一著者の作品に魅せられると次々に手に取りたくなる。この「乾山晩愁」は彼の処女作で、しかも歴史文学賞を受賞した。華やかに活躍した尾形光琳を兄に持ち、ひたすらその影に甘んじた陶工の弟乾山を描いている。尾形光琳が赤穂浪士討ち入りの資金を調達したのでは?とか、討ち入りの赤穂浪士たちの装束は凝っていて、雪の夜黒小袖に白い布をつけた姿はとても映え黒と白の対比、それこそが光琳の好みであったとの推測は面白かった。MOA美術館が近いので何度も観ている「紅白梅図屏風」の川の流れは最近銀で描かれていた事がわかったのですが、あれは弟に言わせれば”女体”とか…。しかし光のまわりにやわらかな色彩の温かみとふくらみの存在があって光をささえているのが影…これが著者のどの本にも存在する哲学だと思う。
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