辻井伸行がサンクトペテルブルグの”白夜の星音楽祭”に招待され、チャイコフスキーの息吹に触れた数日を昨夜BSフジTVで観た。胸に迫るものがあり感激し涙がこみあげた。美術館、博物館やバレエの舞台に接しロシアを学び、チャイコフスキーの精神を理解して如何に演奏するかを”四感”で察知する…その感性の鋭さは実に素晴らしいと思った。チャイコフスキー晩年の家(博物館になっている)ではチャイコフスキーの愛用のピアノで即興の曲を弾いてチャイコフスキーに捧げた。博物館のあるクリン(ロシア郊外)の風と香りをいっぱいに感じる彼の純粋な気持ちが表れた優しい曲。マリンスキー劇場でのチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第一番」の演奏は,勿論ロシアの聴衆の心を虜にした。辻井伸行とチャイコフスキー、そしてロシアに(2010年に行った)私の身も心も深く沈んだ二時間、しばし立ち上がる事が出来なかった。(写真はTVより撮ったもの)