼らはボールを止めないためにプレーして

いる。日本選手は重力の下でプレーしているが、彼らは、もちろん重

力の影響を受けているが、主に慣性の法則に従ってプレーしている。

パスをするにしろシュートを打つにしろ、いちいちボールを止めてから

でないとプレーできないJリーガーたちが優勝できるとは到底思えな

い。精々決勝トーナメントまで勝ち進めることができれば上出来だと

思う。

 そして今夜はナデシコがアジア杯をかけたオーストラリア決勝戦

があります。これまでの試合を観ていると、かつてW杯で優勝した

当時のナデシコらしいパスワークが姿を消して、中国戦を観て、ず

いぶん雑なサッカーをしているなと思いました。しかし、力対力の

戦いを挑めばナデシコはオーストラリアに敵わないでしょう。

                                  (おわり)




「コンフェデレーション杯 ザックジャパン対ブラジル戦」

2013-06-17 04:14:21 | 「閑話放題」




  「コンフェデレーション杯 ザックジャパン対ブラジル戦」


 最近のザックジャパンの戦いを観ていて、私は随分戦力が落ちて

るなあ、と思っていたので、いまさら「もしかして」などと期待せ

ずに観ていたので[0―3]で負けても何の感慨もなかったが、ただ、

気になったことは、それにしても肝心な時に日本選手はよくコケる

なあ、と思った。サッカーは足を使うスポーツなのでコケてしまえ

ば何もできない。もちろん、相手選手にコカされるからだが、それ

でも主審はファールを取らないことの方が多かった。世界で活躍す

るトップレベルの選手は、たとえば、ブラジルの選手はチャージさ

れてもまずコケない。そしてコカされた時は大概日本選手にファー

ルが宣告されていた。つまり、ファールに対する認識の違いが際立

っていた。途中からファールと認定されない転倒の数を日本とブラ

ジルで比べるために数えはじめたほどだった。その体力の差は歴

然としていた。競り合いで負けるとなるとマイボールを奪われる前に

パスワークで「かわそう」とする。そんなネガティブな苦し紛れのパス

がどれほどあっただろうか。つまり、パスワークは攻撃力があって始

めて効果を発揮することができるが、ただ「かわす」ためだけのパス

ワークは相手に恐怖感を与えない。今の日本代表に必要なのは相手

のディフェンスと競り勝つ突破力だ。ただ、競り勝つために耐久力を

鍛えろなんて言っても今さらの感が拭えない。たぶん、これまでパス回

しやフェイントばかりに凝って肝心のボールを奪われない体力づくりが

等閑(なおざり)になっていたに違いない。ボールを支配するには相手選

手を「かわすしかない」と思っているのかもしれないが、競り勝って奪わ

れないことの方がはるかに支配率は高い。つまり、足技による華麗なる

フェイントはボールコントロールの一つの奇策でしかない。野球で言うなら、

いくら巧妙にバンドを繋いで塁を進めてもホームに還す前にチェンジにな

ってしまうのだ。日本の選手は誰もがメッシのようなテクニカルプレーを目

指しているようだが、フッキのゴッツイ顔がアップになった時に何故か「弁

慶」を思い出した。すると軽快に走り回る香川眞司はさしずめ「牛若丸」だ。

ただ、京の五条の橋の上とはちがって、地球の裏側のブラジルのピッチ

の上では勝手が違った。ブラジルサッカーはこれまでのテクニカルサッ

カーからパワーとスピード重視にシフトしたのではないかと思った。彼な

ら纏わりつく相手ディフェンダーもボールと一緒にゴールに蹴り込むくらい

のパワーを持っているにちがいない。今や世界のサッカーはテクニカル

重視からパワー&スピードへ転換し始めているのではないだろうか。まず、

スピードとパワーを兼ね備えてないとテクニックが活きてこないからだ。ザ

ックジャパンはブラジルのテクニックよりも、スピードとパワーで負けた。


                                  (おわり)


「W杯アジア最終予選・ザックジャパン対豪州戦」

2013-06-04 13:27:51 | 「閑話放題」



    「W杯アジア最終予選・ザックジャパン対豪州戦」


 先日のキリン杯、対ブルガリア戦(0―2)でザックジャパンは何

とも不甲斐ない試合をしました。ただ、私はその不甲斐なさにこそ

何かが隠されているのではないかと思えてなりません。相手の得点

もすべてイージーミスから生まれたものでした。再び同じことが繰

り返されるとは、もちろん断言はできませんが、思えません。これ

まで見てきたザックジャパンの戦い方とは思えませんでした。では、

彼らは何故そんな不甲斐ない試合をしなければならなかったのでし

ょうか?それは、まさに今夜のオーストラリア戦に備えて「足」の内を

見せたくなかったからではないでしょうか。つまり、今夜の試合の

ために、戦力を曝け出してまで戦う試合ではなかったのではないか。

もちろんそんな結果を見てオーストラリアチームが油断するとは思

えませんが、と言うのは、彼らは勝たなければ予選突破が厳しくな

ってしまうので、何としても勝つための攻撃を仕掛けてくるでしょ

う。そこで、もしもザックジャパンが最初から引き分け(予選突破)

狙いで守り重視のサッカーをすれば、きっと相手を勢い付かせてそ

の狙いは外れるでしょう。つまり、勝敗のカギは前半15分の戦い

方にある。ただ、心配なのは対ヨルダン戦以来ザックジャパンの戦

力が落ちて来ているのではないかと思えてならないことです。

 オーストラリアチームはどうしても得点に拘るので、たぶん点の

取り合いになるのではないだろうか。

 予想、日本 [2―2] オーストラリア、引き分け。

 ところが、残念なことにちょうど仕事で試合が観れない!


                        (おわり)