”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

なぜ、生鮮食品の機能性が広まらないの?

2018-02-13 17:36:04 | 果物

今日は、野菜ソムリエ協会名古屋支社が開催する

「あなたの知らない機能性みかんの舞台裏~静岡みかんの取組み~」

に出席させていただきました。

  

静岡県経済連 みかん園芸部 萩原様のお話を伺いました。

  

 

機能性表示食品制度は2015年の4月に始まりました。

そして、その年の11月 静岡県の三ケ日みかんが

生鮮食品としては初めてその認定を受けました。

 

その機能性表示内容は

「β‐クリプトキサンチンは骨代謝のはたらきを助けることにより、

 骨の健康維持に役立つことが報告されています。」

  

さて、あれから丸2年が経ちました。

現在、機能性表示食品に認定されているものは1110件。

そのうち、生鮮食品はわずか9件。

しかし、9件とは言っても、その内容はみかんともやしだけ。

そして、みかんの中で認定を受けたものは、

三ケ日みかんに加えて、「とぴあ浜松」、「清水」、「南駿」、「広島」の5件で

「広島」以外は、すべて静岡県のみかんということになります。

  

どうして、生鮮品の機能性表示は広まらないのでしょうか?

その理由をまとめてみます。

 

●届け出が大変

 トクホのように莫大な時間とお金がかかるわけではありませんが、

 認定を受けるためには、多くの書類を準備しなければなりません。

 その中でも特に大変なのが、SR(システマティックレビュー)の提出。

 いくつかの論文を調査し、データの偏りがないように

 分析を行わなければなりませんが、

 これは研究機関や大学の先生にお願いして作成してもらいます。

 必要書類の中でも、このSRに時間を要します。

  

 

●生鮮食品は、機能性をアピールして販売しにくい。

 サプリメントや飲料は、機能性成分を添加することで一定量を表示できますが、

 野菜や果物は、採れる時期によって成分にばらつきが出ます。

 つまり、「〇〇を▲▲mg含んでいます。」と言った表示がしにくいわけです。

 

 

●容器包装にもルールが!!

 機能性表示食品として販売できるのは、届出済の容器包装のみ。

 

つまりこういうことです。

この箱は届出済なので、

この箱に入った三ケ日みかんは、機能性表示食品として販売できます。

  

 

この箱から出して、小分けして売る場合、

このポリ袋なら、機能性表示食品として売ることができます。

 

このスタンドパックでも、機能性表示食品として売ることはできます。

  

 

しかし、同じ箱から出したみかんでも、このネットに入れて売ったら、

機能性表示食品とは認められません。

なぜならば、このネットは届出をしていないからです。

  

どのみかんにも、β‐クリプトキサンチンは含まれていて、

骨の健康維持に役立つのに、容器が違うだけで機能性表示食品にはならず、

「普通のみかん」になってしまう・・・。

なんか、おかしいですよね。

   

おまけに、小売店はこの「特別な容器」をわざわざお金を払って

購入しなければならないのです。

 

こんないくつもの「関所」があるため、

生鮮食品の機能性表示はなかなか広まらないのです。

 

でも、静岡県のみかん産地に加えて、広島県が手を挙げてくれたのは

大切な「一歩」のように思えます。

これがきっかけで、みかんの消費量が増えると良いと願っています。

 

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベーコン作り

2018-02-12 13:49:18 | 食・レシピ

夫がベーコンを作りました。

1.豚バラ肉のかたまりを、塩、ブラックペッパー、ジュニパーベリー、

 オールスパイス、ローリエ、シナモン、そして砂糖少々に

 3日間漬け込みます。

  

  

2.1時間流水にさらし、塩抜きします。

   

3.水分をふき取り、干し網で2時間干します。

  

これは、梅の木に吊るして干しています。

  

  

4.桜のチップとヒッコリーのスモークウッドでスモークします。

  

   

5.60℃に保ち、5時間かけてスモークすると、こんな感じに。

  

  

出来上がり~♪ ヽ(^o^)丿

  

 

さあ、どんなふうに食べましょうか? (#^.^#)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本農業賞を受賞したトマト圃場見学

2018-02-11 09:45:59 | 野菜

静岡県が主催する「食農体験学習指導者養成講座」に参加しました。

全3回のコースですが、私が参加できるのはこの1回だけ・・・。(?_?)

  

講師は、「農山漁村ときめき女性」のお仲間でもある、

掛川のトマト生産者、渡辺晴美さん。

幼稚園での食育活動、給食センターへのトマト納入の取り組みなど

パワフルな活動事例をご紹介くださいました。

  

  

幼稚園児の中には、トマトが苦手な子もいました。

その子が、渡辺さんの作るトマトジャムをきっかけに、

トマトが食べられるようになったそうです。

こちらは、渡辺農園の大玉トマト(桃太郎)と渡辺さんの手作りジャム。

トマトの酸味がうまく抑えられたジャム。

これなら、トマト嫌いも克服できるかもしれません。

バスで移動して、渡辺さんのトマト圃場見学。

養液栽培が行われています。

  

  

根元とココヤシ培土を見せながら、

養液栽培についてお話してくださいました。

  

  

緑色のタンクに養液が入っています。

これで1日分だそうです。

驚きですね。(@_@。

   

 

このハウスには、温度、湿度、二酸化炭素などを

作物のに生育に適した状態に制御するシステムが導入されています。

そして、トマトの樹を高く立て、受光をよくするために、

ハイワイヤー栽培が行われています。

高所の作業を効率的に行うために、レールが敷かれているのがわかりますか?

成長したつるを留める作業をしているのは、マレーシアからの研修生さん。

今月には、お帰りになるそうです。

  

 

この日の午前中に収穫されたトマトです。

  

 

実は、渡辺さんの圃場に伺うのは2回目。

でも、何度伺っても、新たな疑問が沸いてきて・・・。

今度は、8月の定植の時期に伺いたいと密かに思っているところです。

 

渡辺さん、ありがとうございました。(#^.^#)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サジーって知ってました?

2018-02-10 10:18:30 | 果物

昨日は、こちらに伺いました。

   

 

食品資源利用学研究室2の卒論発表会にお招きいただきました。

キヌア、昆布、お茶、未知なる果物の研究があったので、

後ろの席でひっそりと聴くつもりで参加したら、

なんと「来賓」という立場であることが判明・・・。(^-^;

本物の来賓の立派な先生方の中に、

単なる田舎のおばちゃんが交じってしまいました。

  

でも、大変興味のある果実に出逢えました。

と言っても、スライドで拝見しただけで、

生の果実は、もちろん、検疫の関係で入手することはできません。

  

それは、サジーという果実です。

大切な論文ですから、

この説明の部分だけ拝借しました。

   

そして、このサジーのジュース、冷凍果実、乾燥果実の

ビタミンC、ポリフェノール、抗酸化力を分析したものを見せていただきました。

たしかに、健康効果が期待できるすごい果実です。

  

で、私はこのサジー、初めて聞いたものですから、

帰りの新幹線の中で調べまくりました。

そうしたら、モデルの平子理沙さんが、このジュースを飲んでいるとか・・・。

  

こういう人が使い始めると、「スーパーフード」とか言われるんですよね。

きっと・・・。

 

そして、さらに驚くことにこんな協会まで。

日本サジー協会ですって!!

こちらのHPをご覧いただくと、果実の様子とかもよくわかります。

  

スーパーフードって、

「少しのエネルギーで、できるだけ多くの栄養素を含む食品」。

でも、その土地では何世紀にもわたって人々の健康に寄与してきた食品。

 

サジーもモンゴルやチベットで大切に食べ続けられてきたのでしょう。

素晴らしい研究の成果を見せていただいたことに感謝すると同時に、

その長い「食歴」を「スーパーフード」という

妙にキラキラ軽く響く言葉で扱う変なブームは来てほしくないと

思うのでありました。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サカタのタネ見学 つるおろしって

2018-02-09 00:10:40 | 野菜

サカタのタネ見学レポートの第2弾です。

 

きゅうりの温室を見学しました。

すると、きゅうりの根元が見たこともないような状態になっていました。

これは、つるおろし栽培と言うそうで、

下ろしたつるは根元でまとめられています。

    

こちらが、普通の栽培法のきゅうりです。

根元につるは降りていませんね。

  

 

つるおろし栽培を行うメリットは、

 ●外観がすっきりする。

 ●いつも同じ位置に実が付くようになる。

 ●毎日少しずつ、長い間収穫できる。

 

ということは、きゅうりに毎日追われることが無くなるのですね。

我が家は、庭の花壇のようなところに、

きゅうりの苗を2本植えただけでしたが、

それでも、夏の間は毎日、きゅうりを食べ続けました。

  

これが、つるおろし栽培でできたきゅうり(フリーダム)です。

  

 

我が家の小さな花壇菜園でもできるのかな?

今年の夏、挑戦してみます。(^_-)-☆


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする