「人はみんないつか死ぬ」

2022-08-28 10:51:23 | 「第三次世界大戦前夜」

    「人はみんないつか死ぬ」

 

 

 同居する高齢者が要介護4の寝たっきりになって、改めて人はみんな

いつかは死ぬんだと、「死」について考えさせられた。

 思い通りにならない身体から、遂には思いまでも萎えてしまった病人にと

って回復の見込みのない延命のための処置は生きていることの歓びよりも、

思い通りにならない絶望の連続に違いない。これまでは如何に生きるべきか

を問われた私にしても、すでに残された余命の方が短くなって、間もなく如

何に死すべきかが問われようとしている。もしも、死ぬことが避けられない

のであれば、切に「安楽に死にたい」(松田道雄 著 岩波書店)と願うばか

りである。 紙パンツを股間に纏って介護ベットに横たわる同居人を眺めて

いると、問題なのは、どう生きるかではなく、どう死ぬかではないかとさえ

思えてくる。自栽した評論家の故 西部氏や生前から安楽死を訴えていた作

家の故橋田壽賀子さんたちのように、たぶん、これからは安楽死、いや尊厳

死を求める声がますます大きくなるに違いない。もちろん、本人の意思が大

前提であることは言を俟たないが、高齢化社会の死に方として安楽死を認め

てもいいのではないだろうか。

 


「ついに世界が壊れ始めた」(4)

2022-08-24 05:35:26 | 「ついに世界が壊れ始めた」

                                              「ついに世界が壊れ始めた」

 

 

                                                                (4)

 

地球温暖化がもたらす最大の脅威は、農作物の不作によって起こる食糧危、

つまり「飢饉」である。

 以下のニュースは、すでに農作物の不作が伝えられているが、

地球温暖化は何も日本だけの事象ではないので、前回の記事

でも、すでに世界中から不作の予測が伝えられていると載せた。

 

地球温暖化、農作物70品目に深刻なダメージ 品質低下や収穫量減少 コメ、野菜、果物、豆類…食卓が脅かされる(47NEWS) - Yahoo!ニュース

 

農作物に限らず、多くの動物たちの生存を担っているのが植物である。

植物が育たない世界は動物たちのいない世界である。温暖化がもたらす植物

への影響は、なにも人間だけに限らず、全ての動物たちにとって

も生存の危機である。


「世界内存在」

2022-08-14 07:05:53 | 「ハイデガーへの回帰」

ハイデガーは、人間を「世界内存在」と呼んだが、「世界内存在」とは、

たとえば金魚鉢(globe )の中の金魚は、金魚鉢の外にも世界が広がっている

ことを知ったとしても、金魚鉢を飛び出して外の世界で生きて行くことは

できない。つまり金魚鉢の中の金魚はもちろん人間が手を加えなければなら

ないが、存在のすべてを金魚鉢に依存する

「金魚鉢ー内ー存在」ということになる。同様に、我々人間もまた地球

globe)を飛び出して宇宙へ出て行こうとするが、しかし生存を地球環境に

依存する人間は、宇宙を地球化することによって成し遂げようとする。

しかし、いかに宇宙を地球化したとしても、人間とは「地球環境ー内ー

存在」であることに何ら変わりはない。つまり、ただ金魚鉢を大きくしただ

のことである。

 同じ「世界ー内ー存在」であっても人間と金魚とでは世界との関わ

り方はまったく異なる。金魚の活動はすべて自然に還元される「自然

ー内ー活動」であるが、ところが、人間は高度な製作技術を獲得して、

自然を資料・材料にして人間中心主義の世界を新たに構築しようとする。

しかし、人間の手によって作られた製品は自然循環から取り残されて再生

されることはない。そればかりか、それらの技術から発生する膨大な量の地

球温暖化物質やそもそも自然界にはそんざいしないプラスチックゴミは、生

成の世界を破壊する。しかし、生成としての世界は、たとえば生物が泄した

糞尿は無数の微生物によって分解され、再び生物が摂取する養分へと生まれ

変わり、永劫回帰の循環を終わることなく繰り返す。しかし、われわれが作

る製品は非生成であって生成循環へ回帰しない。

つまり、我々が人間中心主義人間の下で作り出す製品は再び生成循環へ

回帰することはない。われわれが作るモノは生成には

そぐわないのだ。こうして、魚鉢の中に排泄された金魚の糞尿は、微生物に

よる分解が始まる前に金魚鉢全体が微生物の増殖に侵され再び金魚の養分

に回帰することはない。科学技術から作られた製品は永劫回帰する生成の世

界を妨げる。

                           (つづく)


 「ついに世界が壊れ始めた」(3)

2022-08-13 13:46:59 | 「ついに世界が壊れ始めた」

  「ついに世界が壊れ始めた」(3)

 

 ニュースが伝えるところによると、わが国だけではなく、世界中で干ばつ

や洪水の災害が相次いでいるという。

 

   *             *              *

 

    

干ばつ、世界で相次ぐ 農業への打撃が食糧供給リスクに(写真=ロイター)

 

【サンパウロ=外山尚之】世界各地で異常気象が頻発している。米国では大型ハリケーンが南部を襲い、ロッキー山脈の西側では干ばつが続く。渇水が深刻なブラジルでは穀物の収穫量予測を下方修正するなど農業への影響も出ている。豪雨被害に伴う欧州での収穫減やアフリカの水不足による不作も伝えられる。気候変動がもたらす自然災害が、世界の食糧供給のリスク要因となる。

米内務省開拓局は8月16日、主要河川の一つであるコロラド川の水不足を宣言し、流域のダムで2022年1月から取水制限を始めると発表した。冬場の降雪量が減少しており、水系全体の総貯水率は1年前の49%から40%に低下。フーバーダムの貯水率は1936年の完成以来、最も低い水準だという。

 

さらに

 

イングランドに干ばつ宣言 英、76年以降で最も乾燥(共同通信) - Yahoo!ニュース

 【ロンドン共同】英政府は12日、熱波と少雨に伴う水不足からイングランドの一部地域に「干ばつ」を宣言した。英気象庁によると、イングランドでは7月の降水量が1935年以来最も少なく、河川の水位が低下。英メディアによると、76年以降で最も乾燥した上半期となった地域もあった。  環境・食料・農村省などからなる「国家干ばつグループ」が12日、降雨量や河川流量などのデータを基に、イングランドの南部や東部などを「干ばつ状態」に位置付けることを決めた。干ばつ宣言により、庭の水やりや洗車など屋外での水の利用を制限する規制「ホースパイプ禁止」が導入される可能性がある。