(童話)万華響の日々

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オペラ映画 ナブッコ

2014-07-16 10:57:02 | 演劇・コンサート

オペラ映画 ナブッコ
評価 ★★★★★

ヴェルディの3作目のオペラ、4幕もので演奏時間は2時間10分である、彼にとって初めての成功作であった

原作は旧約聖書の”バビロン補囚”新バビロニアの王ネブカドネザル(ナブッコ)により、エルサレムからバビロンへユダヤ人が強制移住させられた事件に基づく、

ナブッコは軍を率いてエルサレムに攻め込む、エルサレムの大司祭ザッカリアは人質にしておいたナブッコの次女フェネーナを盾とする、しかしヘブライ王の甥イズマエーレはフェネーナを愛していたのでザッカリアの作戦は失敗に終わりバビロニアが勝利する、

一方、ナブッコの長女アビガエッレは自分の母が奴隷女であったため王位継承権がないことを知り、父ナブッコへの復讐を誓う、

そのときナブッコは戦いの勝利に酔いしれ自らを神と称するが、その不遜ゆえに天罰の稲妻に撃たれ精神錯乱に陥る、アビガイッレはこの機に乗じて王座に座る、彼女は異母妹フェネーナをも憎み妹を処刑する文書に署名せよとナブッコに迫る、ナブッコはわれ知らず押印してしまう

第3幕第2場でヘブライ人たちが祖国への想いを歌う、
これが有名な合唱曲「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」である、

ヘブライ人たちが処刑される寸前、正気を取り戻したナブッコはバビロニアの神がみを奉った祭壇の偶像を破壊せよと命ずる、偶像は独りでに崩壊し、ナブッコはエホバの神を讃え、ユダヤ人(ヘブライ人)の釈放と祖国への帰還を宣言する、アビガイッレは服毒し、赦しを請いつつ死ぬ。

バビロニアの王が補囚していたブライ人の神に導かれ偶像礼拝から真の神に目覚め自分が救われたのみならず、ヘブライ人たちに自由を与えたという、

現代最高のヴェルディ・バリトン歌手レオ・ヌッチの歌唱力と表現力に魅せられた、彼の顔つきや姿かたちがヴェルディ悲劇の主人公にまさにぴったりなのである、

また同じく アビガイッレ役のディミトラ・テオドッシュのドラマテイック・ソプラノは強声から繊細な弱声まで幅広く演出力が圧倒的であり、ギリシャ出身の伝説的名ソプラノのマリア・カラスの再来かと思わせる

作曲 ジュゼッペ・ヴェルディ
キャスト;レオ・ヌッチ ナブッコ
ディミトラ・テオドッシュ アビガイッレ
ジュルジュ・スリアン ザッカリア
ブルーノ・リベイロ イズマエーレ
アンア・マリア・キウーリ フェネーナ

指揮:ミケーレ・マリオッティ
演奏:パルマ王立歌劇場管弦楽団、合唱団
演出:ダニエレ・アッパード
パルマ王立歌劇場 2009年

2014.7.5.銀座ブロッサムホール


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