Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

存在の美しい哀しみ 小池真理子(文藝春秋)

2021-05-08 11:31:04 | 読書

夫、藤田宣永を昨年亡くして朝日新聞に”月夜の森の梟”と題して、事あるごとに彼のいない虚しさ悲しさ、最も深い”grief"を味わっている毎日を書いています。20年前の私と同じ”grief",5年間は続きました。歳を重ねるにしたがって夫に代えられるものはこの世界にないとつくづく感じる。彼女はお医者さんに「そうしてづっと真理子劇場を続けなさい」と面白い事を言われた…と書いていますが泣いたり笑ったり、時には怒ったり…と思い出劇場は続くのです。                異父兄のチェロ奏者の芹沢聡を訪ねてプラハへ飛ぶ後藤榛名は母が亡くなったことを知らせたくて…。に始まり最後はウィーンが舞台、プラハもウィーンも街角が良く解り、それだけで楽しかった。余分な話も多かったが最後読み終わり、理解出来たと言う感じ。すみれの砂糖菓子は私の冷蔵庫にまだある!?。小池さんの”妻の女友達”や”会いたかった人”など軽妙洒脱でミステリーの圧巻だと思う。