”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

見える八百屋、見えない八百屋

2016-01-11 11:08:20 | ブログ

袋井市で講座やイベントをやらせていただく際、

必要な食材は、その担当となる課が契約している店舗で購入します。

しかし、その場合、目の前でお金が動くわけではなく、

後ほど、請求書がその課に送られてきます。

つまり、「ツケ」の効くところで買う・・・という形になります。

  

あれは、2002年~2004年の頃だったと思いますが、

袋井市で、サッカーワールドカップ、国体、

わかふじ大会(障害者スポーツ大会)などが次々に開かれ、

市のイベントに協力することが多々ありました。

 

その時、食材を購入するお店は決まっていました。

昔は、にぎやかな商店街だったことを思わせる通りにある

小さな八百屋さんでした。

  

初めてそのお店に注文に伺ったのは、真冬の寒い日でした。

入口付近には、段ボールの箱がたくさん置かれ、

野菜が見えていましたが、

それが、陳列前のものなのか、どこかに配達されるものなのか、

それとも廃棄されるものなのか、

区別がつかないほど乱雑に置かれていました。

  

注文も、お店の方がひとつひとつ手書きで記入していくので、

とにかく時間がかかり、

冷え込んだ店内でガタガタ震えながら、

注文をしたことを覚えています。

  

市とも契約していて、

さらに学校給食にも納品しているというその八百屋さん。

それなら、

「なぜ、FAXだけじゃなくて、パソコンを入れないのかしら?」

「お店を改装しないのかしら?」

「後継者がいないから、設備を新しくしないのかしら?」

と、その時は不思議に思ったものです。

 

  

やがて、時は流れ・・・。

ここ数年、そのお店の名前を聞かなくなりました。

市が契約している店舗も、大型スーパーが増えました。

てっきり、閉店してしまったと思い込んでいたら・・・。

  

先日、市の担当者の方から、

「注文した食材のうち、ドライトマトだけがないと

 ●●屋さんから連絡が入りました。」

と、メールが届きました。

  

そこには、あの小さな八百屋さんの店名が書かれていました。

  

なつかしくなって、お店の近くまで行ってみると、

まだ営業していらっしゃいました。(*^_^*)

お店の写真は、控えさせていただきますが、

10数年前よりも周りの店舗数は減っています。

 

 

  

 

 

【この街灯がにぎやかな商店街だったことを想像させます】

  

 

町の八百屋さんが、次々に姿を消していく中、

店先は閉めても、業者への流通は行っている八百屋さんもいる

という話を聞いたことがあります。

  

そんな「見えない八百屋さん」と違って、

ちゃんと「見える八百屋さん」として残っていてくれた

そのお店の存在をとてもうれしく思いました。

  

外から様子を伺うと、

店番をしていたのは、

10数年前に手書きで注文票を書いていた女性ではなく、

もっと若い人でした。

お嬢さんでしょうか?

 

後継者は、いらしたのですね。 (*^_^*)

 

コメント
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