2008 07 20(日)
秩父の夏祭りを代表する“秩父川瀬祭”を堪能してから、秩父神社とその隣に建つ秩父まつり会館を訪問。
秩父神社は秩父三社と云われる秩父神社・三峰神社・宝登山神社の一社で秩父地方の総鎮守社で、その社歴は2000年余といわれています。
南門にあたる石造りの大きな一の鳥居を通ると境内は“秩父川瀬祭”の花笠鉾や屋台が飾られていました。
石鳥居から続く踏み石を辿ると、朱塗りの華やかな楼門(神門)が現れてきます。
楼門の正面に秩父神社の拝殿が端正な姿で参拝者を出迎えてくれます。
徳川家康の寄進になる権現造りの社殿は江戸時代初期の建築様式を色濃く残しています。
一見素朴そうな佇まいですが、社殿をよく見ると軒下には到る所に極彩色の彫刻が・・・。
見事な彫り物が参拝客を圧倒するかのような荘厳の美しさ。
普通は“秩父神社”と書いていますが、拝殿の扁額には「知知夫神社」なのです。
パソコンの変換ミスみたいな感じがしましたね。
(ちなみに、秩父路⇒父無事や乳無事と誤変換が多いです。)
失礼して秩父神社拝殿の奥を撮ってみました。
何処の神社も同じ様な造りです。御幣の後ろには鏡があるだけ。
今日は秩父川瀬祭なので御祭神の妙見様(女神)は神輿に乗って川瀬斎場に御出張中とか・・・。 (秩父神社は神仏混淆の江戸時代には「秩父妙見宮」と呼ばれていました。)
拝殿内部は簡素そのものですが、社殿の外面壁は素晴しい!!
拝殿から本殿のかけての軒下は見事な彫刻のオンパレード!!
彫刻の名人・左甚五郎の作品が沢山ありました。
虎の彫刻で「子宝・子育ての虎」。
子虎が戯れる親子虎がほほえましく描写されています。
この彫刻に祈念すると安産で子供が授かると云われています。
拝殿の右側面には迫力いっぱいの青龍の彫刻!!
左甚五郎が渾身の作と伝えられる「つなぎの龍」。
龍神が暴れ暴風雨で災害を起こさないように青龍を鉄鎖で繋ぎとめている姿です。
(龍胴に黒く細い鎖が絡まっているのが見られると思います。)
本殿の裏側(裏正中)には願えば叶うと記された「うずの泉」と知恵の鳥である「北辰の梟」を中心に野鳥の透かし彫り。
「北辰の梟」は北極星を中心とした北辰北斗信仰の祭神・妙見様(秩父神社主祭神・天之御中主神あめのみなかぬしのかみ)を見返りながらお迎えしているユニークなフクロウ。(菱川師宣の浮世絵「見返り美人」みたいですね。)
秩父神社の祭神の一つである八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)が知恵の神様なので、そのお使いとして社殿北面に位置して崇拝されている瑞鳥との事です。
秩父神社の代表的な立体絵馬の数々をご覧下さい。
左甚五郎より上手に出来ているみたいな「つなぎの龍」絵馬。
(後ろの絵馬の願い事は大学受験でしょうか?)
本来は「北辰の梟」は学業の神様なのですが・・・?
ユニークなのは日光東照宮の「見ザル、言わザル、聞かザル」の逆をゆく「お元気三猿」!!
“見て、聞き、話そう”という積極的な三猿様、御祭神の妙見様は命の根源をつかさどる神様として広く信心されてきた事から「お元気三猿」は元気になるだけでなく不老長寿のご利益もあるそうです。
秩父神社と云えばやっぱり“秩父の夜祭り”!! この夜祭り絵馬の奉納も多かったです。
秩父神社の境内の奥から流れる湧き水は「柞乃禊川」(ならのみそぎがわ)と呼ばれる遣り水で、有名な武甲山からの伏流水といわれる清水です。
秩父神社の参拝兼見物を終えてから、隣接する“秩父まつり会館”へ・・・。
秩父まつり会館には日本三大曳山の一つになる“秩父夜祭り”の屋台や山車が展示されています。(入館料 400円)
絢爛豪華な山車や花笠鉾が間近で見物出来ます。
豪華さと祭りの迫力がひしひしと伝わってきますね。
館内には賑やかな「秩父屋台囃子」が演奏され、夜祭りの華やかな雰囲気が漂っていました。
秩父まつり会館の二階では秩父夜祭に関する珍しい品々が沢山展示されていました。
屋台の後ろ側に取り付ける金糸銀糸で織った絢爛豪華な水引き幕です。 鯉の滝登りの織物。
秩父夜祭りのフィナーレで打上げられる花火玉。(金子花火店寄贈)
昭和39年の秩父川瀬祭?の様子を模したジオラマもありました。
写真の神輿が450年前に造られ、秩父夜祭りの御神幸に担がれた神輿です。
現代に見る神輿と違って、胴太で神様が実際に乗るような部屋造りになっています。
最上部の宝珠は鎌倉様式の名残を留め、現存する神輿では埼玉県最古の神輿とか・・・。
暑い夏の一日を充分に堪能し、想い出多い秩父路を後にしました。
2008 07 29(火)記。 前橋市後 最高気温33℃
この季節ぴったりの夏祭りの歌。
Whiteberry - 夏祭り