「あほリズム」 (387)

2018-02-15 01:23:04 | アフォリズム(箴言)ではありません

 

          「あほリズム」


           (387)

 ものを売るためにはその価値を認める買う人がいなければならな

い。商売なら買う人の意向に添って売れるものを作ろうとするだろ

う。が、こと芸術においては買う人の意向を訊いていては自分の個

性が歪められてしまう。だから芸術家はまず誰もいないところで自

分の個性と向き合って自分の作品を創作しなければならない。作品

の価値を他者が認めてくれるかどうかは他者に委ねるしかない。

まり、見る前に跳ばなくてはならない。しかし情報化社会の中で自

分の個性と向き合うことは至難の作業に違いない。それにしても今

やアーチスト(このことば嫌い)はあまりにも売らんがために周りに

振り回され過ぎて、どれもこれも似たようなものばかりではないか

。これは以前にも記したことがあるが、画家ルオ―はこう言った、

「他人に教えられて成功するよりも、自分のやり方で失敗する方が

ましだ」と。芸術家は斯くなる覚悟で自らの独創性に拘らねばなら

ないと思う。

(自分自身のための覚書として)

 

             (388)

 すべての創作者にとって一縷の希望は、人々はすでにあるもので

はないものを欲しているということである。