10/17、東京文化会館で上演されたもの、アルノー・ベルナール演出によるが舞台は黒と白のモノクロ、
実に簡素だ、舞台道具はイスとソファーのみといって過言でない、衣装は現代と同じ、従って派手さは
なく「椿姫」から想像されるあでやかさはほとんど感じられない、よって歌手の動作演技と歌唱力とに
頼るほかない、しかしながらオーケストラはよかった、ヴィオレッタのアンナ・サムイル、高音から低
音までバランスよいソプラノ、特に弱音が際立っていて弱り陰ってゆくヴィオレッタの心情までも表現
していて素晴らしかった、アルフレードのルキアーノ・マストロは伸びのあるテノール、ジェルモンの
ミゲランジェロ・カヴァルカンティのバリトン、迫力ある語り掛ける魅力があふれていた、第3幕の臨終
の場面、ヴィオレッタが死の淵から最期に再び力みなぎったと感極まる、そして終に息絶える、この臨終
場面は全くその通りに死に逝くものは通過するのだろう、最後にはアルフレードの愛を確認でき父ジェル
モンと和解できて彼女は死ぬ、従ってこのドラマ演出は通常は悲劇といわれるがハッピー・エンド(喜劇)
ではなかろうかと思った
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