旬刊・上原直彦 「浮世真ん中」の内『おきなわ日々記』」アーカイブ版

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「おきなわ日々記」12月10日用

2012-12-10 00:10:00 | ノンジャンル
※選挙・投票・札入り
 「選挙ほど面白いショーはない」。
 ちょいと不謹慎だが、いつのころから選挙はショーなみに受け取られている。
 立候補者がいて、それぞれの[公約][マニフェスト]やらを口角泡を飛ばして力説する選挙演説からして、説得力がなく滑稽にさえ見聞できるのだから、ショー的と受け取られても仕方がなかろう。ショーとなれば、誰がトップで永田町へゴールインするか。競馬並の楽しみがあるのも確かである。
 投票。
 投票用紙は1枚の[札]であるところから、沖縄では投票を[札入り=ふだいり]と言ってきた。もっとも、最近では死語になりつつあるが・・・・。
 札入りがあるたびに、違反票があったりして、ことの真実を明かしてみれば、これまた、大人の発想とも思えない幼稚なショーが見えてくる。選挙には、大枚の金が動く。そこには、言葉通り「砂糖にたかる蟻」のように利権屋が蠢く。逮捕されなければよいが(よくないか・・・)、逮捕された人物が、それなりの人物であった場合、びっくりすると同時に、それ見たことかと失笑するよりほかはない。

 昭和7年=1932=。
 名護町〈現・市〉に「幽霊投票事件」が起きた。
 この年、行われた名護町議会議員選挙の際、有権者数2400をはるかに超える投票数があった。どうした手を使ったのかは不明だが当然、異議が申し立てられ、やり直し選挙・札入りが行われた。結果、投票数は300余減っていた。画策した関係者が裁判にかけられ、処罰されたのは言うを待たない。
 このことは「名護町誌」に記載されている。

 沖縄初の県会議員選挙は、明治42年〈1909〉5月に行われた。
 議席数30.ただし、投票の資格を持つ者は720人の県下区町村の議会議員で、一般には投票権はなかった。当時、区制の那覇区〈現・市〉は定員3名。八重山郡は1名。この両区の例を見ると、那覇区の有権者は35名。八重山郡は16名。したがって、立候補者1名が10票前後取れば、確実に当選する仕組みになっていた。実際に、この年の第1回選挙では、那覇区の最高得票は9票。6票の候補者も当選している。
 では、どんな方々が立候補したか。
 当選したのは議員の内、16名が学校の校長上がりの教育者16名。銀行員7名。村長6名。ほか実業家、新聞記者、医師などだった。中央の政党との関係はまったくなく、その分、県民の意思による選挙だったと言えるが、それでも首里と那覇の勢力争いがあって、白熱した選挙戦だったという。
 
 「誰に投票するの」
 「誰に投票したの」
 選挙・札入りのたびに、交わされる我が家の会話。
 そう聞かれても、はっきりと名指しはしない。
 票をまとめる家族もあると聞くが、我が家では「自主投票」とモットーとしてきている。しかし、本音のところでは(女房奴、誰に投票したか)知りたい。そこで、言葉巧みに誘導尋問を掛けて聞き出そうとするのだが、敵の口は意外に固い。

 ◇読谷山焼陶器市
  期間:12/14~16日
  場所:読谷やちむんの里  読谷村座喜味2653-1

カヌチャリゾート スターダストファンタジア
  期間:2012/11/1~2013/2/14
  場所:カヌチャリゾート  名護市安部156-2

 ◇第7回 伊江島ハイビスカス祭り
期間:12/15~24日
場所:伊江島ハイビスカス園  伊江村 伊江島カントリークラブ隣

第14回 130万県民平和の光いとまんピースフルイルミネーション
期間:12/16~1/3
場所:糸満観光農園  糸満市摩文仁1018