もう40年以上前に制作された映画「ラ・マンチャの男」でピーター・オトゥール演ずる
ドン・キホーテ、ソフィア・ローレン演ずるアルドンサを味わった、あのとき聴いた
『見果てぬ夢(The Impossible Dream)』はずっと忘れらえなかった、実にロマン
溢れる豊かなメロディーだと思った、今回は松本幸四郎のドン・キホーテ日本語版を
生でみられる機会を逃すべきではないと感じて帝劇まで観に行ったものです、
宗教裁判で思想犯として牢獄にサンチョ・パンサと共に連れてこられ、そこにいた囚人
たちに自分は何のためにここへ連れ込まれたかを獄中劇として演じてみせる、語り
終った時には囚人たちはドン・キホーテの何かロマンに魅せられ彼を激励して裁判に
向かわせたのであった、
やっぱり『見果てぬ夢』は良かった、かつて聴いたとおりの魅力は失せていなかった、
それどころかますます引き寄せられる、ドン・キホーテの憧れは過去の荒唐無稽の
騎士道であったがその心は未来への憧れでありまぼろしである、ドン・キホーテはある
意味でバカであり、世間から浮いており、でくの棒であり、妄想家であり、幻に生きてい
るものである、そういう人間がいたっていいじゃないか、今の世の中にはせめて心の
中に何ぼかだけでもドン・キホーテが生きている人間がいたっていいじゃないか、
そう感じます、セルバンテスでさえドン・キホーテを気のふれた人間、いまでいう認知症
老人あつかいしたのであるが、現代に至ってこれほど大勢の人から愛されるとは思っ
ていなかったろう
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