ツトムさん家の写真日記。

写真いっぱいの楽しい日記です。(全面表示でご覧下さい)

第1074回 大岩学校 若山牧水 暮坂峠。

2017-10-18 12:00:00 | 旅行

2017 09 03(日)


大岩不動尊赤鳥居から県道を西に700mほど行くと道路左下に大岩学校校舎を見ることが出来ます。
茅葺寄棟屋根の木造の可愛い小さな学校。 東側にささやかな校庭があります。

子供たちの教育の重要性を考え、ここ大岩地区の人々が建設に協力し明治12年に完成した校舎です。
村人の手作業で苦労の末に山の斜面を切り開き、少しばかりの平地を造成してから建築したそうです。

茅葺屋根から下は腰板壁と漆喰を塗った西洋のハーフティンバー様式で建てられ、山奥の山間地まで明治期の文明開化に影響された和洋折衷の建物。

校舎の入口(玄関)には「牧水会館」と並んで「旧大岩学校」の表札。 「中之條町立 第二小学校」のときのも有ります。
「牧水会館」ですから有名な歌人・若山牧水の資料などが展示されているのでしょうか?(閉館でした)
  

玄関のガラス戸越しに見た廊下、障子戸の内は畳み敷きなのか板床なのか不明です。

現在、大岩学校はこの地域の集会場として使用されているそうです。

校庭の隅に建てられた若山牧水の歌碑。
「大岩村にて 大正十一年十月二十日 若山牧水 人過ぐと生徒等はみな走せ寄りて垣よりぞ見る学校の庭の われもまたかかりき村の学校にこの子等のごと通る人見き」。
 

大岩学校説明板。



沢渡温泉から大岩を経て花敷温泉への街道(県道55号線)途中の難所“暮坂峠”で若山牧水の詩碑を見物。


標高1088mの暮坂峠(群馬県中之条町)の斜面林間に建てられた牧水の詩碑、下には幾つかの石仏・石碑も見られます。
 
峠に立てられた標識には「暮坂峠 頂上 標高1086m」と記されています。(国土地理院の標高は1088m)

若山牧水の妻で歌人の若山喜志子が“若山牧水詩碑”を詠った短歌『碑の上に 刻まれて立つ 旅すがた 生きていまそこに 立つかと思ひし』。
  
1987年建立の若山牧水銅像は2016年7月9日夜盗まれました。
8月24日逮捕の犯人は藤沢市の坂庭 元と橘 明伸。
盗難の銅像は海外へ搬出されたので下朝鮮で国宝になっているかも・・・。

実際に詩碑の上に歌人・若山牧水銅像がありません!!
高さ3mの大きな詩碑の上に1.3mの若山牧水銅像が建てられていたはずだったのに・・・。


詩碑は1957年に建てられ、同時に詩碑上にコンクリート製の牧水像も造られましたが1987年に銅像に変更。
正面右上に銅像の台座を残すのみの寂しい姿の若山牧水詩碑
盗難の恐れがある銅像から石像に造り代え、今秋10月20日(金)に御披露目除幕式牧水祭を行うそうです。


若山牧水詩碑の文面は「枯野の旅 若山牧水 乾きたる落葉のなかに栗の実を湿めりたる 朽葉がしたに橡(とち)の実をとりどりに  拾ふともなく拾ひもちて 今日の山路を越えて来ぬ 長かりし今日の山路 楽しかりし今日の山路 残りたる紅葉は照りて 餌(え)に餓うる鷹もぞ啼ききし 上野(かみつけ)の草津の湯より 沢渡の湯に越ゆる路 名も寂し暮坂峠」。

詩碑の文面は黒御影石ですから幸いにも盗難に遭いませんでした。

なを、詩文碑の下に「上州の山川を深く愛した歌人・若山牧水は、大正十一年十月十九日、草津から小雨を経て沢渡に向かったが、途中花敷き温泉に下って一泊、翌二十日この峠を越えて、この名作を残した。」と記された石板がはめ込まれています。


若山牧水詩碑から見下ろす暮坂峠(県道55号)とガラス張りの洒落たカフェ・暮坂牧水茶屋(中之条町営)。
牧水茶屋の奥が広い無料駐車場、若山牧水詩碑を訪ねるには最適な環境です。


暮坂峠/五木ひろし



暮坂峠を越え花敷温泉・六合村(くにむら)への街道の両側に沢山の牧水歌碑が立てられています。

若山牧水のではありませんが、「暮坂旅情」(作詞 安原静祥 作曲 佐久間清詩)の歌碑。


日本ロマンティック街道(県道55号線)の道筋に立ち並ぶ『牧水の歩いた道 若山牧水歌碑』の数々・・・。
若山牧水歌碑は暮坂峠の「枯野の旅」詩碑を含めて全部で14ヶ所に設置されています。
 
「笹原の 笹の葉かげに 咲き出でて 色あはつけき りんだうの花」 牧水。

木製の歌碑は風化して読みずらいので記します。。
「摘みとりて 見ればいよいよ 紫の いろの澄みたる りんだうの花」
「越ゆる人 まれにしあれば 石出でて 荒き山路の りんだうの花」若山牧水。
 

「立枯の 木々しらじらと 立つところ たまたまにして 啄木鳥の飛ぶ」(啄木鳥=キツツキ)
「啄木鳥の 声のさびしさ 飛び立つと はしなく啼ける 声のさびしさ」
 

重厚な石歌碑も設置されています。
『みなかみ紀行 「枯野の旅」より 散れる葉の もみじの色は まだ褪せず 埋めてぞをる りんどうの花』 若山牧水。
 
『みなかみ紀行 「枯野の旅」より さびしさよ 落葉がくれに 咲きてをる 深山りんだうの 濃むらさきの花』 若山牧水。

14首全てを載せることは出来ませんので、ご了解を・・・。


若山牧水の生涯-幾山河に故郷を愛して-1996年製作



みなかみ紀行」。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000162/files/4649_15562.html



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