キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

グラナダ版ホームズ『唇のねじれた男』

2012年11月09日 | ☆グラナダ版ホームズ
NHK放送時はこのタイトルではなく「もうひとつの顔」だったとか。
短編集「冒険」に入っていますが、エドワードワトスン時代の「リターン」シリーズに入っています。

余りにも有名なこのオハナシ、トリックも秀逸で、誰も死んだりケガしたりしてなくて、よくできたお話だと思います。映像化にも大幅な改変はなく、筋に沿いつつも、ちょっとずつオリジナルな場面が加えてあって、なかなか見ごたえがありました。

まず、音楽そしてラストの炎。
アヘン窟の場面があるせいかもしれませんが、エキゾチックで、現代的ともいえる音楽だったように思います。
そして、いきなりラストシーンの話で恐縮ですが、この話のラストはシリーズ中でもかなり印象に残るものではないでしょうか?ブーンのものをすべて燃やし「ブーンよ安らかに...」と言った後、シェークスピアの一説を引用。そして炎と、そのはぜる音だけがクローズアップされ、音楽なしの幕切れ。印象的でした。(吹き替え版は音楽つきでしたが)

この二つの要素が、ありきたりな事件じゃないこのお話に独特のムードを漂わせることに成功してると思います。なんというか、哲学的でした。

アヘン窟や、下町の上スワンダム小路の様子など、ブーンが商売しているシティの一角など、生き生きしてて、映画みたいでした。エキストラもおおぜい!

そして面白かったのは、やっぱりワトスンを起こしにくるホームズですね。
朝の4時になってようやく寝床に入らせてもらったワトスン。
なのにたたき起こされて、「何時だ?」「夜明けだ」って。そりゃないよ~。
ワトスンを起こしにくるホームズのシーンを最近よく見ているような気がしますが、毎回ちょっとずつバリエーションがあって面白いです。

今回は・・・
まず普通に「ワトスン」
全く起きないので、声色を変えて「わとすーん」
ここで私は、毎回「ぶっ」って吹き出しちゃいます。
何回も巻き戻し再生してみました!
それでもやっぱり起きないので(って無理もないですよ、寝入ったばかりだもの)
今度は、足の裏こちょこちょですよ。
何やってるんでしょうか。この二人は・・・ってか、ホームズは!

このシーンのエドワードさんの足が真っ白できれいです。
山田洋二監督が渥美清を形容した言葉を思い出しました。
「渥美さんはとにかく、きれいな人でした。手でも足でもきれい。
 足なんか、いつも寅次郎は雪駄履きなんだけど、いつもきれいでしたね。」
って(うろ覚えですが)、中年になっても手足がきれいなのってすごいことですよね。
お手入れまめにしてたのかな?


セントクレア夫人、素敵でした。
芯が強い女性ですね。


話は前後しますが、冒頭のホイットニー夫人の登場。
残念ながらワトスンはメアリモースタン嬢と結婚していない設定なので、原作のようなワトスン夫人の話は出てきませんでした。あ、原作では、ワトスン夫人メアリの友人であるホイットニー夫人がワトスン家を訪ねてきて、ワトスンアヘン窟へ。そこでホームズとばったり。という流れなんです。
その代わり、ホームズに約束をすっぽかされた!と不機嫌なワトスンと、またハドスン夫人とホイットニー夫人の「男の人ってどうしてもいつまでも子供なのかしら?」という含蓄のある会話がみられたので、それも良しとしましょうね。


原作どおり、リーまで馬車を操るホームズのシーンも見られます。
これもノースタントでしょうかね。
かなりスピード出てたと思います。
ケント州のリーってどこだろう?

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