「あほリズム」(121)~

2011-02-26 18:01:12 | アフォリズム(箴言)ではありません
                 「あほリズム」



                   (121)


「決断」は結果を招く。「結果」は誤りを伴う。

しかし、「誤り」を知ることは「決断」を躊躇うよりも

遥かに大きな成果を得たことにならないだろうか。


                   (122)


 過去を幾ら分析しても未来が見えてくるとは限らない。政治学者

や中東ウォッチャーが世界にはごまんと居る筈なのに、私の知る

限り、北アフリカで起きている市民革命の連鎖を予測した学者は

誰一人いなかった。(居たらゴメン!)




                   (123)


 火山の噴火であれ、大地震の発生であれ、たった一人の少年

の自殺が引き金になったイスラム諸国の市民革命であれ、実は、

我々は明日どうなるかなど全くわからないで生きているのだ。

 今、明日が見えなくて絶望に打ちひしがれて凹んでいる人々よ、

あなたの認識こそが正しいのだ。しかし、どうなるかわからないな

ら、絶望を打ちのめしてもう一度立ち上がることもできるのではな

いか。だって、どうなるかわからないんだよ。




                                  (つづく)


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「あほリズム」(116)~(120)

2011-02-19 16:26:55 | アフォリズム(箴言)ではありません
          「あほリズム」


           (116)



 今や世界は「内部崩壊」の時代を迎えようとしている。



           (117)


「内部崩壊」を避けようとして権力者は第三者を利用する。



           (118)


 誰もが菅政権は終わったと言うが、菅政権はすでに終わっていた

官僚政治を引き継いでしまったのだ。国民は官僚政治を変えて欲し

かったのに、何も変えられなかった。つまり、もっとも危惧していた

青島幸雄元東京都知事の二の舞を演じてしまった。



           (119)


 私事ですが、この頃眼が覚めると何時も吉永小百合の「寒い朝」

が頭の中に聴こえてきます。「北風吹きぬく 寒い朝も~」ってあの

歌です。ところで、吉永小百合さんって元気にされてらっしゃるんです

かね?ちょっと気になりました。

               「寒い朝」作詞:佐伯孝夫 作曲:吉田正



           


             (120)


 政治や経済の専門家たちが過去の誤りを量子力学的とも言えるほど

緻密な分析によって指摘した後に、

「それではこれからどうすればいいですか?」

と問われると、

「それはもう経済成長するしかありません」

などと、それこそ博打好きの兄ちゃんが言いそうなことをシャアシャア

と語っているのを聞くと、

「えっ!一体さっきの過去の分析は何だったの?」

と「ツッコミ」たくなる。

「そんなことはクマゼミでも言えるわい!だから、どうしたら経済成長

できるのか、それを聞いてんのじゃ!」

ああ、日本のインテリゲンチャというのはこの程度のものか?ただ解か

ったことは、過去の分析から未来が見えてくるという訳ではないのだ。



            (121)


 菅政権は制度改革によって国民の不満に応えようとしている。

しかし、国民はそれを扱う政治家や官僚を全く信じていない。

つまり、社会制度を改める前に自らを改めなければ国民は信用

しない。だから、社会制度改革の前に公務員改革を行うしかな

かった。ところが、彼にはそれを行えるはずがなかった。何故

なら、彼は国民の代表の前に公務員の代表だから。





                              (つづく)                           




               
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「あほリズム」(113)~(115)

2011-02-11 22:57:55 | アフォリズム(箴言)ではありません
                「あほリズム」

              
                 (113)


 孤独から逃れようとして社会に救いを求めても、恐らく更に厄介

な「社会の中の孤独」を知るだけだろう。

 何故なら、孤独とは自分自身のことだから。社会と緊密に繋が

っていても孤独は成り立つ。



                 (114)


 孤独から抜け出す唯一の方法は孤独と、従って自分自身と向き合

うことである。ほらっ、もうひとりの自分がいる。



                 (115)


 絶望の中にあって希望を求めることは絶望をさらに絶望的にする。

ただ、絶望から抜け出す唯一の方法は、他の希望を追い求めず、

今の絶望を希望に転換させるしかない。



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「結果が原因を創りだす」―4

2011-02-07 08:13:28 | 「パラダイムシフト」
         「結果が原因を創りだす」―4



「結果が原因を創りだす」と言われると、思わずそんな荒唐無稽な

と思うかもしれないが、我々は既に結果から原因を創りだしている

ことに気付かされる。「遅刻した原因は寝坊したから」という場合、

寝坊したという原因があったとしても遅刻するという結果になると

は限らない。遅刻するという結果が寝坊したという原因を創りだす

のだ。学生達は良い大学に入る為に一生懸命勉強する。しかし一生

懸命勉強したからといって良い大学に入れるとは限らない。つまり

「原因が結果を創りだす」とは限らない。そこで「結果から原因を

創りだ」そうとする。何故なら「結果は原因に先行する」からだ。

 量子力学が注目され始めた頃、思想界は実存主義が脚光を浴びて

いた。サルトルが語った「実存は本質に先行する」という言葉は

「結果が原因を創りだす」と何と類似しているのだろう。

(私は著書を読んでいないのでそんなことは当然書かれているのか

もしれませんが)

 柄谷行人氏の書評から引用すると「自然科学に生じたのと類似し

た事柄が、ほぼ同時期に、他の領域でも見いだされるという」のだ。

そして、「量子力学以前の物理学では、観察者を超えた、超越的な

視点あるいは超越的な何かが仮定されてきた。たとえば、相対性理

論も光速を一定と仮定することで成り立っている。ところが、量子

力学がもたらしたのは、そのような超越的視点がもはやないという

認識である。」

まさにこれは現象主義か、或は実存主義の思想ではないか!

(実は、あまり良くは知りません)

それは、量子力学を認識した観察者の視点で世界を見れば、超越的

(絶対的)な視点がもはやないというのだ。そして絶対的な視点がな

いということは、世界は観察者の視点に委ねられているということ

になる。つまり、「在る」とは観察者が認識するから[在る」ので

あって、観察者が居ない絶対世界というものは存在しないことにな

る。ただ、量子力学の視点でこの世界を見ることの是非はあると思

います。何故なら「超越的な視点はもはやないという認識である」

と言われているのですから、顕微鏡でこの世界を覗くことも適った

視点だとは言えないのではないでしょうか。

(わけが解からなくなってきたので、この辺で止めて「小説」に戻

ります)



                         (おわり)
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 「結果が原因を創りだす」―3

2011-02-06 16:06:39 | 「パラダイムシフト」
         「結果が原因を創りだす」―3



 たとえば、明治維新は坂本竜馬や高杉晋作など倒幕を推し進めた

人物が現れなくても、押し寄せる近代化への奔流は徳川幕府を終焉

へと追い遣っただろうか。開国を迫る欧米列強に対して近代国家と

して生まれ変わることは誰もが望む結果であった。だから倒幕の志

士が暗躍しなくても何れ徳川幕府は崩壊したのかもしれない。しか

し、その後の日本が侵略も受けず植民地化されることもなく近代国

家として樹立できたかというと甚だ疑問ではないでしょうか。ひと

つの結果は次の結果を創りだす為の原因に転じる。仮に、時代の流

れのまま武家社会が終わるという結果であったとすれば、果たして

新しい時代を創りだす機運がうまれただろうか?それはちょうど

「ベンジャミン革命」後のチュニジアがどうやって民主化を実現させ

るかを見ればいいのかもしれない。志士たちの志(こころざし)は「

新しい日本」という結果を創りだすための原因であった。そして彼

等が創りだそうとした国家が、ただ結果が創りだした国家とどれほ

ど異なったものであるか、それは近隣諸国が如何に欧米列強の縦

(ほしいまま)に振舞われたかを見ればわかるではないだろうか。


                                  (つづく)

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