「移民と土着民」

2020-08-30 23:49:42 | 従って、本来の「ブログ」

         「移民と土着民」

 

 体調の悪化から総理大臣を辞任する決断をした安倍総理に対して、

アメリカのトランプ大統領は「とても辛いことだと思う」と述べ、そ

の中で彼が、安倍総理が「日本のことをとても愛している」と言った

ことにすこし違和感を覚えた。そもそも土着民である日本人は敢えて

「日本を愛している」とも、また「日本が嫌いだ」とも、日本を祖国

として生まれ育ち、よその国で暮したことなどないほとんどの者は、

そのような客観的な感想を口にすることはまずない。それどころか、

われわれ土着の日本人は改まって「愛国心」について考えただけでも、

何かよそよそしさを禁じ得ない。たとえば、親子の関係でいえば、ど

ちらも愛を感じないわけがないが、われわれ日本人は決して「愛して

る」などと改まって言ったりはしない。「愛している」と言わなくて

も愛してるからで、言葉にするよりも事実が優先される。日本人は客

観的な愛国心などという言葉によって「この国を愛している」わけで

はない。つまり、愛を実感している者は敢えてその感情を口にしたり

はしない。

 ところが、トランプ大統領を始めほとんどのアメリカ国民は、それ

ぞれの祖国を離れて新天地アメリカへ移住してきた人々によって建国

された。そして、彼らは、敢えて「私はアメリカを愛している」と口

にしなければ国家アイデンティティーを失うのかもしれない、敢えて

声高に愛国心を叫ばなければ、血縁のない継子の不安に似た感情に襲

われるのかもしれない。だから事実はどうあれ言葉が優先される。つ

まり、彼の言葉には図らずもアメリカ移民の子孫としての「愛国心」

が窺えたのではないだろうか。

 ところで、今では移民の排斥政策を進めるトランプ大統領もそうだ

し、また、彼の支持者たちももちろん先祖代々からのアメリカの土着

民ではなく、排斥される前に移住した先住移民である。私には、移民

に反対する彼らが芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」の主人公 犍陀多(かん

だた)の姿に重なって見えてならない。

                        (おわり)


「あほリズム」(732)

2020-08-29 07:34:36 | アフォリズム(箴言)ではありません

         「あほリズム」

 

          (732)

 

 「成長の限界」とは「近代科学文明社会の限界」であり、

それは「ヒューマニズムの限界」にほかならない。

 「ヒューマニズムの限界」とは当然人権軽視の好ましから

ざる事態だが、すでにその兆候は表れ始めてる。つまり、

優生思想による障害者差別、ジェンダー差別、異民族差別、

等々。もっと分りやすく言うと「お前ら、邪魔だ」という

感情。

 

           (733)

 

 かかる限界に達した世界において、政治が無力であるのは、

政治は国民を減らす術を持たないからだ。そこで、次の戦争は

その原因はどうであれ、増えすぎた人間を減らすための戦争に

なるに違いない。何故なら、人間とは国家の大義のためなら〈

唯一〉進んで命を投げ出す生物であるからだ。そして、その戦

争は未曾有(みぞう)の無差別大量殺戮が実行されるに違いない。

 

           (734)

 

 つまり政治が、固定化した世界を動かし得る術があるとすれば、

それは唯一戦争によるしかない。


「あほリズム」(731)

2020-08-28 09:31:50 | アフォリズム(箴言)ではありません

         「あほリズム」

 

          (731)

 

  ハイデガーによれば、「現存在は現存在であるかぎり、すでに

負い目あるものである」と言います。つまり、何も存在しない沈

黙の世界を破って、存在するということ自体が負い目だと言うの

です。そして、その負い目こそがわれわれを何ものかに駆り立て

るのです。

 

           (732)

 

「良心は世界=内=存在の不気味さの中から関心が叫ぶ叫び声であ

り、現存在をひとごとでない負い目ある存在可能へ呼び起こす呼び

かけである。」(ハイデガー著「存在と時間」第59節 良心の実

存論的解釈と、通俗的な良心解意)

 

 


「あほリズム」(727)~(730)

2020-08-28 06:49:06 | アフォリズム(箴言)ではありません

        「あほリズム」

 

         (727)

 

 アカン、やっぱりこの行き詰まりは政治じゃどうすることもできん。

つまり、在るものよりもわれわれが欲するものの方が多すぎるからか、

それとも、人が多すぎるか。

 

         (728)

 

 中国やアメリカで行なわれている異民族虐待は、さながら「バトル・

ロワイヤル」の世界を彷彿とさせる。つまり生きためには殺るしかない。

「倍返しだ!」

 

          (729)

 

 国内の混乱を鎮めるには敵を他国に求めるしかない。

 こうして第三次世界大戦の口火は切られました。その目的は

人口の削減です。

          (730)

 

 世界の人口はすでに77億人を超えて、2030年には85億人

(10%増)へ増えることが予想されています。(国連による最新の世界

人口の推計と予測を提示する世界人口推計2019年版)

 人間が増えすぎて間もなく地球の定員(100億と言われている)を

越えようとしています。こんなことはかつて人類史上一度もなかった

ことではないか。


「あほリズム」(726)

2020-08-26 18:18:48 | アフォリズム(箴言)ではありません

         「あほリズム」

 

          (726)

 

 政権政党の後塵を拝することに甘んじて与党の政策を批判する

とでしか存在意義を見い出せない野党は、なぜ自ら独自の政

を訴えて政治の主導権を奪い取ろうと思わないのか?もはや彼ら

は後塵を拝することの安楽さに慣れてしまって政権を担う気概す

ら失ってしまったのだろうか?しかし、いまのまでは自民党の

過ちを糺すだけの補完政党でしかない。